2日間の英語集中合宿「イングリッシュブートキャンプ」から、約12週間の新プログラム「ジム」が登場しました。どんなトレーニングなのか、GOTCHA!編集部員が実際にフルで参加して体験レポートいたします!
「イングリッシュブートキャンプ」と「ジム」の違い
GOTCHA!で何度も紹介してきた2日間の英会話合宿「イングリッシュブートキャンプ」。この合宿は、日本語NGの環境の中で、集中的に英語を話すことにより「英語を話すのは恥ずかしい」といった「心理的障壁」をなくし、 「英語を話すことに抵抗がない自分」 を作り上げていくのを目的としています。
今回編集部員が体験した 「ジム」が目指すのはその先の「英会話力の定着」。 2日間では学びきれなかった「単語」「リスニング」「表現」「発音」「プレゼン方法」など、使える英会話をマスターするのに必要な細部を徹底的に鍛え上げ、英語が反射的に口をついて出てくるまでトレーニングを続ける 「英語脳になるための筋トレ」を行います 。
12週間といっても、すべて通学するわけではなく、自宅学習の週もあり、オンラインでのプライベートレッスンなども用意されています。「ジム」のプログラムの詳細はこちらの記事で紹介しているので、ご参照ください。
「ジム」の初日に現在の英語力をチェック
「ジム」の初日は8時間!の「スタートアップセミナー」。現在のスピーキング力を試す英語テストを受けたり、ジムの説明を受けたり、今の実力を測るために英語でのディスカッションを行ったりと、盛りだくさんの内容です。
参加者は「イングリッシュブートキャンプ」の卒業生が中心で、 「海外出張を控えている」「上司が外国人になった」「会社のミーティングの共通言語が英語」「クライアントが外国人」 など、ビジネス英会話の必要に迫られた方ばかりでした。
英語のディスカッションでは数人のグループに分けられた後、各グループの一人がディスカッションの進行をするファシリテーター役に任命されます。ディスカッションのテーマは「日本の少子化について」や「初婚年齢の高齢化」「選挙の投票を義務化すべきか」など、ちょっと難しめ。
「日本の少子化」について日本語で話せと言われても、気の利いた発言はできなさそうなのですが、それを英語でとなるとさらに難しく、思わずだんまりしてしまう私。ファシリテーター役は交代で行うのですが、任命されるとスピーカーたちの意見をまとめ、ディスカッションの結論(コンクリュージョン)を述べなくてはいけません。
「ジム」のトレーニングを終えると、どんなテーマについても英語で自分の意見を言えるような英会話力が身に付くはず! と、(思うように英語が話せなかったことについてはさておき)気を引き締めました。
「英語脳」にするための筋トレとは
「ジム」の1週目からはクラス通学がスタート。平日は19時15分から22時30分までの約3時間で、途中参加もOK。クラス通学の期間は仕事をセーブして参加しているという方も多くいました。
まず、教室に到着すると 頭を「英語を話すモード」に切り替えるためのウォーミングアップ として、英語フレーズを音楽に合わせて大声で発話する「ハイパーイングリッシュ」が始まります。
「ハイパーイングリッシュ」で発話するフレーズのテーマは、宿題として事前に知らされており、ビジネスプレゼンテーションでよく使う表現が中心。
1週目ではプレゼンテーションのスライドによく出てくるグラフの英語表現と、そのグラフが示す傾向の表現がお題でした。例えば、
棒グラフ bar graph
線グラフ line graph
円グラフ pie chart
ベン図 venn diagram
統計 statistics
など。円グラフなど日本語で言い慣れているものは、事前に学習したはずなのに、いざ円グラフの図だけが出ると、英語名がぱっと口から出てこなくて苦戦してしまいます。
グラフの読み方に慣れた後は、The line graph is a slight decrease. のように、グラフがどのような変化を示しているのかという表現も組み合わせます。
微増 a slight increase
微減 a slight decrease
増加の傾向 an upward trend
減少の傾向 a downward trend
突然の増加 a sudden increase
突然の減少 a sudden decrease
最終的には
This line graph called, Population, tell us there was a slight decrease in population from 2010 to today.
この人口に関する線グラフは、2010年から現在にかけて人口が微減していることを示しています。
といった実際に使いそうな英語フレーズにして、大声で発話します。
グラフには英語フレーズが書かれていないので、テーマとグラフだけを見てぱっと英語フレーズが出てくるようになるために、通学週ではレッスンの始めに「ハイパーイングリッシュ」が繰り返し行われます。「英語脳」そして「英語の口」になるための筋トレをしている気持ちになります。
トレーナーによると、 英語を話すときに使う口の筋肉は、日本語を話すときに使う筋肉とは違う んだそう。確かに「ハイパーイングリッシュ」で発声した後は、あごに筋肉痛を感じることも。また普段大声で英語を話すこともないので、ちょっとしたストレス発散にもなります。
イントネーションも徹底的に
日本人にありがちなフラットな棒読み英語についても、「ジム」では徹底的に矯正トレーニングを行います。いくら正しい英文であっても、イントネーションが悪いと相手に理解されにくいんだそうで、相手に伝わりやすい話し方を徹底的に身に付けます。
トレーニングでは英語の短文を読み上げ、どこにアクセントを置くのか、どこで息継ぎをするのか、語尾上げなのか語尾下げなのかなど、手を使って英語のイントネーションの波を表現し、体感していきます。
例えば I like shoes, cats, and holidays. という英文の場合
I like shoes(↑), cats(↑),(少し空ける) and holidays(↓).
といった読み方をします(↑は語尾上げ、↓は語尾下げ)。
単語を羅列して話す場合、次にまだ単語が続く場合は語尾上げにすると、相手にまだまだ続くんだなと認識してもらいやすく、最後に少し間を取って語尾を下げて話すと、ここで会話が終わったんだなと理解されます。話し方のルールが分かると、どんな例文でも応用ができるので、自然と英語の話し方が身に付いていきます。
また、英単語のアクセントを体感するために、右手の指にゴムをかけ、左手にゴムボールを握りしめて、レッスンをすることも。力を入れて発話するときは右手を広げて指にかけたゴムを広げ、力を抜くときに左手のゴムボールを握りしめます。
例えば、informationという単語の場合、
インフォ メー (ゴムを広げる) ション (ボールを握る)
といった感じで、口内の動きを手で体感します。同じように、舌が口内のどこの位置にあるのかを意識して発話する練習も手を使って行います。とにかく 英語の感覚を体に叩き込むのが「ジム」の基本なのかも と感じました。
ディスカッションの実践的な練習
初日のスタートアップセミナーで苦戦したディスカッションも徹底的に鍛えていきます。トレーナーを含む3人でグループを組み、簡単なテーマで練習をしていきます。
例えば、「病院に行く理由」というテーマの場合、スピーカーたちは「病気」「お見舞い」「薬をもらう」「手術」「健康診断」など、思い付くものを挙げていき、ファシリテーターはあがった意見を復唱しながら、ボードに書いていきます。
意見が出ない場合、ファシリテーターは What do you think, Dora? やHow about you? などとスピーカーに意見を促します。その後、ファシリテーターは
Thank you for coming to this meeting. The purpose of this meeting is to discuss, “the reasons for going to the hospital." Mr. A said, ●●, Mr. B also gave a great opinion, by saying, △△. I think the most common reason is ××. Thank you for your attention.
今日は打ち合わせに来てくれてありがとうございます。今回の打ち合わせの目的は「病院に行く理由」について話し合うことです。Aさんは ●●、Bさんからは△△といった素晴らしい意見があがりました。私は××の理由が多いのではないかと思います。ご清聴ありがとうございました。
といった結論を述べて締めくくります。
この意見は本当の自分の意見でなくてもOK。
- どんなテーマについてもとにかく意見を出す
- それをまとめて自分の意見を付け加える
- これらを英語で行う
少人数グループのため、ファシリテーター役が必ず回ってきます。だから、話した後にトレーナーにすぐフィードバックがもらえるのもありがたい点。私は、「スピーカーそれぞれに話を振るように」「もっと大きな声で」「ボードを見すぎない」というフィードバックをもらいました。確かに、ボードに書くことに夢中になってしまいがちな私。それではファシリテーターではなく書記ですよね。
また、グループの他のメンバーが話す内容やフィードバックも、自分の勉強になります。他のメンバーが話した表現で、いいなと思うものを次回に取り入れて話してみることができるのも実践的です。
「ジム」の特訓はまだまだ続く
今回紹介したのは通学クラスのプログラムのごく一部。週が進むにつれて、メンバー全員でのディベート、プレゼンテーションなども行います。
また、自宅学習では、宿題がたくさん出るのですが、学んだことを次週の通学クラスで使うため、さぼることができません。今日はやらなくてもいいかな、なんて気を抜いていると、パーソナルトレーナーから「宿題の進み具合はどうですか? 提出してくださいね」と連絡が来るため、急いで宿題をやるはめになります。
自宅学習といってもオンラインでのプライベートレッスンも用意されているので、一人で孤独に学ぶ自宅学習といった雰囲気ではありません。
オンラインレッスンの様子やプログラム終了後どうなったかについては、 次回 、次々回の記事でご紹介していきます!
ジムを紹介した記事はこちら
取材・文:Natsue Tanaka
GOTCHA!エディター/ライター。学生時代の専攻は近代日本文学。編集者ならTOEIC満点当たり前!という英語教材の会社で肩身が狭い人。
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