「どっちの英語ショー」第4回は「前置詞」の使い分けです。前置詞は、他の単語との結び付きや使われる状況によって、さまざまな意味に変化するため、日本人にとって難しい学習分野の一つといえます。さっそくクイズに挑戦して、それぞれの前置詞が持つ基本的なイメージを理解しましょう!
目次
場所を表すat/in
Q 入るのはどっちの前置詞?
I met him by chance( ① )the hotel entrance.
私はホテルの入り口で偶然彼に会った。
I met him by chance( ② )London.
私はロンドンで偶然彼に会った。
A ① at、② in
at:~で、~に
atは「地点、ある1点、具体的な場所」を表します。特定の位置をピンポイントに指し示すイメージで、in よりも狭いエリアに対して使います。
at home(家で)、at that shop(あの店で)、at the museum(美術館で)、at the bus stop(バス停で)のように、後ろには店や特定の場所などが入ります。
I bought this CD at the store near my house.
私はこのCDを家の近所の店で買った。
Let's meet at the station before noon.
12時前に駅で会おう。
in:~の中で(に)、~で(に)
at が1点を表すのに対し、in はより広い範囲に対して使います。「~の中にいる(ある)」というイメージです。
in the world(世界で)、 in Japan(日本で)、in Okinawa(沖縄で)のように、 国や都市といった広い場所や空間などを表します。
例えば次の例文を見てみましょう。
We stayed at ABC Hotel in Italy.
私たちはイタリアのABCホテルに滞在した。
ここでは、at が具体的な場所を示しているのに対し、in はより広い範囲を表す際に用いられているのが分かります。
This is the best bakery in this city.
ここはこの街で一番のパン屋だ。
I go to a gym in Tokyo.
私は東京にあるジムに通っている。
時を表すat/inもチェック!
場所以外に、時間を表す場合にも前置詞の at や in を使います。at が何時何分という具体的な時刻や、at that time(そのときに、当時は)のように限られた時間を表すのに対し、in は季節や年、月など、ある程度長い時間を表します。
「at は1点、in は広い範囲」という基本のイメージが、場所にも時間にも共通しているということです。
The shop opens at 10:30.
そのお店は10時30分に開店する。
Let’s talk about it at lunch time.
昼食時にそれについて話そう。
This hairstyle was very popular in the 1980s.
この髪型は1980年代にとても人気があった。
In Japan, we have cherry blossoms in April.
日本では4月に桜が咲く。
方向を表すto/toward
Q 入るのはどっちの前置詞?
Our hotel room faced( ① )the ocean.
私たちのホテルの部屋は海に面していた。
I went( ② )the store after work.
私は仕事のあとその店に行った。
A ① toward、② to
to:~へ
toの基本的なイメージは「方向、到達」です。2点を結ぶ矢印のように、ある地点からある地点へと移動する様子を思い浮かべてください。「to+場所」は目的地に到達していることを意味します。例えば、She walked to the station.(彼女は駅まで歩いた)という文の場合、駅の方に歩いていき、駅に到着したことを示しています。
We went on a trip to Paris for the winter.
私たちは冬の間パリへ旅行に行った。
My children go to summer camp every year.
子どもたちは毎年サマーキャンプに行く。
toward:~の方へ、~に向かって
towardの基本的なイメージも「方向」ですが、「到達」のニュアンスを含まない点がtoとの大きな違いです。つまり「toward+場所」は、目的地に到達しているかどうかではなく、ある方向に向かって移動していることだけを表します。
She walked toward the station.(彼女は駅に向かって歩いた)という文の場合、「駅の方に歩いた」ことは明確に伝えていますが、実際に駅にたどり着いたかどうかは分かりません。
また、towardは移動を伴わない場合、「~を向いて、~に面して」という意味で用いられます。
We rode a train headed toward Kamakura.
私たちは鎌倉方面に向かう電車に乗った。
Mary sat with her back toward the window.
メアリーは窓に背を向けて座った。
期限を表すby/until
Q 入るのはどっちの前置詞?
I’m free today( ① )lunch.
今日はお昼まで暇だ。
We need to finish the meeting( ② ) 3:00.
3時までに会議を終わらせる必要がある。
A ① until、② by
by :~までに(は)
byは時間の期限を表します。 by next Monday(次の月曜日までに)、by the end of the month(今月末までに)、by the time ~(~するときまでに)などのように使います。
例えば Tom will come here by 12:00. は「トムは12 時までにここへ来るだろう」という意味です。
Let’s try to finish this report by at least 4:00.
せめて4時までにはこの報告書を仕上げよう。
I need to call the client with an answer by tomorrow morning.
明朝までにクライアントに回答を電話する必要がある 。
until:~まで(ずっと続く)
byも untilも「~まで」という意味ですが、untilは動作や状態が継続していることを表します。そのため肯定文で untilを使う場合は、Tom will be here until12:00.(トムは12時までここにいるだろう)のように、継続状態を表す動詞と共に使うと違和感のない英語になります。
I have to work until 2:00 on Saturday.
日曜日の2時まで働かなければならない。
We plan to stay in New York until March.
私たちは3月までニューヨークに滞在する予定だ。
まとめ
今回のクイズはいかがでしたか? 前置詞は地味な品詞ですが、正しく理解すれば適切な表現が身に付き、英語力に磨きがかかります。それぞれの前置詞が持つ基本のイメージを捉えて、実際の会話でどんどん使ってみてください!
それでは、次回もお楽しみに!
写真:山本高裕
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