英会話を独学で勉強するコツやポイント

「英語が話せたらかっこいい」「海外で生活する」「外国人と会話できたら」なんて、英語で話をするということは日本人にとって憧れの能力ですね。

しかし残念ながら中学・高校と6年間も習っているのにも関わらず、ほとんどの人が英語、ましてや英会話は身についていません。

『TOEIC』の資格 取得 が常識的アクションになりつつある就活生にとっては、今までの学校の勉強では英会話を身に付けることなど難しいのかもしれません。

英語をせるようになりたいという動機はさまざまでしょうが、どのような勉強法ならば英会話は身に付くのでしょうか。

英会話を独学で勉強するためのポイントは?

英語で会話をする、英会話を身に付けるということは実は並大抵の努力ではできません。

よく「あっという間に英語が身に付く」などという謳い文句がありますが、簡単に自分の知らない言語が日本語並みに話せるようになることはまずありません。ましてやいきなり英会話教室に申し込みすれば何とかなるものでもありません。

英会話が上手になる第1歩は「耳」です。

赤ちゃんは生まれてから誰にも教わらずに、その家庭環境で使われている言語に親しんでしゃべっていきます。これは赤ちゃんもまず「耳」から、新たな言語を自分の中に取り入れていることから始めているわけです。

言語を聞いて、体()の中に取り込んでから、正確ではなくても口に出して体(脳)からアウトプットしていきます。

まずは「聞いて」「感覚をつかむ」ところから始めましょう。

独学でリスニングを学ぶときの勉強法

「リスニング」なんて格好付けて言いますが、要は「耳で聞くこと」です。

あえて「リスニング」という言葉を使うとするならば、それは「耳で聞いて内容を理解すること」です。

身構えて英語を聞き取ろうとしても「ネイティブの会話は速くて聞き取れません」とか、「何となく聞いているけれど内容は全くわからない」「知っている単語しか聞き取れなかった」など、頭の中で日本語と同じように理解しようとすると、最後は「やっぱりわかりません」という結果になってしまうものです。

最短で上達するためには「耳を英語の耳にする」ことが必要です。

日本語ほど英語とかけ離れた言語はありません。まず脳の中の日本語回路を壊し、英語をそのまま受け入れる耳に慣れさせなくてはいけません。

「英語を受け入れる耳」とはどのようなことか、次に詳しく解説していきましょう。

英語と日本語の違いは何か、大雑把に言うと「日本語は最後の数文字で全体を理解する言語」です。それに対して英語は「最初の数文字で全体の言わんとしていることを理解する言語」なのです。強いて言うならば「英語は最初の3文字で理解する」ものです。

例えば、日本語で「昨日は外出しま〇〇〇〇」と英語で「I didn’t go outside」のように、日本語では外出したのかしていないのか、最後まで聞かないと内容がわかりません。

つまり「情報の要は最後にある」言語です。
それに対して英語は最初の3文字(I didn’t go)で論旨は理解できます。

つまり日本語に慣れている脳(耳)は会話の後半に重点を置く言語に慣れているわけです。

ですから日本人は冒頭の文章は聞き取れなくても、後半を重要視する素養ができ上がっているのです。
逆に英語は最初の3語に主語と動詞が含まれているパターンが多く、後半を聞き逃しても前半に集中していればどのようなことについて会話しているかは理解できるのです。

それはどのようなことか、次の文(会話)を見てください。

質問(Question):Did you play in the park?(あなたは公園で遊びましたか?)
答え(Answer) :Yes, I did.(はい、遊びました)

この会話では最初の「Did you play」で何を話そうとしているかは理解できます。仮に後半の「in the park?」を聞き逃した、理解できなかったとしても「あなたがどうしたか」という相手の質問の意図は 把握 できるでしょう。

答えは「Yesか No で答えることを聞かれた」ことはわかります。

違うパターンも検証しましょう。

質問(Question):How many records do you have ?(あなたは何枚レコードを持っていますか?)
この質問の最初は「How many records」ですので、質問する人が「レコードを何枚?」と聞いていることがわかります。

この3語で答えは「Yesか No で答えることではない」と理解できます。

そしてこのの大事なことは「頭の中で英語を日本語に直してはいけない」ということです。

英語は英語のまま理解するように努力しましょう。いちいち日本語に訳して考えると何秒も理解が遅れます。

理解が遅れるということは対応(答え)も遅れる、イコール会話になっていないということです。 

英語を独学で勉強するための教材・参考書

英会話教室に行かず、一人で英会話を習得するには良い教材を選ぶことが大切です。英会話の独学初心者におすすめする教材は「CDがメインになっている教材」です。

前章の通り「英語は耳から取り入れる」ことができる教材を探してください。

自分に合った教材を選んでコンスタントに聞いてCDの「英語をまねる」こと。これが、教材を使った独学のポイントです。

それではどのような教材が良い教材、自分に合った教材と言えるのでしょうか。

基本的な日常使う英会話を勉強されたい場合はそれほど難しい(高い)教材は必要ありません。

シンプルな、それこそ日常生活で使う会話が収録されている教材で、かつその解説文がしっかりしていて「この用法は覚えましょう」ではなく、なぜその言い方をするのかきちんと解説している、そしてその説明が分かりやすい教材が一番良いとされています。

あえて当たり前のことを言いますが、CDを聞いて覚えてまねをすることが重要です。
徹底して繰り返し聞き、内容を理解し自分の言葉にしてしまうことで、日常英会話は習得するものです。

ニュースやディベートなどの上級者やビジネス向けの英会話を覚えたい、それも独学で覚えようとする際は中上級者向けの教材を探してみましょう。

これは初心者、上級者双方に言えることですが、独学は辛いものです。

継続して勉強していくことには難しい壁が必ずあります。

そこで、これだけは守ってください。

・自分のペースを守って続けること。
・毎日これだけはやると決めたことを完全にこなすこと。
・英会話教材の英語をまねて自分のものにすること。

そして時には外部の刺激を加えましょう。

それは他の人と会話をしてみることです。できればネイティブと話しましょう。

今はオンライン英会話レッスンが格安で参加できたり、「英会話カフェ」などで英語を話したりする場所が増えています。

勉強したことや覚えた英語、言い回しが本当に通じるかをチェックする機会を、定期的に確認するチャンスを楽しんでください。

映画やドラマを観て独学で英語を勉強するには

市販の教材や参考書だけでなく、英語の映画やドラマも立派な教材になります。好きな映画やドラマなどから始めて、慣れてきたら字幕スーパーを読まずに欧米の映画を観ることを目指しましょう。

日本の英語教育の間違えてしまった点は、文法優先の英語教育をしてしまったことです。

あなたは日本語の文法をすべてマスターして日本語を話していますか。 改めて 問うと自信を持ってそうだという方はまずいないでしょう。

でも日本語は文法通り話すことが身についています。変な日本語を話す外国人をみるとその言葉の使い方に違和感を覚えますね。

英語も同じです。

文法がわからなくても変な扱い方をしたら違和感を覚えるようになります。分詞が、動詞が、などと考えなくとも「違和感」という肌感覚を身に付ければ良いのです。

それではどうすれば字幕スーパー無しの映画を楽しめるでしょうか。一つの方法として検討してみてください。

それは同じ映画を2回続けてみることです。レンタルで借りたドラマDVDでも同じことです。

1回目はしっかり字幕スーパーを読みましょう。日本語吹き替え版があれば、まず日本語で内容を 把握 しましょう。

次は同じ映像を英語のみで観ます。映画なら字幕スーパーを意識してみないようにして鑑賞してください。2回目は言葉と映像、イメージやシチュエーションがリンクして映画を理解している状況になることが大切です。

独学で英語を勉強するために役立つアプリや英会話サイト

最近では無料で英会話が勉強できるスマホアプリも増えてきました。

「英会話 独学 アプリ」などで検索してみてください。

優良なものもありますが、App Store などで上位に出てくるアプリをどのようなものか調べてみることもできます。今はiOSもAndroidも同じように英会話アプリが出ていますので楽しみながら勉強できるでしょう。

キュレーションサイト(まとめサイト)も多く公開されていますから、そのアプリの評価や解説を見ながら一つずつ試してみることも良いでしょう。

少しご紹介しておきます。

1.発音の練習が可能な『Real英会話』

Real英会話を App Store で

常に人気ランキングの上位にいるアプリです。掲載されている英文フレーズの量と質がとても多いので、バリエーションに富んだところが支持されています。

2.反復して練習しながら学べる『7ミニッツイングリッシュ』

7ミニッツイングリッシュプレイヤーを App Store で

リズミカルに再生される音声に続いて繰り返し同じ文章を話すことで、今回のテーマである「耳から取り入れる」ことができます。

3.ビジネス英語に徹した『ビジネスフォレスト』

ビジネスフォレストを App Store で

英語参考書を出版している会社が出しているアプリです。シーン別のビジネスで会話されている英語を聞き取って、まねできるアプリです。格納されているシーンも70場面以上あり、飽きさせません。

これからビジネスで会話しなければいけないビジネスマンには、ぜひトライしていただきたいアプリです。

これから英会話教室や語学学校が開発したり、監修したりしたアプリはどんどん出てくると 予想 されます。自分に合ったアプリを探して、反復練習されることをおすすめします。

独学でリーディングはどのように勉強する?

「リスニング」とともに「リーディング」はセットで勉強していくことで英語の上達につながるものです。

英会話の上達とリーディングは一種かけ離れているように感じますが、前章で申し上げた「体(脳)に取り入れる」ことと基本は一緒です。リスニングは「耳」で、リーディングは「目」で取り入れていきましょう。

ネイティブ(英語を母国語としている人たち)が私たちを評価するときは英語を流暢に話すことではなく、多少の流暢さに欠けても自分の言いたいことを適切な表現を使って話すことのできる人の方が信頼されるというものです。

海外で働くガイドやビジネスマンの方でも、どれだけネイティブと同じように話すかより、正確な英語を使うことに注力しているように見えます。

そして英語を読むときはいちいち日本語に訳して理解するのではなく、英語のまま意味が分かるように努力してください。英語のプロとされる同時通訳の方たちも、毎朝の英字新聞の音読は欠かさないそうです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

筆者も実は英語がまるでだめで、このままじゃ入れる大学もないだろうという時期に「学んでだめなら話してしまえ」という助言から、ABCしか知らない段階で英会話教室のドアを叩きました。

ですから、この章は文章の合間に私の経験談や感想も見え隠れしています。

おさらいしておきましょう。

まずは「耳から体(脳)に英語を取り入れる」ことをお忘れなく。
そして英語でイメージする感覚を養ってください。

英語で聞き取り、英語で理解する、もちろん最初はこんなことを言っているのかなという程度で構いません。

目標は英語で驚き、英語で冗談を言うことにおきましょう。それを筆者は「英語脳で話す」と呼んでいます。日本語はいったんどこかにおいてきて、頭の中をアルファベットだけにしましょう。

一つだけ筆者が良くやったことをご参考に。

ネイティブの方に、わからないことの意味を英語で説明していただくことです。
これは英会話カフェや英語教室で体験入会のときで構いません。

例えば現在 完了 形、過去 完了 形を英語で説明していただきましょう。そして会話の中で無意識に 完了 形を使って話していたら、その英語はあなたの血となり肉となった証拠です。

その頃はアプリもインターネットもなかった時代です。それでも英和辞典、和英辞典は使用禁止にしていわゆる英英辞典を使いました。英単語を英文で説明している辞書です。

戦後米軍との交渉で「もっともタフな日本人」とされた白洲次郎さんも、ブリタニカの辞書をぼろぼろになるまで使いこなしたという逸話もあります。

あなたが「 Thank you 」と言わず「Thanks a lot」、「痛い」と言わず「Ouch!」と自然に出てくる日を楽しみに。

執筆:Arks(アークス)
本名、村田武雄。根っからの江戸っ子を自認するすでにおっさん。高校生時代の英語劣等生を跳ね返すため「わからないならしゃべっちまえ」をテーマに英会話を受験勉強代わりに猛特訓。本人曰く「許されるレベル」の大学を経て社会人に。

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