英語で話し掛けられたとき、頭の中で日本語を組み立ててしまい、返事が遅くなってしまう――。そんな経験はありませんか? 今回は、“発音の鬼”ことリチャード川口さんの英語学校「RK English School」の「英語脳」クラスを取材。自分の言いたいことを瞬発的に英語で伝えるための考え方や、実際の授業の様子を紹介します。
目次
「英語脳」って何?

このクラスのテーマは、なんでも思ったことを英語で言えるようになる「英語脳」の構築です。
ここでいう「英語脳」とは、日本語を介さず、英語のままで考え、理解し、表現する感覚のこと。
リチャードさんは、「英語脳」のクラスで最も大切なのは次の考え方だと言います。
言いたいことに正解も不正解もない
重要なのは、自分が言いたいことが相手に伝わること。
伝われば100点満点。
文法が多少間違っていても、自分らしい言葉で表現できればそれでいい。
従来のテスト英語では、「正しい英文」を作ろうとするあまり、話す前に止まってしまう人が多いそうです。
しかし実際のコミュニケーションでは、まず「伝えようとすること」が大切。
その“ブレーキ”を外し、英語で考えながら瞬発的に会話できる状態を目指すのが、この「英語脳」の授業です。
「英語脳」を作るための2つのポイント
1.英語は「語順」の言語

リチャードさんは、
英語は語順の言語。
と説明します。
日本語では多少語順を入れ替えても意味が通じますが、英語では単語を置く順番によって意味が決まります。
例えば、
日本語
<リチャードは> <生徒たちに> <教えていた>
英語
<Richard> <was teaching> <students>
英語では、この順番が崩れると意味が分かりづらくなってしまいます。
そのため授業では、生徒が話した英語を、その場で自然な語順に修正しながら、「英語を英語のまま理解する回路」を作っていきます。
2.英語を英語で説明できるようにする

「英語脳」を作るためには、単語を日本語訳だけで覚えるのではなく、英語表現同士をつなげて理解することも重要だそうです。
例えば、
I appreciate it. = ありがとう
だけではなく、
I appreciate it.
= Thank you. / Thanks. / I owe you one. / You are the best. / Cheers.
のように、「近いニュアンスの英語表現」をセットで覚えていく。
すると、日本語を経由せずに英語同士で意味を理解できるようになります。
つまり、
- 英語 → 日本語 → 英語
ではなく、
- 英語 → 英語
で理解できる状態を目指していくのです。
RK English Schoolの「英語脳」クラスを体験!

「英語脳」のクラスは、毎週火曜日20:10スタート。
仕事帰りの社会人が多く参加しており、遠方からSkypeで参加する人もいました。
授業は、雑談から自然に始まります。
この日は、「ギョーザって英語でなんて言う?」という話題からスタート。

ギョーザには、“pot sticker” って言い方があるんだよ。
フライパンにくっつくイメージから来てる。
単語だけでなく、
- どういう発想でその言葉が生まれたか
- ネイティブがどうイメージしているか
まで説明していくのが印象的でした。
「それだけは勘弁して!」を英語で言ってみよう

この日のメインテーマは、
「それだけは勘弁して!」
を英語で表現すること。
リチャードさんはこう言います。
一つの「正解」を探すんじゃなくて、自分らしい表現で言ってみる!
生徒たちは次々に表現を出していきます。
No way!

No way!
リチャードさんは、
「いやなこった!」って感じが出てていいね!
とコメント。
I can’t believe what just happened!

I can’t believe what just happened!
リチャードさんは、
“just” を入れると、“今まさに起こった感” が出る。
と、その場でニュアンスを補足。
Anything but this.

Anything but this.
「これだけは嫌だ」というニュアンス。
リチャードさんは、
必死感が出てるね(笑)。
と笑いながら解説していました。
Come on!

Come on!
さらに、
“Come ON!” の “ON” に力を入れると、「勘弁してよ〜!」感が出る。
など、イントネーションまで含めて説明。
授業では、生徒が出した表現をきっかけに、
- 類似表現
- ニュアンスの違い
- ネイティブっぽい言い回し
がどんどん派生していきます。
「英語脳ノート」を作る

授業では、生徒が自分専用の「英語脳ノート」を作っていきます。
そこに書き込むのは、
- 自分が考えたフレーズ
- 他の生徒の表現
- 授業中に出てきた自然な英語
など。
「単語帳」ではなく、
“実際に使える表現集”
が自分の中に蓄積されていくイメージです。
「英語脳」の授業を受けて感じたこと
1.英語表現は本当に無限にある
同じ意味でも、人によって発想がまったく違う。
その場で生徒たちが出したフレーズだけでも、「勘弁して」の言い方が何通りも生まれていました。
2.ライブ感がある
授業はかなりテンポが速く、会話中心。
頭をフル回転させながら、その場で英語を組み立てていきます。
「間違えてもいいから言ってみる」という空気があるので、自然と口が動くようになる感覚がありました。
3.“伝える力” が鍛えられる
完璧な英文を作るのではなく、
「知っている単語でどう伝えるか」
を徹底的に考える授業。
実際の英会話に必要な「瞬発力」が鍛えられる内容でした。
レッスン動画はこちら
リチャード川口さんの「英語脳」クラスの様子は、こちらの動画でも見ることができます。
ENGLISH JOURNAL 2020年2月号では発音特集も
『ENGLISH JOURNAL』2020年2月号では、リチャード川口さんによる16ページの発音特集を掲載。
読者モニター6人が1週間の発音トレーニングに挑戦し、Before & After の音声付きで成果を紹介しています。

RK English School

2013年にリチャード川口が立ち上げた、講師全員がバイリンガルの英会話スクール。無料の英会話ラウンジや、「発音」「表現力」「英語脳」「TOEIC」などの技術の習得に特化しているのが特徴。留学しなくてもネイティブと対等にコミュニケーションができる「イケてる英語」が楽しく習得できる。
編集・取材:伊藤忍
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