毎日勉強しているのに、なかなか上達している気がしないなあと思っていませんか?連載「関正生の英語コーチングTIPS」では、カリスマ英語講師の関正生さんが、熱いメッセージであなたのやる気を引き出します!
「英語はしょせん言葉」・・・励ますつもりが逆効果?
こんにちは、英語講師の関 正生です。
前回は、何十年も世間に横行する俗説が英語の勉強に対するモチベーションを下げてしまう、ということを説明しました。
簡単に前回の内容をまとめると・・・
世間にはびこる「ミスを恐れて英語が話せない。ミスを恐れずにたくさん英語を話そう」というのはとんでもない誤解で、そもそも「ミスを恐れて話せない」のではなく、単に「言いたいことが出てこない、パッと答えられない」だけなのです。このように、「真実が見えれば、自ずと進むべき正しい道も見えてくる」ということをお伝えしました。
今回も、あなたのモチベーションを下げてしまうウソ(もはやハッキリとウソと言いたいです)を解き明かしていきます。
よくあるアドバイス
英語なんてしょせんは言葉にすぎない。やればできるに決まっている。
世間では「英語はしょせん言葉」「英語圏なら子どもだってしゃべっている」なんてよく言われますよね。
確かにこういった言葉は、一時的にモチベーションを上げる効果はあるかもしれません。TOEICテストのスコアが悪かった人や、英語学習を挫折してしまった人に、まずは一度上を向いてもらうには多少の効果があるでしょう。
しかし、英語学習は長い道のりです。一時的な効果だけでは乗り切れませんし、何よりもこの言葉は、長い目で見ればマイナスになるとボクは考えています。
なぜでしょうか?
現実と認識には、ずれがある
英語の習得には時間がかかります。あなたの想像以上に時間がかかります(もちろん脅すつもりなどありませんが、真実は真実として伝えることが重要だと考えています)。
でも一般には、そこまで時間がかかるとは思われていません。多少頑張れば、多少の効果はすぐに出ると期待してしまいますよね。でも実際には当初の期待通りには上達しない、目標のスコアが出ないというのは、よくあることなのです。
それを知らないばっかりに、「たかが言葉なのに全然できない」と思い込んでしまう可能性があるのです。そうして、真面目な人(英語学習者は概して真面目です)ほど、不安になり、自分を責めてしまいます。
自分を責めたり、自己嫌悪に陥れば、確実にモチベーションは下がります。勉強時間は減り、英語のテキストを開くのがおっくうになり・・・ 誰しも一度は経験があることだと思います。
もちろん、このような負のループに陥らない人たちもいます。ストイックに勉強を続けられる人たちです。そういった人は、自己嫌悪を受け入れつつも、「英語が好き」という気持ちが優先するのでしょう。
お気付きですね?多くの英語の先生たちがそうなのです。
英語の先生は先生になる前に英語ができる人になっている必要がありますが、先生になってからも、英語力の維持と向上のために勉強を地道に続ける人は多いです。
はたから見たら、「なんでそんなに地味な作業を続けられるの?」と思ってしまいませんか?
しかし、そういった人は全体から見ればごく少数であり、普通の人(ボクも含まれます。地味な作業は大嫌いですから)には、無駄に自分を責めるきっかけにしかならない、モチベーションが下がるアドバイスなんです。
まだ時間と量が「足りていない」だけ
ここまでくれば、あなたは気付きましたよね。
そう、英語はかなり厄介な存在です。強敵なんです。実際、英語学習を挫折した人がたくさんいます。
そもそも「言葉」というものは習得に膨大な努力を要するものなのです。われわれは自分自身の経験を忘れているだけで、ママ、パパなどの「単語」ではなく、「文」を発するようになるまで、相当の時間と集中力を要したはずなのです。
小学校に上がってからも国語の教科書の読み合わせをやって、漢字の練習に膨大な時間を使い、発表のときに言い間違えたときはクラスメートから笑われるという試練を味わってきたはずです。
このことをすっかり忘れて、自然と言葉をマスターしたと錯覚しているのです。
ですから、まずは「言葉って大変なんだ」という現実を認識することが大事です。「英語は言葉」であり、「言葉」とは「しょせん・たかが」といった表現に形容されるような安っぽいものではないのです。
英語の習得には時間がかかるわけですから、単に勉強時間・勉強量が足りていないだけなのです。
こういった「真実」が見えれば、あなた自身が取るべき道も、ボンヤリながらも見えてくるはずです。今やっている勉強法が合っているのか不安になることもなくなりますし、先ほども述べた通り、無駄に自分を責めることもなくなります。
そこで今一度、気合を入れ直してみましょう。相手は手強いわけですから、しっかりと時間を確保するために、日常の雑務や手間を少し省いて、時間を捻出することが必要です。
次回は、そういったときのコツを具体的にお話ししていきたいと思います。
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