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このところ受験者数が急増し、注目を集めている英検(実用英語技能検定)。この連載「英検すごいぜ!」では、25歳の英語講師 Kenさんに、「英検を活用して英語運用力を身に付ける方法」を教えていただきます。今回のテーマは直前対策です。
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こんにちは、Kenです!今回の記事では英検2級の直前に何をしたらいいのかについて書いていきます。直前で慌てることがないように、日頃から計画的に学習することがもちろん大事ですが、なかなか時間を取れずに気付けば本番が迫っていたという人もいることでしょう。そんなときにも役立つ情報をお届けします!
英検本番までに何をする?
すべて復習するのは時間的に難しい
英検の一次試験では、リーディング、ライティング、リスニングの問題が、それぞれ650点満点で出題されます。
膨大な学習が必要になるので、1日や2日ですべてをカバーすることは不可能です。短期間で効果が出やすい分野に重点を置いて勉強しましょう。もちろんこれは、日頃からしっかり学習してきた人も同じ。効果が出やすい分野を重点的に復習します。
ライティングに集中すべし!
ぼくのおすすめはライティングです。ライティングを中心におさらいしましょう。直前でライティングに重点を置くべき理由をお話ししますね。
- たったの1題で、一次試験の配点の1/3を占める
- 対策をしたかしないかで、差がつきやすい
- 短期間で点数を伸ばしやすい
特に3つめの「短期間で点数を伸ばしやすい」というのが大きな理由です。
リーディング力やリスニング力は、1日詰め込み勉強をしたからといって上がるものではありません。単語に関しても、出題範囲が広いためヤマを張って短期間で成果を出すことは難しいです。
その点、ライティングは出題される内容がある程度 予想できるため、直前でも何とかなる 可能性が高いんです。
ライティングの直前対策はこれだ!
では具体的にどうすればいいかを教えましょう。まずは、問題集などに掲載されているライティング問題の解答(英作文)のポイントに一通り目を通して確認します。
ポイントというのは、その英作文で「メインとなる主張」のことです。
以前、 ライティング対策の記事 に書いた通り、ライティング問題の英作文は次のような構成になります。
【第1段落】 自分の意見(YesかNo)
【第2段落】 自分の意見をサポート(補強)する根拠①
【第3段落】 自分の意見をサポート(補強)する根拠②
【第4段落】 まとめ
ポイントというのは、この第2、第3段落のことです。
例えば、「将来、今よりも多くの日本人がクレジットカードを使うようになると思うか」というトピックに対して、次のような解答(サンプルエッセイ)が載っていたとします。
We will certainly use credit card more often in the future. First, when we travel abroad, it is much safer to use a credit card than to carry a lot of money. No one wants to be robbed in a foreign country. Second, people frequently use a card to pay for goods they buy online. For example , I use a card to pay for this Eiken exam.
※ 『CD付 完全攻略!英検2級』 より引用
この場合は、アンダーラインを引いた部分をチェックします。どういったことを述べているのか、 主張の核となるアイデアを総ざらいしておくということです。 Firstの部分が「根拠①」で、Secondの部分が「根拠②」に当たります。
そうすることで、テスト当日に英作文の問題を見て、書くためのアイデアが浮かばないということはほぼ避けられます。
ライティングでやっかいなのは、英語力の問題より、何を書けばよいのかアイデアが浮かばないこと です。逆に、一度アイデアさえ浮かべば、あとは何とか書くことはできます。書き方のコツと頻出するトピックに関しては、ぼくのブログでも紹介しています。
これらの記事を読んだ上で、さらに自分の持っている参考書のサンプルエッセイのポイントに一通り目を通して、意見の根拠を確認しておくだけでもかなり違ってくると思います。
過去問題か予想問題を1回分は解こう!
試験1回分の問題に挑戦しましょう。おすすめの過去問題集と予想問題集を紹介しますが、すでに使っているものがあればそれを使ってください。
2018年度版 英検2級 過去6回全問題集
7日間完成 英検2級予想問題ドリル 新試験対応版
正解かどうかはあまり気にしなくてもいいので、本番を想定した時間配分で問題を解いてみましょう 。いわば予行練習ですね。このように、あらかじめテストの雰囲気に慣れておくことも大事です。
また、問題集のライティングのすべての解答例(サンプルエッセイ)に目を通し、ポイントのみ一通り確認します。直前でもこれぐらいならできるはず。
試験験当日について
本番当日に万全なコンディションで臨めるようにすることも、勝負事には大事です。大学受験やスポーツを経験している人なら、これがいかに大事なことかはわかると思います。英検も大事な勝負です!
睡眠不足に注意
まず前日は、十分な睡眠を確保しておきましょう。睡眠 不足 はパフォーマンスが下がる 原因 の1つです。
英検2級の試験は午後からなので、あまり心配はないかもしれませんが、しっかり寝ておくに越したことはありません。
ちょっとしたトラブルも回避する
次に大事なのが、トラブル回避。トラブルといって真っ先に思い浮かぶのは忘れ物ですね。
よくあるのは、「腕時計を忘れた」「受験票を忘れた」など。また家を出るときになって「これがない、あれがない」などとバタバタするのも心をかき乱す原因になります。
前日に持ち物をそろえるのは当たり前です。当日は、起床後すぐにそれらをもう一度確認して、絶対に忘れないように玄関の靴の横に置いておくくらいにしておきましょう。
心の乱れは、試験中の集中力にも影響を及ぼします。 なるべく無駄なことで慌てないで済むように、平常心でいられるように 、こういったことは避けましょう。
当日の持ち物まとめ
必要なものをざっくりまとめます。
- 受験票
- 身分証明できるもの(運転免許証など)
- 鉛筆数本と消しゴム
- 鉛筆削り
- 腕時計(会場に時計があるとは限らないので)
身分を証明できるものを携帯しておくのは、基本中の基本です。受験票を忘れたり、当日失くしたりするのは論外ですが、最悪そうなった場合でも、 身分証明書さえあれば受験させてもらえる可能性が残ります (絶対とは言えませんが)。
そして意外と忘れがちなのが腕時計です。教室に時計が設置されていないと時間配分ができないため、一気に不利な状態になります。必ず持参しましょう。
とりあえず、これらはすべて起床後すぐにバッグに入れ、玄関に置いておきましょう。
コンディション維持にはランチも重要
次は昼食について。昼食も当日のコンディションに影響を与える要因の一つです。
英検2級の試験は午後からなので、昼食は取っておくべきですが、食べ過ぎは眠くなったりお腹を壊したりする可能性もあるのでよくありません。
そこで、個人的におすすめな当日の昼食メニューは以下の通りです。
- コンビニなどで売っているおにぎり2個もしくはサンドイッチ2袋
- 100円程度のチョコレート
- 小さめのエナジードリンク(リポビタンDなど)
ぼくの場合は、これぐらいだと食べ過ぎで眠くなることもないですし、逆に空腹過ぎて集中できなくなることもありません。
また、チョコレートなどの甘いものを食べておくと頭が働きやすくなるそうです。
最後のエナジードリンクは、ぼくが何か大事なことがあるときに必ず行う願掛けのようなものです。その日を頑張り抜くエネルギーを得られそうな気がしませんか?
試験会場への移動中も気を抜かない!
そして最後に、試験会場へ移動している間にできることとして英語の聞き流しがあります。
英語の音声を聞いて、英語用の耳と頭を働かせておきましょう 。聞き流す音声は、新しいものより一度聞いたことのあるものの方がいいと思います。
試験会場には余裕をもって到着しよう
会場には余裕をもって、少し早めに入ることをおすすめします。
ギリギリだとなかなか落ち着かないですよね。トイレを済ませて、最後の準備として参考書を読みながら試験が始まるのを待ちましょう。
試験が始まる前、最後に確認するのは、もちろん先ほど書いたライティングのポイントです。使い慣れた単語帳も良いでしょう。
まとめ
試験前日まで効果が期待できるのがライティングです。あらゆるトピックに対応できるように、主張のポイントにざっくり目を通しておきましょう。そして、正答率は気にしなくていいので、試験1回分の過去問題や予想問題をやってみること。
あとは当日、余裕をもって受験できるように心がけましょう。今ある力を全部出しきって、悔いの残らないように頑張ってください!
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