TOEIC受験力アップトレーナーのヒロ前田さんの連載「TOEICお悩み相談室」。今回は、リスニングセクションに登場するオーストラリア発音が苦手、という方のお悩みをバッサリ!
今回のご相談
TOEICを何回受けても オーストラリア発音が苦手です。どんな対策がありますか。
――会社員(TOEICスコア760点、20代・男性)
ヒロ前田の回答:
寝言は寝てから言ってください。
バッサリ辛口の解決策
良い結果を得たければ何らかの努力が必要です。
まさか、TOEICを何回も受験すればオーストラリア発音に強くなるとでも思っていたのですか。もし、そうだとすれば、あなたは重病人です。
これまでのTOEIC受験を通じて、あなたはオーストラリアの発音が苦手だと知っているのですね。 にもかかわらず 、「何回受けても苦手」などと言っている。ふざけるのもいい加減にしてください。 受験するだけで苦手が消えるなら、全員が満点を取れます 。
自分では何の努力もせず、人に頼る 。
「ダメな人」の典型例。それがあなたです。
今のあなたに必要なのは反省です。
単に受験を繰り返すだけでは、何も解決しません。 試験は体力測定と同じで、現状を 把握する 手段 です。例えば、腕立て伏せを10回しかできなければ、それが「現状」です。そして、 より良い結果を得たければ、何らかの努力が必要 。当たり前です。
筋力アップのトレーニングをするとか、体重を落とすといった努力をすれば、次の体力測定で良い結果が出るでしょう。
万が一、次も10回しかできなかった場合は、どう思うでしょうか。「努力したのに結果が同じだった」と思うはずです。決して「2回測定したのに結果が同じだった」とは思わないでしょう。良い結果を得るには、努力が必要だからです。
今のあなたは「 体力測定を繰り返すだけの人 」です。何の努力もせずに「苦手だ」と言っているだけ。
オーストラリアの発音を聞き取れるようにするには何をするべきか。少しは自分で考えてみてください。
今のあなたに必要なのは発音対策ではありません。必要なのは反省です。
まずは、とっとと家に帰って寝てください。 ただし 、寝言は禁止します。目覚めたらバケツを持って廊下に立ち、自分の愚かさを反省するのです。
十分に反省したら、パスポートを持ってオーストラリアに飛んでください。 3年も暮らせば、あなたの問題は解決します 。
スッキリ優しい解決策
まず、目的を明確にしましょう。
わかります。あの男性ナレーターですよね。多くの受験者が彼の発音に手を焼いていますから、あまり 心配 しなくていいと思いますよ。オーストラリアの発音について考える前に、あなたの学習目的をクリアにしましょう。
あなたは何回もTOEICを受けているようです。それはなぜでしょうか。特定のスコアが必要なのでしょうか。それとも、スコアアップが楽しくて、趣味として受験しているのでしょうか。または、コミュニケーションの手段として、英語を習得したいのでしょうか。
もし、特定のスコアが必要なのであれば、または、趣味としてTOEICを楽しんでいるのであれば、解決策はシンプルです。
TOEIC の「公式教材」を使ってください 。なぜなら、公式教材に登場するナレーターと試験本番に登場するナレーターは重複することが多いからです。
つまり、 あなたが慣れるべき発音は「オーストラリア人の発音」ではなく、「TOEICに登場するナレーターの発音」 なのです。ですから、公式教材を使って、特定のナレーターの発音に慣れることで、あなたの問題は解決に近づきます。
もちろん、教材に登場しないナレーターが試験本番に登場することはあるので、予期せぬ発音に悩まされることはあるでしょう。でも、それはほかの受験者にも言えることです。あなただけが不利を被ることはないので 安心 してください。
ただし 、教材を使うと言っても 「聞くだけ」で最大の効果が出るとは限りません 。次にいくつかコツを紹介します。
TOEIC受験対策のためにできること
まず、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアと4カ国あるうち、オーストラリア人ナレーターによる発話だけを すぐに 聞けるように、音声トラックを集めましょう。例えば、パート1とパート4では1問につき1人のナレーターしか登場しないので、「パート1の問題2と問題5だけ」とか「パート4の広告と留守番電話メッセージだけ」のように、特定の音声を再生できるよう準備しておきます。ICレコーダーやスマホを使えば簡単にできます。
次に、それらの音声を使って以下の練習をしてください。
- 書き起こす
- 脳内ディクテーション
- モノマネ音読
これら3つの練習に共通するのは、意識を没頭させることです。ボーっと 聞く だけでは足りません。しっかり 聴く ことで、 効く のです。
コミュニケーション力を高めるためにできること
もし、コミュニケーションの手段として英語を学んでいるのであれば、視野を広げることをお勧めします。つまり、「TOEICに登場するオーストラリア人の発音」を意識するのではなく、あらゆる発音になじんでいってはいかがですか。なぜなら、 TOEIC に登場するナレーターは、決してそれらの国の発音の代表ではない からです。
オーストラリアであれアメリカであれ、発音のバリエーションは数え切れません。現実世界でのコミュニケーションを想定するのであれば、1つのテストに登場するナレーターの発音だけではなく、実際に生きている人々が使う発音をすべて受け入れる気持ちを持つことが重要です。
ネイティブスピーカーより、英語を使うノンネイティブスピーカーの数の方が何倍も多い のが現実です。当然、発音もそれだけバラエティーがあるということです。インターネットを使えば世界中の英語を簡単に聞くことができます。ぜひ、えり好みせず、さまざまな発音に接していってください。
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ヒロ前田(ひろ まえだ)
TOEIC受験力UPトレーナー。神戸大学経営学部卒。大人のための勉強スペース「T’z英語ラウンジ」経営。2003年5月に講師として全国の企業・大学で指導を開始。2005年にはTOEICを教える指導者を養成する講座をスタートし、トレーナーを務めている。2008年グランドストリーム株式会社を設立。TOEICの受験回数は100回を超え、47都道府県で公開テストを受験する「全国制覇」を2017年5月に達成。 取得 スコアは15点から990点まで幅広い。著書に『TOEICRテスト 究極の模試600問』(アルク)、『TOEICRテスト900点。それでも英語が話せない人、話せる人』(KADOKAWA)、共著に『TOEICRテスト 新形式問題やり込みドリル』(アルク)等がある。
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