ビジネスの場で英語を話すなら、国際情勢や経済動向、企業戦略など、世界の最新事情に触れる機会が必ず訪れます。そんなとき、「今話題のあれを英語でなんて言うのか」を学ぶのに最適の素材が英語のニュースです。日経LissNで配信されている最新情報を、英語講師の天満嗣雄先生がわかりやすく解説します!
今回のニュース
全国の主要大学の学長を対象とした調査で、21年度には授業の大半を対面で行う 方針 の大学が3割である一方で、5割の大学は未定であることがわかったというニュースです。
“Lessons in 2021 school year to be predominantly face- to -face,” say 30% of universities; 50% undecided due to infection wariness2020年12月16日に配信されました。大学3割「21年度は対面中心」感染警戒で5割未定
まずは聞いてみよう!
音声は以下から聞くことができます。一体、どんなことが話されているのか、概要を 把握する つもりで聞き取りましょう。
※ノーマルスピード(1倍速)の音声です
理解度をチェック!
ニュースの内容について、しっかり聞き取って理解できているか確認しましょう。次の問題について、正解の選択肢を選んでください。
Which of the following is true?正解は、この記事の最後に掲載しています。(A) Over 80% of universities are undecided about holding classes in person .
(B) Kansai University is hesitant to hold lessons in person next year.
(C) The majority of universities surveyed were concerned about their students’ mental health.
詳細を聞き取ろう
今度は、スクリプトや翻訳を確認しながら、もう一度音声を聞いてみてください。聞き取れていなかった箇所や、意味がわからなかったところなどを重点的に確認してください。
スクリプト
“Lessons in 2021 school year to be predominantly face- to -face,” say 30% of universities; 50% undecided due to infection wariness
It was learned in The Nikkei’s questionnaire of university heads that 30% of the 154 leading universities nationwide, including Aoyama Gakuin University, are planning predominantly face- to -face classes in the 2021 school year. In the background are things such as the fact that the number of universities concerned about the mental health of new students has reached 80%. At present , outbreaks of novel coronavirus clusters (groups of infected people) are occurring one after another , and there are also many universities that are cautious , such as the 50% that are undecided about class formats for next year.
From October to November, The Nikkei sent a questionnaire to 157 universities and received responses from 154. When asked about the format of lessons, only three universities had exclusively face- to -face lessons and 23 universities had predominantly face- to -face lessons for the latter half of the 2020 school year (September 2020 to March 2021). There were 77 universities that had predominantly remote lessons, and 50 with half face- to -face lessons and half remote lessons.
From April 2021, there were 55 universities with mainly face- to -face lessons and four with exclusively face- to -face lessons. There were no universities with remote-only lessons, one with predominantly remote lessons, and 15 with half face- to -face lessons and half remote lessons, and the movement to return attention to the face- to -face format became clear .
Kansai University emphasizes predominantly face- to -face lessons as a principle because “discussions by teachers and students deepen learning.” It will avoid the three Cs in large- scale lessons with more than 250 students by taking measures such as providing them in an on - demand format in which videos are delivered.
翻訳
大学3割「21年度は対面中心」 感染警戒で5割未定
全国の有力大154校のうち、青山学院大など3割が2021年度に対面中心の授業を計画していることが、日本経済新聞の学長 アンケート でわかった。新入生のメンタル面を危惧する大学が8割に上ることなどが背景にある。足元では新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)の発生が相次ぎ、5割が来年の授業形式を未定とするなど慎重な大学も多い。
10~11月に157校に調査票を送り、154校の回答を得た。授業の形式を尋ねたところ、20年度後期(9月~21年3月)で完全対面は3校、対面中心は23校にとどまった。遠隔中心が77校で、遠隔と対面を半々が50校だった。
21年4月からは対面中心が55校、完全対面も4校となった。完全遠隔はゼロ、遠隔中心は1校、対面と遠隔が半々も15校となり、対面に軸足を移そうとする動きが鮮明になった。
関西大は「教員や学生による議論が学びを深める」として対面中心を原則にする。学生が250人を超す大規模授業は、動画を配信するオンデマンド型にするなどして3密状態を避ける。
覚えておきたい単語リスト
ニュースに出てきた表現のうち、難しいものや、特に知っておいた方がいいものをまとめました。一つずつ、意味を確認してください。
- predominantly:大部分は、圧倒的に
- undecided:未定の
- wariness:慎重さ
- questionnaire: アンケート
- nationwide:全国の
- outbreak :発生
- cluster :集団、塊、房
- cautious :用心深い
- exclusively :完全に
- principle :原則
- take measures:対策を講じる
ニュースのポイント
第1段落冒頭のIt was learnedは、 動作 主が重要ではなく、何がわかったのかを述べるために仮主語itを使って受動態で文を始め、重要な情報を最後に持ってきた形です。カンマに挟まれたincluding Aoyama Gakuin Universityは主語の補足説明です。In the background are thingsで始まる文は倒置になっています。前の文では主要大学の30%が大半の授業を対面で行う予定であることを述べていますが、直後に学生の精神面を 心配 している大学の数の話が続くと、少し唐突な感じがします。語順を入れ替えて、前文の内容の「背景にあること」を 先に 伝えた方が情報の流れが自然なために倒置が起こっています。
第2段落では、この調査の 実施 方法や2020年度の実態についての結果が述べられています。第2文のWhen askedは、自明な主語theyと動詞wereが省略された形。続く第3段落では、2021年度の授業形態についての回答状況が述べられています。
第4段落は関西大学の回答について。大半を対面授業とするものの、3密を避けるため大規模なクラスはオンデマンドで行うなどの対策を取るということですね。 in which videos are deliveredは on - demand format を詳しく説明しています。
今週のキーワード
leading主要な動詞 lead (~を率いる)の現在分詞が形容詞になったものです。後ろに続く名詞が、同じ種類のものを率いるような存在であることを表しています。大学や企業などの組織以外にも人物に対しても使います。
クイズの正解">クイズの正解
(C )
いかがでしたか?来週はどんなニュースが飛び込んでくるのでしょうか。毎週火曜日の 更新 をお楽しみに!
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※土日祝日は3本となります。
天満嗣雄(てんまひでお) 中学・高校時代にNHKラジオの語学番組で英語を学び、神戸大学ESSを経て英会話学校に就職。学校運営・レッスン(英会話・国連英検・TOEIC・Speech)および、講師研修を担当。企業派遣講師を経てプロセス英語会を開設。専門学校や企業でも教える。著書に『 TOEIC(R) L&Rテスト Part 3&4 鬼の変速リスニング1 TTT速習シリーズ 』『 TOEIC(R) L&Rテスト 「直前」模試3回分 (いずれも共著、アルク)などがある。
ホームページ: https://processeigo.com/
Twitter: @ProcessE
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