子どもから大人まで、英語をマスターさせたい方、必見!料理研究家である傍ら、英語教材「カラオケEnglisn」の開発にも力を入れる行正り香さんの連載5回目。今回は、英語を声に出して学ぶことの重要性と、練習をするときの注意点について教えていただきます。
英語は声にだして練習するのがどうして大事?
声に出すということは、英語の勉強では基本です。
声に出したことがないことは、いざというときに話すことができない。声に出したこともない単語を、いくら覚えたところで、使えるようにはならないのです。だから、普段から声を出して練習することがとても大事。
できれば、英語を言っているときの自分の声を録音して聞くことをおすすめします。録音した自分の声に違和感を覚えたことはないでしょうか。他人の声のように聞こえませんでしたか?録音した自分が話す英語を聞くことで、客観的に気付けることがたくさんあります。そのメリットを学習に役立てましょう。
英語を声に出すメリット
声に出すこと自体のメリットはいろいろあります。例えば、 眠気防止 。英語のリスニングをやっていて、ぼーっと聞いていると眠くなってしまうことがあります。そんなときに、英語を声に出して、口の筋肉、腹筋、脳を刺激しながら学びます。そうすると、まず眠たくなりません。
子どもの英語の勉強にも効果的です。多くの子どもたちはその場に座っているだけで眠たいです。でも、声を出しなさいと言うと、眠たくなくなります。
他にも、声に出すことによって、 リスニング力もアップ します。自分の英語を録音して聞いてみると、自分が正しいと認識している英語の発音が頭にあって、その通りに自分は発音しているつもりなのに、録音して聞いてみたら思っていた通りの発音ができていなかった。自分が認識している音と聞こえている音が違うことに気付くでしょう。
録音したものを聞けば、発音の間違いを客観的に判断しやすくなります。きちんと自分で発音できていないということは、ちゃんと聞き取れていない可能性があるということ。正しい発音を繰り返しまねして言ってみましょう。
繰り返しまねをして、聞いたまま話せるようになると、 自信につながります 。聞いた音がきちんとまねできるというのは、正しい文法で正しい発音で話せている、つまり 「通じる」ということ なのです。ただ、「通じる」英語になるまでは、繰り返し練習が必要です。
繰り返し声を出して英語を学ぶときに、押さえてほしいポイントを5つ紹介します。
スピーキングと文法力を同時に鍛えるときの注意点5つ
1.主語(subject)と動詞(verb)だけは気を付けて
英語と日本語が決定的に違うところは、 主語 が必ず文の頭に来ること。そして次に「いつ」のことかを明確にした 動詞 が来ることです。多くの人は、主語(S)と動詞(V)が文の始めに来ることは、英語の5文型(SV、SVC、SVO、SVOO、SVOCなど)で分かっている!と思っていると思います。
でも、「声に出す」段階になると、一番大事なSVを間違いがちになります。英語で声を出すときには、5文型など考えず、「誰が(いつ)どうする」という基本の文型だけは、時制なども含め、間違わないように気を付けて発音しましょう。
2.英語の音と音のつながりを意識する
日本語話者は英語を話すときに、日本語を話すときと同じように、言葉と言葉の間をぶつ切りにして発音する特性があります。一方、英語は単語と単語がつながって読まれるという特徴を持つ言語です。単語と単語の間を切らずに、単語と単語をつなげるイメージで声を出しましょう。
3.大きな声を出す
英語は歌を歌うときのように、腹式呼吸で発声します。練習をするときは、大きな声で発音しましょう。最初は恥ずかしいかもしれませんが、カラオケを歌う音量で声に出しましょう。英語で話すときは思い切って大きな声で、大げさに話すくらいがちょうどよいのです。
4.文のパターンを意識する
同じ構文で表現を入れ替えたさまざまな文を声に出してみてください。例えば「カラオケEnglish」でso that構文を使ったユニットは、以下のような例文があります。
I am so tired that I cannot clean the kitchen.
(私はとても疲れているので、キッチンを掃除することができません。)The food was so delicious that we ate too much.
(食べ物がとてもおいしかったので、私たちは食べ過ぎました。)It was so cold that we caught a cold.
(とても寒かったので、私たちは風邪をひきました。)I got so fat that I could't wear any jeans.
(私はとても太ったので、どんなジーンズもはけなくなりました。)
文法が教えてくれるのは、文のパターンです。同じ文のパターンで違う例文を声に出して何度も読むことによって、文のパターンが分かるようになって、使いこなせるようになります。文法として学んだことを英会話で使えるようになるかは、このパターンを盗んで使いこなせるか?にかかっています。
5.文法解釈よりも声に出して慣れることを優先する
多くの方は、whichや that の「関係代名詞」が出てきた瞬間に、脳がフリーズ状態となります。例えば、
There is a book on the table which was written by Mark Twain.
マーク・トウェインによって書かれた本がテーブルの上にある。
この「関係代名詞」の文は分解すると
There is a book on the table. Mark Twain wrote a book.
本がテーブルの上にある。マーク・トウェインが書いた本。
難しいと感じると理解しようと考えてしまいますが、英語自体は難しいことは何ひとつ言っていません。文法を頭で理解しようとするより、まずは声を出して例文に慣れることを優先させてみましょう。
声に出して練習するときの素材は、基礎を学ぶうちは、短文がおすすめ。「カラオケEnglish」でも短文が素材になっています。特に子どもにとって、長文は難しいです。文法のポイントを学び直して、声に出すトレーニングをしてみると、楽しい発見がたくさんありますよ。
いかがでしたでしょうか。英語の学びについて、私が伝えたいことはまだまだあります。次回もお楽しみに!
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