「目から鱗(うろこ)」「目くじらを立てる」は英語でなんて言う?

日本語の慣用句「目から鱗(うろこ)が落ちる」は英語でなんて言う?「目くじらを立てる」と合わせて2本立てで紹介します。

「目からうろこ」はなんと『新約聖書』から!

「目からうろこ」は、「目からうろこが落ちる」を省略した言い方ですね。

「目からうろこが落ちる」の意味として、コトバンクの「デジタル大辞泉」には「《新約聖書「使徒行伝」第9章から》何かがきっかけになって、急に物事の実態などがよく見え、理解できるようになるたとえ」とあります。

『新約聖書』?!語源はキリスト教の話だったのですね。では、その「使徒行伝」第9章の話とは?下記のサイトに説明がありましたので、ご参照ください。

目から鱗が落ちる - 故事ことわざ辞典

目が見えるようになったから来ていて、英語では「The scales fall from one’s eyes.」と言うのですね。

「目くじら」はクジラとは関係ない!

「目くじら」の意味は、 コトバンクの「デジタル大辞泉」によると「目尻。目角(めかど)。また、怒った目つき」、同じくコトバンクの「大辞林 第三版」では「目の端。目尻。目角 めかど。めくじり」となっています。

「めくじり」とは聞き慣れない言葉ですが、「くじら」と音が近いので引っ掛かります。これをさらに調べると、コトバンクの「大辞林 第三版」に「『目くじら』に同じ」とありました。

これで、「目くじら」は「クジラ」とは関係がなく、「目くじり(めくじり)」「目尻(めじり)」と同じものを指していることが分かりました。それで、「目くじらを立てる」は、目尻や目をつり上げる、つまり怒っていることを表すわけですね。

「目から鱗が落ちる」は英語でなんて言う?

「目からうろこが落ちる」の日本語での意味は、先ほどコトバンクの「デジタル大辞泉」で確認したように、「何かがきっかけになって、急に物事の実態などがよく見え、理解できるようになるたとえ」でしたね。

語源が『新約聖書』ですから、そのまま英語で「The scales fall from one’s eyes.」が使えます。ただ、聖書では目が見えるようになるという良い話ですし、日本語の「目からうろこ」は主に良いことに使うと思いますが、英語では悪いことにも使うようです。

I used to only see his good points, but now the scales have fallen from my eyes, and I’ve decided to divorce.
彼のいいところしか見えていなかったけど、今では目が覚めて、離婚を決意した。

「have scales fall from one’s eyes」という形もあります。

I've had the scales fall from my eyes!
目から鱗だ!

しかしたら、scalesを使った上記の表現には、やや古風なイメージがあるかもしれません。

文脈によっては、「open one’s eyes」や「eye-opener」も使えるかもしれないと思いましたが、どうでしょうか。これらの意味を英英辞典で確認しておきましょう。「目を見開くような」というイメージの表現です。

to open somebody’s eyes (to something)
to make someone realize something that they had not realized before

「Longman」 より

eye-opener
an experience from which you learn something surprising or new

「Longman」より

使い方はこんな感じです。

The book opened my eyes to the difficult situation of immigrants in my country.
その本で、この国の移民が置かれている厳しい状況を知り、目から鱗だった。

My first trip to Japan was a real eye-opener.
初めての日本旅行は、本当に目から鱗だった。

こんなふうに言われたら、さらに詳しい話を聞きたくなりますね!

「目くじらを立てる」は英語でなんて言う?

まず、まずこの慣用句の日本語としての意味を改めて確認しましょう。 コトバンクの「デジタル大辞泉」によると、「目をつりあげて人のあらさがしをする。他人の欠点を取り立てて非難する」という意味です。

ちなみに「粗探し(あらさがし)」はどういう意味かというと、コトバンクの「大辞林 第三版」では「他人の欠点や過失をことさら探し出すこと」です。

「目くじらを立てる」には、状況や言いたいことに応じて、さまざまな英語表現が使えそうですね。

例えば、こんな上司はいませんか?

Our boss is always determined to find fault with everything we do.
私たちの上司はいつでも粗探しをしてくる。

それから、こんな英語の先生も。でも、これは感謝すべきなのかもしれませんね!

My English teacher is too strict about my grammar mistakes.
私の英語の先生は文法間違いに厳し過ぎる。

また、こんなふうに簡単な表現を使って言うこともできるかもしれません。

Stop getting angry over everything you see.
いちいち何にでも怒るのはやめたら?

「make a fuss」も使えそうです。「(大したことないのに)大騒ぎする」という意味です。

Don’t make a fuss about such a trivial matter.
そんなささいなことで大騒ぎすることないでしょ。

次のような動詞も使えそうです。

All you do is criticize people.
人のこと批判するばかりだね。

Only blaming someone will get you nowhere.
人を責めるばかりではどうにもならない。

He even complains about a small typo in a handout for a team meeting.
彼はチームミーティング用の資料のちょっとした誤字にも文句をつけるんだ。

まあ、細かいことが大事な場合もありますしね。気軽な会議の資料なら問題なさそうですが、社外プレゼンの資料に誤字があるのは困るかもしれません。

まとめ

日本語の慣用句を英語で言いたいときは、元の慣用句はそもそもどういう意味なのかということから考えると、表現しやすくなりますよ!ぜひお試しください。

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