英国王室がもっと好きになる!波乱万丈の女王たちを描いたおすすめ映画&ドラマ5選

2021年1月11日(月・祝)まで上野の森美術館で開催中の「ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリー所蔵 KING&QUEEN展 ―名画で読み解く 英国王室物語―」。この記事では、海外ドラマ・映画ライターの清水久美子さんが、展覧会でも紹介されている英国女王・王妃を描いたおすすめの映像作品5選を紹介します!展覧会に行った人も、これから展覧会に行く人も、記事を読めばきっと何倍も楽しめるはず。

ドラマチックな英国王室を描いた作品たち

英国王室の歴史を紐解くと、ドラマチックな出来事が盛りだくさんで、多くの映画やTVドラマの題材となっています。特に、歴代の女王や王妃たちが送った波乱万丈な人生を描いた作品には見応えのあるものが多いです。

現在、上野の森美術館で開催中の 「ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリー所蔵 KING&QUEEN展 ―名画で読み解く 英国王室物語―」 では、王と並んでさまざまな英国女王や王妃の肖像画が展示されていますが、彼女たちの人生の物語をつづった映像作品を見れば、展覧会がもっと楽しめるのではないでしょうか。

展覧会に行った人、またこれから行きたいと思っている人にぜひ見てほしい、「女王(王妃)の人生」を描いた おすすめの映画&ドラマを紹介します。

▼展覧会概要や展示作品を紹介した記事はこちら!

ej.alc.co.jp

▼展覧会公HPはこちら!

www.kingandqueen.jp

ドラマ『チューダーズ <ヘンリー8世 背徳の王冠>』

登場する王妃:アン・ブーリン

おすすめ度:★★★★★

16世紀、強力なリーダーシップを発揮して大英帝国に君臨しながらも、非常に悪名の高い王で、6人もの妻をめとったことでも知られるヘンリー8世を主人公にした衝撃のドラマ。アン・ブーリンは2番目の妻で、ヘンリー8世が夢中になって彼女を妻にしたいと求める様子が描かれています。

キャサリン・オブ・アラゴン(マリア・ドイル・ケネディ)と結婚したヘンリー8世(ジョナサン・リース・マイヤーズ)でしたが、世継ぎとなる男児を産むことができないキャサリンから心が離れ、若く魅力的なアン・ブーリン(ナタリー・ドーマー)に惹かれていきます。

ヘンリーはキャサリンと離婚してアンと再婚するために宗教上の問題をクリアしようと、ローマ・カトリックを離脱してイギリス国教会を立ち上げ、時代を揺るがすほどの事態へと発展。

「きっと私も飽きられる」 と言うアンのセリフが示唆しているように、その後もヘンリーは次々と妻を変えるのです。それでも、したたかに地位を築いていこうとしたアン。彼女が歴史上語り継がれている王妃である理由がよくわかる必見ドラマです。

映画『エリザベス:ゴールデン・エイジ』

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登場する女王:エリザベス1世

おすすめ度:★★★★☆

生涯独身だったことから「ヴァージン・クイーン」と呼ばれた、ヘンリー8世とアン・ブーリンの娘、エリザベス1世が女王として黄金時代を築く姿を描いた大作映画( 『エリザベス』 の続編)。アカデミー賞衣装デザイン賞を受賞した絢爛(けんらん)豪華なドレスが見どころです。

1585年、プロテスタントの女王としてイングランドを治めるエリザベス1世(ケイト・ブランシェット)は、国内外でカトリックを信奉する者たちと対立。いとこの娘でスコットランド女王のメアリー・ステュアート(サマンサ・モートン)はカトリックであるため、彼女の存在は脅威に。エリザベスは航海士のウォルター・ローリー(クライヴ・オーウェン)と惹かれ合いますが、ヴァージン・クイーンを貫き通す彼女の恋はかないません。 「自由に人を愛すること・・・、私にはかなわぬ願い」 と言うエリザベスのセリフが心に突き刺さり、威厳を保つ女王の孤独が強く伝わってきます。

映画『女王陛下のお気に入り』

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登場する女王:アン女王

おすすめ度:★★★★☆

18世紀初頭、イングランドを統治したアン女王。公爵夫人で女官長のレディ・サラと、サラの従妹で上流階級から没落し召使いとして働くことになったアビゲイルが、アン女王の寵愛(ちょうあい)をめぐって権力争いをする、シニカルでユニークな愛憎劇。

フランスとの戦争中、アン女王(オリヴィア・コールマン)の幼なじみでイングランド軍を率いるモールバラ公爵の妻サラ(レイチェル・ワイズ)は、絶大なる権力を握る女官長としてアンを意のままに操っていました。

そこへやって来たアビゲイル(エマ・ストーン)はアンの心をつかみ、サラの地位を危うくしていきます。17度妊娠したの にもかかわらず 流産や死産、生まれても夭逝(ようせい)するなど、子どもに恵まれなかったアンは、ブランデー好きで気まぐれな女王となり、特にこの映画ではエキセントリックに描かれています。

アカデミー賞主演女優賞に輝いたオリヴィア・コールマンの怪演は必見で、下僕に対して 「私を見た? 見なさい! (見た途端に) 無礼者! 目を閉じなさい!」 と言うセリフがアンの面倒な性格をよく表していて面白いです。

 

映画『ヴィクトリア女王 最期の秘密』

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登場する女王:ヴィクトリア女王

おすすめ度:★★★★★

在位が63年7カ月にも及ぶ、英国女王でありインド皇帝としても君臨したヴィクトリア女王の晩年を描く感 動作 。ヴィクトリア女王を取り上げた映画やドラマはいくつもありますが、彼女とインド人従者との友情をテーマにした本作は珍しいのでおすすめです。

1887年、ヴィクトリア女王(ジュディ・デンチ)の即位50周年記念式典が行われますが、最愛の夫も信頼する側近も亡くし、ヴィクトリアは孤独で気難しくなっていました。

そんな彼女は、本音で話す従者のインド人青年アブドゥル(アリ・ファザール)を気に入り、身分と年齢差を超えて友情を育んでいきます。『Queen Victoria 至上の恋』でもヴィクトリア女王を演じたジュディ・デンチの威厳と優しい眼差しに引き込まれ、 「私はイギリスの女王でインドの皇帝よ。10億の民に尽くすため、私は生きている」 と言うセリフも説得力を持って心に響きます。

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ドラマ『ザ・クラウン』

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登場する女王:エリザベス2世

おすすめ度:★★★★☆

英国史上、在位期間が最長の最高齢君主として絶大な 影響 力を持つ女王、エリザベス2世の知られざる素顔を浮き彫りにする壮大なドラマ。

1952年、25歳で女王の座に着いたエリザベス(クレア・フォイ)。夫のフィリップ(マット・スミス)が偉大な存在となった妻の陰で苦しむ中、エリザベスは政界実力者との確執や、妹のマーガレット王女(ヴァネッサ・カービー)のロマンスの対応などに頭を悩ませます。

20世紀後半の歴史的事件を背景に、エリザベスはどのように激動の時代を駆け抜け、家族や国民の愛を手中に収めてきたのかが描かれます。宮殿内部や衣装の細部にまでこだわった英国王室の忠実な再現度はこれまで以上にリアルで、エリザベス女王も本作を気に入っている模様。

シーズン3・4のエリザベス役は、『女王陛下のお気に入り』でアン女王を熱演したオリヴィア・コールマンが演じています。シーズン1の 「私よりもこの仕事をうまくやれる人が大勢いると分かってる。もっと強烈な個性の持ち主がね。でも王冠は私の頭に載せられたの」 と言うエリザベスのセリフが印象的で、彼女の決意に感動します。

www.netflix.com

英国王室の女王や王妃たちのドラマチックな人生がつづられた映画やドラマを堪能すれば、彼女たちの肖像画から また新たな何かを感じられるのではないでしょうか。おすすめの映像作品と展覧会、どちらもぜひ楽しんで見てください!

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清水久美子 海外ドラマ・映画・音楽ライター。『ENGLISH JOURNAL』誌に映画コラムを寄稿したり、『SCREEN』誌にて海外ドラマ記事を連載中。 海外ドラマboard映画boardアソビフル にて取材・執筆中。英国だけではなく海外の王室ドラマに夢中です!

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