《2024オリンピック・パラリンピック開催国》France フランスの英語を聴いてみよう【世界の英語】

英語を話すのは「英語圏の人」だけではありません。「ノン・ネイティブ」の多種多様な英語を、世界を旅するように楽しみましょう!今回は、2024年オリンピック・パラリンピックの開催国である、フランスの英語です。

今回のスピーカー

  • Aurelie Le Deleyさん(20代・製品マネージャー):アメリカ滞在歴 約1年
  • 聞き取りの難易度(1:易→5:難)… 3

音声を聞いてみよう!

※音声には、インタビュアーの声も含まれています。
※発言されるべき部分で抜けている箇所を( )で、言い間違えている部分で本来の正しい表現を[  ]で、英文中に補足しています。

Q. 出身地について教えてください。

I am from France. I was born in Lyon〔*1〕 ― it's in the southeast.
フランス出身で、生まれたのは南東部のリヨンです。

Um, so , the food, because we have a lot of very small restaurant(s), typical for this area , where there is a lot of food made from ham or something like that. Yeah.
(有名なのは)食べ物です。とても小さなレストランが多いのがこの地域の特徴で、ハムなどを使った料理がたくさんあるんですよ、ええ。

This town is great because it’s really close to the mountains. If you want just to go to ski for a weekend or even just a day, that’s possible . In the town, there is a lot of museums, a lot of things to do, even some park(s) with a free zoo, something like that. And if you want to go to swim somewhere on the sea, you just have to take your car for two hours and a half, something like that. So , it’s not so bad.

この町が素晴らしいのは、山がすぐ近くにあるところです。週末にはスキーに行けるし、日帰りも可能なくらいです。町にはたくさん美術館があって、いろいろなことができます。無料の動物園がある公園などもありますよ。それでどこか海へ泳ぎに行きたい場合も車で2時間半くらいなので、悪くないですよね。

  • 〔*1〕Lyon:リヨン。フランス南東部の都市で人口は約52万人。美食の町としても知られる。

Q. 時間があるときは何をしますか?

I like to read. I like to look at[watch] TV shows. Either late (night) TV shows, uh, House of Cards〔*2〕 or even French TV shows. And I also like knitting〔*3〕 to create some, either (a) blanket or a scarf〔*4〕. Everything (I knit is) easy, but I like knitting. That[It] makes me relax(ed).

読書が好きです。テレビを見るのも好きで、深夜番組とか、『ハウス・オブ・カード 野望の階段』や、フランスのテレビ番組も見ます。それと編み物も好きで、ブランケットとかマフラーなどを作ります。どれも簡単なものばかりですが、編むのが好きです。リラックスできるんです。

  • 〔*2〕House of Cards:『ハウス・オブ・カード 野望の階段』。2013年にネット配信が開始されたアメリカの人気ドラマシリーズ。
  • 〔*3〕knitting:編み物
  • 〔*4〕scarf:スカーフ、マフラー

Q. 仕事について教えてください。

I work in a big company, General Electric〔*5〕, and, uh, I am product manager for the workflow〔*6〕 and the user interface〔*7〕 on the MR〔*8〕, magnetic resonance, system. So, I am based here now, in Waukesha, Wisconsin〔*9〕.

大企業に勤めています。ゼネラル・エレクトリック社で製品マネージャーをしていて、MRという磁気共鳴システムのワークフローとユーザー・インターフェースの担当です。それで、ここウィスコンシン州ウォーキショーが現在の勤務地です。

  • 〔*5〕General Electric:ゼネラル・エレクトリック社。エネルギーやインフラを提供する、アメリカの複合企業。
  • 〔*6〕workflow:ワークフロー、作業の流れ
  • 〔*7〕user interface:ユーザー・インターフェース(UI)。コンピューターを扱う際に利用者が接するソフトウェアやハードウェアの総称。
  • 〔*8〕MR (magnetic resonance):磁気共鳴。電子などの粒子に外部から電磁波などを加えると、特定の周波数に対して共鳴を起こし電磁波が吸収される現象。
  • 〔*9〕Waukesha, Wisconsin:ウィスコンシン州ウォーキショー。州の南東部に位置する都市。

Q. 英語学習で難しいことはありますか?

To me, the grammar is OK because it’s not so far from French, compared to〔*10〕 German, I guess, some other kind(s) of languages. But the trickiest〔*11〕 part for me is, uh, the vocabulary.

私にとって文法は問題ありません。フランス語とそれほど違わないからです。ドイツ語や、その他の言語と比べると。ただ私の場合、いちばんやっかいなのは語彙ですね。

  • 〔*10〕compare to ~:~と比較する
  • 〔*11〕tricky:意外に難しい、手ごわい

解説:フランス語の特徴がよくわかる英語

流暢(りゅうちょう)ですが、母語のフランス語の特徴がよく聞き取れる発音です。例えば、1音ずつはっきり発音される傾向や、句末でのアクセントや上昇調のイントネーションが多く聞かれること、this、knitting、bigなどでの鋭い/i/、possibleの語尾音節での母音挿入/-bəl/、さらに/æ/がhamでは/hɑːm/に、have、bad、manager、grammarでは/ʌ/になっていること、so、close、goでの二重母音/oʊ/が長母音/ɔː/で発音されているところなどに母語の影響を見て取れます。ほかにもofの/v/が無声化して/f/になったり、companyの語頭母音があいまい母音化して/ə/になったりしています。mountains、other、kindでは発音がそれぞれ/monteɪns/、/oðər/、/keɪnd/と発音されていますので、聞き取りに注意が必要です。

【音声解説】里井久輝(さといひさき)

龍谷大学教授。イギリス、リーズ大学大学院修士課程修了。大阪大学大学院言語文化研究科博士後期課程修了、博士(言語文化学)。専門は音声学、言語学、英語教育。著書に『英語で歌おう! スタンダード・ジャズ』『「世界の英語」リスニング』(いずれもアルク)がある。

  • 取材:津吉美沙
  • 翻訳:吉田章子
ENGLISH JOURNAL ONLINE編集部
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●本記事は『ENGLISH JOURNAL』2019年2月号に掲載された記事を再編集したものです。
●作成:2020年5月25日、更新:2024年8月5日

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