英語を話すのは英語圏の人だけではありません。ノン・ネイティブの多種多様な英語を、世界を旅するように楽しみましょう!今回はメキシコの英語です。各地で古代文明が栄え、優れた古代遺跡が今もたくさん残っている国。とうもろこしが原料のトルティーヤが主食で、メキシコ料理は日本でも人気ですね。
目次
今回のスピーカー
- Zulema Aguilarさん(40代/教育助手):アメリカ滞在歴 20年
- 聞き取りの難易度(1:易→5:難)…2
音声を聞いてみよう!
※音声には、インタビュアーの声も含まれています。
※発言されるべき部分で抜けている箇所を( )で、言い間違えている部分で本来の正しい表現を[ ]で、英文中に補足しています。
Q. 出身地について教えてください。
I'm from Mexico. The name of the state is Guerrero(*1). The city is Acapulco(*2). Um, my city is a beautiful place. Acapulco is, there's a lot of tourists there. There, food is ... I love my Mexican food.
私は、メキシコのゲレーロという州の出身です。町はアカプルコです。私の町は美しい所です。アカプルコには、観光客が大勢来ます。食べ物は、メキシコ料理が大好きです。And, um, a lot of people works[work] there, and the beach. They sell, like, bracelet(s)(*3), uh--souvenirs(*4), yes. They, they, you're gonna see a lot of little childrens[children(*5)] selling things there. Yeah, because they start working.
そして、そこではたくさんの人が海岸で働いています。彼らはブレスレットとか、そういうものを売っていて、そうです、お土産ですね。たくさんの小さな子どもたちが、そこでお土産を売っているのが見られます。そう、子どもたちは働き始めるからです。
- (*1) Guerrero:ゲレーロ州/メキシコ南部の州。
- (*2) Acapulco:アカプルコ/ゲレーロ州最大の都市で、太平洋岸のビーチリゾート。
- (*3) bracelet:ブレスレット
- (*4) souvenir:土産、記念品
- (*5) メキシコでは、働いていて学校に行けない子どもたちの増加が問題となっている。
Q. 家族について教えてください。
I do have three kids. I am a divorce[divorced] mother. And, um, I don't have sister(s) and brothers here in California(*6) 'cause my family lives in Mexico.
子どもが3人います。私は離婚した母親です。ここカリフォルニアには、自分の兄弟姉妹はいません。というのも、家族はメキシコに住んでいるからです。My children, my oldest daughter, she's 20. My son is, he's gonna turn 19 next month. And my youngest, she's gonna turn 15 next month.
私の子どもで、いちばん上の娘は20歳です。息子は来月19歳になります。そして末の娘は来月15 歳になります。
- (*6) California:カリフォルニア州/アメリカ合衆国の西海岸に位置し、アメリカで最も人口が多い州。ロサンゼルスなどの大都市がある。
Q. 仕事や将来の夢について教えてください。
I do work. I work for the school, for Bakersfield City School District(*7). I'm a(n) instructional aide(*8). And I work with small kids, for[at an] elementary school. I do love my job. I like[like it] because I have to work with the kindergarten(*9) and first grade, and, uh, I see how they, they struggle in[with] learning. And I like to provide the help that they need.
働いていて、職場はベーカーズフィールド市学区の学校です。教育助手をしています。小さい子どもたちに小学校で教えています。私はこの仕事が大好きです。幼稚園と小学1年生の子を担当していて、彼らがどんなふうに苦労しながら学んでいるかを見ています。それで、そういう子どもたちを手助けする仕事が気に入っています。Right now, I really want to, um, be a teacher. That’s why I’m learning my, here in the college, to learning, uh, how to speak and how to write. And that’s my dream, my goal--to be a teacher.
今は、本当に教師になりたいです。だからここの大学で勉強して、(英語の)話し方と書き方を学んでいます。そして、それが私の夢、目標―教師になることですね。
- (*7) Bakersfield City School District:ベーカーズフィールド市学区
- (*8) instructional aide:教育助手/教室活動や事務作業において、フルタイム教員をサポートする。
- (*9) kindergarten:幼稚園/カリフォルニア州では公立小学校に併設されている。
解説:ゆっくりとした、聞き取りやすいアメリカ英語
アメリカ滞在歴も長く、全体的には聞き取りやすいゆっくりとしたアメリカ英語で話しています。特に、city、a lot of の lot、little、daughter などの/t/の音が、弾き音(日本語のラ行やダ行の音のように聞こえます)で発音されたり、20(twenty)の語尾が/-ni/になるのは、アメリカ式発音の特徴です。
Zulemaさんの話す英語に全体的に見られる特徴としては、is、things などの語末子音/z/が無声化する傾向が挙げられます。また、3回出てくる a lot of では、いずれも lot の/t/が弾き音になると同時に、of の/v/の音が消えたような発音になっていたり、state(-te)、like(-ke)、bracelet(-t)、right(-t)の( )内の無声音が脱落して消えていたりしますので、聞き取りの際には注意しましょう。
音声解説:里井久輝(さといひさき)
龍谷大学教授。イギリス、リーズ大学大学院修士課程修了。大阪大学大学院言語文化研究科博士後期課程修了、博士(言語文化学)。専門は音声学、言語学、英語教育。著書に『英語で歌おう! スタンダード・ジャズ』『「世界の英語」リスニング』(いずれもアルク)がある。
- 取材:酒巻バレット有里
- 翻訳:吉田章子
- 本記事は『ENGLISH JOURNAL』2017年10月号に掲載した記事を再編集したものです。
- 作成:2016年1月3日、更新:2024年10月28日
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