「関係詞 what の使いこなしガイド」英語がどんどんしゃべれる!【同時通訳者・横山カズ】

同時通訳者の横山カズ先生が、英語スピーキングの大人気講師としても活躍する中で、実際に役に立った「無限のスピーキング力上達法」を教えます。第6回は、会話の出だしにwhat を使って英語がどんどんしゃべれるようになる方法を紹介します。

皆さん、こんにちは。同時通者の横山カズです。

前回まで は英語スピーキングの瞬発力を得るためのテクニックをお伝えしてきましたが、今回は普段の生活での英語との付き合い方についてお話したいと思います。実はこれは英語の瞬発力を支えるもう1つの不可欠な要素なんです。

What で文を始めると、言いたいことが口に出てきやすい

英語のスピーキングには、ある程度慣れてはきたものの、言い始めがいつも I think ~ になってしまうことはありませんか。もし心当たりがあるなら、what 節を意識的に使ってみる絶好のタイミングです。

what に限らず、who、when、where、why、how などの、5W1H に代表される関係詞節を使えるようになると、言いたい英語がナチュラルに出てくるようになりますよ。中でも what は圧倒的に使用頻度が高い のです。ですから、最初に what を押さえておきましょう。それでは早速、次の例文を見てみましょう。

What I like about you is ~. あなたのいいところって~だよね。
What I hate about him is~. 彼の~なところが嫌い。
What I think you're trying to say is~, right ? おっしゃっていることは~ということですよね?
What we need to do for now is ~. 今やるべきことは~です。
What I usually do is ~.  普段は~してるんです。
What I often think is ~.  よく~と思うんですよね
このように、いくつかの what 節のパターンを知っておくと、次の1~3の流れに沿って、自分の考えを口から出すのが楽になるんです。
  1. 自分がこれから言おうとしていることを what ~を使って「見出し」のように伝え、相手の関心を引く。
  2. what ~を使って「見出し」を言っている間に、自分の意見をまとめるための時間が確保する。
  3. ナチュラルな英語の会話のリズムに乗る。

what を使えば、日本語独特の表現を英語に訳すことが楽になる

写真は横山カズ先生本人(右)が会議通訳している場面です。

日本語独特の表現をそのまま英語に訳すことは難しいですよね。ですが、 「関係詞+基本動詞」 のコンビネーションに慣れてくると、それほど難しいものではなくなってきます。

次に紹介する10個の例文は what を自由に操る感覚を養うための、 意訳で「意図」を自由に英語化する遊び のようなものだと考えてください。スピーキングの練習としてはここまで自由にやっていいという感覚に触れていただきたいのです。関係詞節は、主語としてだけでなく、目的語としても使える便利さを感じられると思います。

気持ちを教えて。 Tell me what 's on your mind.
知らぬが花だよ。 What you don't know can't hurt you.
はぐらかさないでよ! Take what I say seriously!
 自分なりに頑張ってます。 I'm doing what I can.
彼の話をよく聞きなさい。 Concentrate on what he says.
あの人は住んでる世界が違うんだ。 He can seewhat I can't see ,” and he knows “ what I don't know.”
見たままですよ。 It's exactly what it appears to be .
これはそんなんじゃないんです! It's different from what it looks like!
自分の目標と周りの期待のズレは大きかった。 What I wanted to become was ridiculously different from what they wanted me to be .
ブレるな、自信を持って。 Be sure of what you do.
アンテナを張っていきましょう。 Be aware of what 's happening.
引用元: 『ビジネス英語パワー音読トレーニング 』(DHC)

what を使いこなすためのヒント

what を使いこなすことは、同時通訳の基本的な技術の1つですが、日本語が母語の私たちにとって、スピーキング力を向上させる効果があります。次の日本語を英語に訳してみましょう。

ですので、彼女は状況を 改善 しなくちゃいけないと私に語るのです。
文の後ろから丁寧に訳すと、
So , she tells me she needs to improve the situation .
と言えますね。しかし同時通訳ではそうはいきません。なぜなら「語るのです」という動詞は文の後ろにあるため、1文で英訳することが不可能なのです。では、どうすればいいのでしょうか?
So , she needs to improve the situation .

That's what she tells me.

what を使って2文に分けてみてはどうでしょう。こうするだけで、「あたかも日本語を話している」かのように、日本語と同じ語順で口に出す事ができます。関係詞節の持つ 可能性 、柔軟性を体感するにはよい練習です。海外にいなくても得られる感覚は多いですよ。

関係詞表現の「宝探し」を楽しもう!

毎日の英語学習に 無生物主語の「宝探し」 を追加してみましょう、とお伝えしましたが、同じように 「今日は関係詞 what を〇回は使うぞ!」 と決めて、誰かと英語を話したり、チャットにチャレンジしてみましょう。まず手始めとして、この記事の最初にある「出だし」の表現を音読して、柔らかく、そして鋭く「スパッ」と返しができるようにウォームアップしてくださいね。

また、 「今日は関係詞 what を~個は見つけるぞ!」 と決めて、映画やドラマのスクリプト、英文雑誌や英字新聞のインタビュー記事をメインに、関係詞を使った表現をコレクションしましょう。

what 節など、関係詞節が増えるほど、その会話は本音で語られている事実に気が付きますよ。そして、5W1Hの関係詞節や基本動詞、前置詞がずっと身近になっていきます。「早く使ってみたい」というはやる気持ちがかき立てられるでしょう。

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