ネイティブスピーカー同士のおしゃべりから、自然な英語表現を学べる、『ENGLISH JOURNAL』の人気コーナー「Quick Chat」。その会話40回分を分析し、意思疎通を図る上で欠かせない表現や、語句を変えて応用できる、まるで魔法のような便利表現を、厳選して紹介します。
目次
意見・感想を述べる
I think . . . 一辺倒ではあまりに寂しい(笑)。「確信を持って」「控えめに」など、細かなニュアンスとともに考えや意見を伝えてみましょう。
I suppose . . . (・・・と思うんだけど)
I suppose it would be a great idea to travel around the world by yourself if you ever get the chance.
思うんだけど、機会があれば一人で世界を旅して回るのは素晴らしいアイデアだね。
「たぶん・・・と思うんだけど」と推測を述べる表現。I suppose . . . は事実かどうか分からないが、真実と信じていることを述べる際に使い、I think . . . は知識や事実などに基づいて意見を述べる際に使うことが多いです。
I’m sure . . . (・・・と確かに思う)
I’m sure all of the guys are imagining that they’re James Bond, when they’re at a prom.
プロム(アメリカの高校生活における最大のイベントで、卒業を目前にした高校生のために開かれるダンスパーティー)のとき、間違いなく男子はみんな、ジェームズ・ボンドのつもりだよ。
「本当に・・・、確かに・・・」と断言する際に使うフレーズ。He’s a nice guy, I’m sure.(彼はいい人だよ、本当に)のように、文末に付け加えることもできます。
I’m wondering . . . (・・・かと思う)
I’m wondering how I managed to survive without electronic maps.
どうやって電子地図なしで切り抜けてきたのかな、と思うよ。
wonderは「・・・だろうかと思う、・・・を知りたいと思う」の意。I’m wondering . . . と進行形にすることで、I wonder . . . より控えめで丁寧な口調になります。
I would say . . . (・・・だと思うんだ)
Japan is a great place to get lost in, I would say.
日本は迷子になるのに素晴らしい所だと思うんだ。
「・・・だと思うんだ、言わせてもらえるなら・・・」と自分の意見を控えめに述べる際の表現。カジュアルな会話ではたいていI’d say . . . の形で使われます。上の例のように、文末に付け加えることもできます。
It sounds to me like . . . (自分にとっては・・・に思える)
It sounds to me like it’d be an emotionally scarring experience for some people.
一部の人にとっては、心に傷跡を残す経験になりそうだと僕には思える。
相手の発言に対して自分の印象を述べる際に使える表現です。見たものに対しての印象は、It looks (like) . . .(・・・に思える、・・・に見える)で表せます。また、It seems (like) . . .(状況から判断して・・・と思える)などもよく使われるフレーズです。
Maybe you should . . .(・・・した方がいいんじゃないかな)
I’m pretty adept at moving house, maybe you could say.
私はかなりの引っ越しの達人と言えるんじゃないかな。
推量を表すcould(かもしれない)を使って「・・・と言えるんじゃないかな」と控えめに自分の解釈を伝えるフレーズ。相手に遠回しにアドバイスするMaybe you should ~(~した方がいいんじゃないかな)も覚えておきましょう。
限定・条件付きで意見を述べる
状況や状態を考慮した上で自分の意見や考えをを述べる方法です。限定や条件を加えることで、より客観的な意見を伝えることができます。
Even though . . . (たとえ・・・でも)
Even though you have the address, finding it is a whole different challenge.
住所が分かっていても、その場所を見つけるのは、まったく別の挑戦になるんだ。
「たとえ・・・でも、・・・だけれども」と事実に基づいて、それに反する主張を述べる際に使う表現。仮定や可能性がより低い事柄には、even if . . .(たとえ・・・だろうとも)を用います。
I don’t know if that’s true, but . . . (本当かどうかは分からないけど・・・)
I don’t know if that’s true, but that’s what I’m told.
本当かどうかは分からないけど、そういうふうに教えられたんだ。
事実かどうか分からない事柄について話す際に、前置きとして使える表現です。I don’t knowの代わりにI’m not sureを使って、I’m not sure if that’s true, but . . . のようにも言えます。
If I remember correctly . . . (私の記憶が正しければ・・・)
The prom dance is usually a little bit before the end of the school year, if I remember correctly.
僕の記憶が正しければ、プロムはたいていは学年が終わるちょっと前だね。
自分の記憶に確信がないときに使えるフレーズ。If I remember right(ly) . . . などとも言えます。文頭だけでなく、上の例のように文末で使うこともできます。
every time . . . (・・・するたびに)
Every time I got on the train, I saw kids completely passing out and their parents carrying them.
電車に乗るたび、子どもが(眠って)完全に意識をなくして、親が彼らを運んでるのを見るよ。
「・・・するたびに」という意味で接続詞の働きをするフレーズ。ちなみに、続く部分に状態動詞を使う場合には、whenever . . .(・・・のときはいつでも)を用いて、You can have a break whenever you like.(好きなときに休憩していいよ)などと言うことができます。
Not only that, (but) . . . (それだけじゃなくて・・・)
Not only that, but you can enjoy the beautiful scenery there.
それだけじゃなく、美しい風景も楽しめるんだ。
「それだけじゃなくて・・・」と、相手の話[that]に似た意味の表現にBesides that, . . .(それに加えて・・・)があります。
I can’t say with exactitude . . . (正確には言えないんだ・・・)
I can’t say with exactitude because part of my going-to-bed ritual is reading.
正確には言えないんだけど、それは、寝るときの僕の習慣に読書があるから。
exactitudeは「正確さ」の意。これから述べる内容に対して、「正確には言えないことだが・・・」とあらかじめ断っておくときの表現です。I can’t say for sure, . . .(確かではないが・・・)も似た意味のフレーズです。
控えめに提案する
自分の意見や提案を控えめに表現することは、円滑なコミュニケーションに役立ちます。堂々とした断言よりも、遠回しに提案することで、相手の意見を尊重しつつ、自分の考えを伝えることができます。控えめながらも有益な提案を行うための表現を紹介します。
It might be a nice idea to . . .(・・・はいいかもしれない)
It might be a nice idea to get married now.
そろそろ結婚するのがいいかもしれない。
「~はいいアイデアかもしれない」と控えめに提案する際のフレーズ。It would be great to . . .(・・・するのがいいでしょう)という表現も、同じような場面で使えます。
適切な言葉を探す
適切な表現や言葉が頭に浮かばずに困ってしまうことがありますね。、言葉選びに迷った際に役立つフレーズを紹介します。
What shall I say?(なんて言おう?)
Now what? What shall I say?
どうしよう、次は?なんて言おう?
適切な言葉が出て来ないときや言い換えの表現を探しているときなどに、時間かせぎに便利なフレーズ。類似表現のWhat’s the word?(なんて言うんだっけ?)やHow would you say it?(なんて言うかな?)も、一緒に覚えておきましょう。
言い換える
同じことを別の言葉やフレーズで言い換えて、よりクリアで魅力的なコミュニケーションができます。言い換えのテクニックとして、特定の表現を別の言葉で言い換える方法をご紹介します。
so to speak(言ってみれば)
He is a self-made man, so to speak.
彼はたたき上げの男なんだ、言ってみれば。
「言ってみれば、いわば」と、話を分かりやすく言い換える際に用いるフレーズ。例文のように文末や、文中にも用いることができます。よりかしこまった表現のas it were(いわば)も同じように使えます。
表現を豊かにする「副詞」を使いこなす
文頭に副詞(文修飾副詞)を使えば、話す内容に関する自分の感情(surprisinglyなど)や態度(honestlyなど)、確信度(obviouslyなど)を伝えることができます。例えばIt is obvious that . . .(・・・は明白なことです)という文よりも、Obviously で文を始めるとシンプルで伝わりやすく、内容よりも先に立場(感情・態度・確信度)を表明しておくことで、相手の理解もスムーズになります。このような副詞の例を、幾つか紹介しましょう。
Hopefully, not enough if you’re driving.
願わくば、運転中は勘弁してほしいけど。
Obviously, there were lots of American guests.
明らかに、アメリカ人のゲストが多かった。
Unfortunately, as fun as this is to talk about, our time is up for this month.
楽しい話題なので残念だけど、今月はもう終わりの時間です。
Surprisingly, the second most popular job after software engineer in the U.S. right now is college professor.
びっくりすることに、アメリカで今、ソフトウェアエンジニアに次いで2番目に人気の職業は、大学の先生なんだ。
次回は、「気持ちを伝える表現」をご紹介します。どうぞ、お楽しみに。
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