「気難しそう」「不用意な発言」「きちょうめん」「犬猿の仲」を英語で言える?【キムタツ式クイックレスポンス:人付き合い・性格編】

英語どんなに英語を学習しても意外と言えないのが「身の回り」の出来事。キムタツ先生印の「クイックレスポンス」トレーニング(日→英を高速変換)で、言いたいことを英語で言えるようになりましょう!この記事では、人付き合いや性格に関する表現を取り上げます。

人付き合い・性格編

今回のテーマは人付き合い・性格に関する表現です。下の指示に従って、Let's get started!

「クイックレスポンス」トレーニングの手順

  1. それぞれの表現を確認します。わからない単語や文法があれば、印を付けておきましょう。
  2. 音声を聞き、表現の意味や発音を確認します。その後、自分で英文を読み上げ、自信のない箇所は音声を聞き直して再確認しましょう。
  3. 音声の英語に合わせて10回ほどシャドーイングしましょう。ネイティブスピーカーと同じように発音することが目標です。
  4. 何度も声に出して読み上げ、英語と日本語をセットにして、しっかりと表現を覚えます。
  5. 日本語だけを見て、即座に英語の表現が言えるようになるまで頭にたたき込みます。何度も何度も反復して練習しましょう。
  6. 音声を流し、日本語が聞こえたら、英語の音声が聞こえてくる前に、自分で英語表現を口に出してみましょう。

これができるまで、挫折禁止!

Japanese

  1. あの人が怒ったところ、見たことないよね。
  2. あの人、気難しそうに見えるけど、実際はかなり優しいよ。
  3. 彼女はいつも合理的に判断するから、話がスムーズに進む。
  4. あの人はいつも無表情なので、本心を見抜くのが難しい。
  5. 面倒な人間関係にはもううんざりだよ。
  6. 彼に八つ当たりしてしまったことを後悔している。
  7. 彼はいつもさっぱりしているから、一緒にいて楽なんです。
  8. あなたの人懐っこい笑顔はほかの人を和ませるね。
  9. 不用意な発言でまたお客さんを怒らせてしまった。
  10. 作り笑いが上手なのも立派な才能だよ。

English

  1. We’ve never seen him angry, have we?
  2. He seems cranky but is actually very kind.
  3. Since she always makes rational decisions, things go smoothly.
  4. Since he is always poker-faced, it’s difficult to know what he’s thinking.
  5. I’m fed up with complex relationships.
  6. I regret that I took it out on him.
  7. I feel at ease with him because he is always so frank.
  8. Your friendly smile comforts other people.
  9. I made a customer mad again by making an offhand remark.
  10. Being good at smiling diplomatically is a great skill.

読み書きができれば、「聞く」「話す」もできる!

日本語は「世界三大難言語」のうちの一つだと聞いたことがあります。関西で暮らす僕は生徒に「最近、自分どうした?」と聞きますし、聞かれた方は「自分はちょっとやる気が出なくて」などと答えます。「自分」が「私」にも「あなた」にもなる言語って珍しいですよね。

「かてい」や「こうか」のように同じ音で複数の意味を持つ言葉もたくさんありますし、話すときには英語以上に文法を崩しても通じます。正確には「明日はピアノ教室に行くから遊びに行けない」と言いたい場合も、「明日ピアノあるから遊べない」で通じてしまうわけですから。

今月のテーマは人付き合いや性格にまつわる表現です。例えば、日本語ではよく使われる「煙たがられている」という表現を、英語でbe smokyなどと表現することはできません。「敬遠されている」というニュアンスのbe shunned byなどと言います。

日本語ではあまり写実的に表現せずに、あえて比喩(ひゆ)的に表現したりレトリックを用いたりすることがありますので、それを 他言語に変換したいときには、そもそもの意味に立ち返らなければならない のです。

英語で何かを書く際には、調べながらゆっくりと進めればいいのですが、こと話すとなるとその変換を一瞬で行わなければなりません。そのため、普段から基礎トレーニングを積んでおく必要があります。英語が堪能な人であっても「これはどう変換しようかな」と一瞬考える経験は日常的なものですからね。

最近は減ってきているように思いますが、昔から「日本人は読んだり書いたりはできるけど、聞いたり話したりはできない」と言われてきました。でも、実のところは、 読んだり書いたりできない人は、聞いたり話したりができない のです。英語の本が読めた、文章が正しく書ける人であれば、ほんの少しのトレーニングで聞いたり話したりできるようになります。

大人になると英語学習に割ける時間が限られてしまうのでしょうが、毎日少しずつでも、この連載のトレーニングに取り組んでみてください。繰り返し、粘り強く続けていれば徐々に英語が話せるようになるはずです。自分の英語力が上がるのは楽しいものですよね。自分を鍛えて鍛えて鍛えて、その結果を楽しんでください。

これもついでに覚えてしまおう!

  • tiff(ちょっとした口論)
  • acquaintance(顔見知り)
  • extrovert(社交的な)
  • homebody(出無精の人)
  • methodical(きちょうめんな)
  • have a short temper(気が短い)
  • get along with ~(~と仲良くやる)
  • extend one's condolence(お悔やみを伝える)
  • My girlfriend is very caring and dedicated.(僕の恋人は献身的で気が利く)
  • Can you put them in separate teams? They fight like cats and dogs.(彼らを別々のチームに入れてもらえる?彼らは犬猿の仲なんだ)

木村達哉(きむらたつや)
木村達哉(きむらたつや)

1964 年生まれ。関西学院大学文学部英文科卒業。西大和学園中学校・高等学校で10年間、灘中学校・高等学校で23年間教えた後、2021年4月より本格的に作家としての道を歩む。また、全国の中学校・高等学校での講演や英語の先生向け勉強会の開催など、教育活動に精力的に取り組んでいる。著書に『新ユメタン』『東大英語』シリーズ(いずれもアルク)ほか、多数。
ウェブサイト https://www.kimu-tatsu.com/

  • Narration:Kelly Haavaldsrud、Julia Yamakov
  • 本記事は『ENGLISH JOURNAL』2019年2月号に掲載された記事を再編集したものです。
  • 作成:2016年1月11日、更新:2024年10月26日

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