カルタゴ遺跡は世界遺産!地中海に面したアフリカ北端の共和国 Tunisia チュニジアの英語を聞いてみよう【世界の英語】

英語を話すのは「英語圏の人」だけではありません。「ノン・ネイティブ」の多種多様な英語を、世界を旅するように楽しみましょう!今回お届けするのは、チュニジアの英語です。首都はチュニス、公用語はアラビア語ですが、国民の間では広くフランス語も用いられています。

今回のスピーカー

  • Ben Beirutさん(30代/ソフトウェア開発者):アメリカ滞在歴 約10年
  • 聞き取りの難易度(1:易→5:難)…2

音声を聞いてみよう!

※音声には、インタビュアーの声も含まれています。
※発言されるべき部分で抜けている箇所を( )で、言い間違えている部分で本来の正しい表現を[  ]で、英文中に補足しています。

Q. 出身地について教えてください。

I come from a country called Tunisia. Tunisia is in the south side of the Mediterranean(*1) and approximately(*2) in the middle between Greece or Turkey on the one side and, on the other side, Spain and Morocco.
私はチュニジアという国の出身です。チュニジアは地中海の南側にあり、一方はギリシャあるいはトルコ、もう一方の側はスペインとモロッコで、そのほぼ中間になります。

It’s also an African country because it is in the continent of Africa, but the identity over there is mostly Arab(*3) or Islamic(*4). Since the Islamic conquest in the eighth century, the population has, um, acquired(*5), um, a culture that is Arab. The language is not exactly like standard Arabic, but it is very related to Arabic.
また、アフリカ大陸にあるのでアフリカの国でもありますが、8世紀にイスラム勢力に征服されてから、国民のほとんどはアラブ人でイスラム教徒です。人々はアラブの文化を身に付けました。言語は厳密には標準アラビア語ではありませんが、アラビア語にかなり近いです。

One thing that is particular about, uh, Tunisia is that men spend (a) lot of time in cafes. So, they drink coffee at all times of the day, and the cafes remain open until very late at night, and open extremely early in the morning as well.
チュニジアに特有のことといえば、男性がカフェで長時間過ごすことです。男性たちは一日中コーヒーを飲み、カフェは深夜まで営業しているし、朝もとても早い時間に開きます。

So that is a very particular feature of the Tunisian(*6), uh, population, and, uh, it reveals that, uh, unemployment rates(*7) are extremely high, especially among the youth.
ですから、これがまさにチュニジアの人々の特徴であり、特に若者の失業率が非常に高いことの表れです。

  • (*1) Mediterranean:地中海
  • (*2) approximately:およそ
  • (*3) Arab:アラブ人(の)/後出のArabicは「アラビア語」の意。
  • (*4) Islamic:イスラム教の/後出のthe Islamic conquestは、7世紀から8世紀にかけて行われた、イスラム帝国による領土拡大を指す。conquest は「征服」の意。
  • (*5) acquire:~を獲得する
  • (*6) Tunisian:チュニジア人
  • (*7) unemployment rate:失業率

Q. 仕事について教えてください。

I’m a software developer(*8). I develop, um, for the web. Right now I’m specializing in(*9) front-end(*10) web development, which means the part of the, of a website or a web application that the user interacts with(*11).
私はソフトウェア開発者です。ウェブ用のソフト開発ですね。今はフロントエンド用ウェブを専門にしています。ウェブサイトの一部で、ウェブアプリケーション(ブラウザ上で動作するソフト)のことで、ユーザーとやりとりする部分ですね。

  • (*8) software developer:ソフトウェア開発者
  • (*9) specialize in ~:~を専門に扱う
  • (*10) front-end:フロントエンド(ユーザーが直接使用するソフトなど、ユーザーから見て最も前面にあるシステム)
  • (*11) interact with ~:~とやりとりする

 

Q. 英語学習について教えてください。

I also speak French, that makes it easy because there are many words that are very similar between English and French.
私はフランス語も話すのですが、英語とフランス語にはよく似た単語が多いので助かります。

But when I hear them spoken on the radio or on TV, I just don’t recognize them, and that can be extremely frustrating(*12) because you feel like you’re not making progress(*13), and you start thinking those are the words I know, what about the ones I, I still have to learn?
でも、ラジオやテレビで話されている英語を聞くと理解できず、なんとも悔しい思いをします、進歩していないと感じるからです。そして、こう考え始めます、「これらが自分の知っている単語だとすると、まだ学ばなくてはならない単語がどれだけあるんだろう?」って。

But it actually comes with time. You have to practice very consistently(*14).
でも実際は、時間と共に身に付くのです。ひたすら練習し続けなくてはなりません。

  • (*12) frustrating:いら立たしい
  • (*13) make progress:進歩する
  • (*14) consistently:一貫して、堅実に

解説:流暢で聞き取りやすいイギリス式発音

Benさんは聞き取りやすいイギリス式の発音が身に付いています。approximately、continent、conquest、not、lotなどの/ɒ/の発音や、part、wordsで長母音に/r/の音色が聞かれないところは典型的なイギリス式発音の特徴です。

themの弱形もきちんと発音できていて、母語話者のように自然な英語に聞こえます。ただし、come(s)、country、one(s)、among、front-endなどに含まれる/ʌ/が/ɔ/・/ɒ/で発音され、lot ofの連結部分やfrustratingの/t/が弾音化して/ɾ/になるなど、特徴的な点も見られます。

また、eighth centuryではeighthの直後、recognize themではthemの直前の音の影響を受けて同じ音になり(同化といいます)、それぞれ/eɪs/・/zəm/と発音されています。recognizeではnizeの音節に強勢が見られます。

音声解説:里井久輝(さといひさき)

龍谷大学教授。イギリス、リーズ大学大学院修士課程修了。大阪大学大学院言語文化研究科博士後期課程修了、博士(言語文化学)。専門は音声学、言語学、英語教育。著書に『英語で歌おう! スタンダード・ジャズ』『「世界の英語」リスニング』(いずれもアルク)がある。

  • 取材:水島杳子
  • 翻訳:吉田章子
ENGLISH JOURNAL ONLINE編集部
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  • 本記事は『ENGLISH JOURNAL』2019年4月号に掲載した記事を再編集したものです。
  • 作成:2020年7月27日、更新:2024年9月15日

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