英語ボランティアガイドって何をするの?どうすればなれるの?そんな疑問に答えます。

近年、日本を訪れる外国人観光客の数は増加の一途をたどっています。2020年には東京オリンピックが開催されるため、外国人観光客をもてなす 都市ボランティア が募集され、話題になっていますね。語学力を生かしてボランティアができたら素敵です。でも、「興味はあるけど、どんなことをするの?」という方におすすめしたいのがこの本、 『英語でボランティアガイド』 。英語ボランティアガイドの経験が豊富で、現在はプロの通訳案内士である著者が、始める方法や心構え、実践的なガイド例まで詳しく解説してくれるんです! 発売日は7月20日ですが、ひと足 先に 、ちょっと中身をご紹介します。

CD付 英語でボランティアガイド
 

英語でボランティアガイドなんて難しそう?

「英語でガイドをする」という言葉だけ聞くと、ちょっとハードな気がしてしまいますね。「海外経験豊富で英語がペラペラの人がやるのでは?」なんて思ってしまいます。

でもそんなことはありません。著者も最初から英語ができたわけではなく、英語ボランティアガイドを始めてから必要な英語を学んだとか。英語でボランティアガイドをするにあたって重要なポイントはたった2つ!

肩ひじ張らずに始めてみよう!

「英語でガイドするってレベル高すぎ」なんて、自分でハードルを上げてしまっている方も多いのでは? 著者は、ボランティアガイドは「無理なく始めて続けていけるもの」であると述べています。 「もっと英語を勉強してからやるべき」などと、自分でハードルを上げる必要はありません。

著者のもとに相談に来る人も、英語ができる人ほど、まだまだと思って挑戦しないことも多いのだそう。そんなのもったいないと思いませんか?

また、ボランティアだからといって、必要以上に使命感にとらわれたり、つい力んで前のめりになったりする人も多いですが、そんな風になる必要もないのだとか。

心のハードルを下げ、「英語は人と通じ合うためのツール」「ボランティアは気軽に、肩ひじ張らずに始めるもの」「ゆっくり長く続けていくもの」だと考えてみましょう。このような意識を持つだけで、ずいぶんと気持ちが楽になりませんか。

※本書p15より引用

英語ボランティアガイドは、もっと気楽にはじめてよいものなんです!
優越感や自己満足は不要!

著者がボランティアに触れた きっかけ は、ご主人の転勤に伴いシンガポールで生活していたときのこと。

そのとき感じたのは、シンガポールの人々が常に思いやりを持って生活をしているということだったそう。助け合うのが当たりまえで、変な責任感も押しつけがましさもなかったとか。そこには「思いやりの連鎖」があり、ボランティアには自己満足はいらないと感じたのだそうです。

「ガイドをやってあげている」といった一種の優越感を持ってゲストに接している人や、「わたしはこれだけ英語ができるのだから、ゲストも気分よく観光できているはず」と自己満足で活動をしている人を、ごく少数ではありますが、見かけることがあります。こういった態度はお客様にもすぐ伝わりますし、何といってもボランティア精神から外れるものだと思います。

※本書p20より引用

このように、 優越感や自己満足はボランティアには不要なもの として忠告しています。

同じ満足であれば、自分ではなくゲストを満足させることが重要なはず。肩ひじ張らずに一緒に楽しむつもりで、ガイドをすることが大切なのですね。

英語ボランティアガイドに必要な「英語力」とは?

外国人にガイドをするのであれば、もちろん英語を使わなければなりません。しかし著者は、「英語力は最も大事な要素ではない」と述べています。 

確かに、意思を伝えるツールとして英語力は重要ですが、もっと大切なのは、ボランティア精神や、笑顔で接すること。そして、思いやりの心を持つこと。

必要な英語力は、それほどレベルの高いものではなく、中学から高校レベルで問題ないそう。シンプルな英語のほうが伝わりやすいこともあるし、ガイドする相手は英語のネイティブ・スピーカーとは限りません。 相手もノンネイティブの場合、難しい英語表現を使うとかえってわからない こともあるのです。

ここでは2つ、ポイントが提示されています。

最初から完ぺきを目指さないこと

英語の資料を理解できても、自分でスラスラと話すのは意外に難しいですよね。最初から完璧を目指すと、話すことが恥ずかしくなったり、言葉に詰まってしまったりしてしまいます。英語をマスターすることよりも、ゲストと共に楽しむことを優先しましょう。

学び続け、場数を踏むこと

「英語でガイドなんて自分にもできるかな?」と 心配 になるかもしれませんが、実際はやり続ければ慣れるのでほとんど問題はありません。だからこそ、慣れるまでとにかくあきらめずに学び、場数を踏むことを大切にしましょう。

英語ボランティアガイドに必要な「ガイド力」とは?

英語ボランティアガイドをするには、英語力だけではなく、もちろん「ガイド力」も必要になります。しかしこれもまた、難しく考える必要はありません。笑顔と思いやりをもって、楽しくスキルを磨いていきましょう。著者が必要だと考える「ガイド力」は次の3つ。

  • ゲストと訪れるであろう観光地をよく知っている
  • ゲストから質問されるであろう日本の習慣や、歩いていて目に入ってくるものについての知識を持っている
  • それらをシンプルな分かりやすい英語でガイドできる
そう、日ごろから接しているものに対する知識があればいいのです。あとは常識的な行動が取れ、相手を思いやったり親身に考えることができたりする人なら、英語ボランティアガイドはできると著者は言っています。

また、国内でガイドする場合でも、外国への関心を持つことが大切だそう。たとえばゲストの出身国のことを調べておけば、ボランティアで解説するときにその国の文化と比較したり、コミュニケーションをより深くとったりすることができますね。

英語ボランティアガイドを模擬体験

本書は、英語ボランティアガイドの心構えや始め方だけでなく、 具体的な アドバイスが多数掲載されています。例えば、ゲストとのメールのやり取りやガイド前日までに準備することなど、英語ボランティアガイドを始めたい人にとってはうれしい情報ばかり。

中でも実践的なのが、実際のガイド例を掲載していることでしょう。明治神宮や浅草寺など、外国人ゲストが好む有名な観光地を例に、ガイドの仕方を詳しく紹介しています。

ここでは明治神宮のを見てみましょう。

明治神宮をガイドしよう!

本書では、JR原宿駅からスタートするという設定で、明治神宮のガイドの仕方を紹介しています。自分でガイドしているつもりで読んでみると臨場感が湧いておもしろいはず! 実際のフレーズを見ていきましょう。

Now we are at a Shinto shrine called Meiji Jingu shrine .

の神社である明治神宮にやってきました。

The name Meiji comes from an emperor.

明治の名は、天皇に由来します。

This Shinto shrine was built in Yoyogi for Emperor Meiji and Empress Shoken in 1920.

この神社は1920年、明治天皇と昭憲皇太后のために、代々木に建てられました。

Their souls are worshipped here.

お二人の御がここに祀られています。

とてもシンプルな英語を利用しているのが印象的ですね。難解な単語を使う必要はありません。
ほかの神社でも使える表現をチェック!

この章では明治神宮を取り上げていますが、神道や神社についての説明もしています。これは明治神宮以外の神社を案内するときにも使えますね。

例として、鳥居と参拝の説明を見てみましょう。

This is called a torii, a gate leading to , and also a symbol of, a Shinto shrine .

これは鳥居といって、神社への入り口でありシンボルです。

This is the boundary between the everyday world and the sacred space of the Shinto deities.

鳥居とは、いま生きている俗世と神のいる聖域との境界となるものです。

「日本人でもそこまで知らなかった」ということもありますね。参拝の仕方については次のように説明しています。
If you like, you can put a small offering in the offertory box and then bow twice.

もしよろしければ、お賽銭を賽銭箱に入れ、二礼します。

Then , clap your hands twice.

それから二拍手します。

日本人なら大体わかっていることですが、外国人の方にとってはとても珍しいことばかり。これらは、日本の文化を説明するうえでとても大事なことです。英語で説明できれば、ガイドされた外国人は、日本文化に対して前よりもっと親しみと興味を持つことでしょう。

まとめ

実際のガイド例を参考に、自分でガイドをするつもりで、明治神宮や浅草寺を歩いてみても楽しそうですね! 本書はCD付き。掲載されている英語フレーズのお手本の音声を収録しているので、くり返し聞いて練習することもできます。

ほかにも、ガイド前日までのやり取りや、当日の流れなど、英語ボランティアガイドに関するすべてを網羅した『英語でボランティアガイド』。英語ボランティアガイドに関心がある方、2020年の東京オリンピックに向けて活動を始めたい方に、ぜひおすすめしたい1冊です!

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構成・文:GOTCHA!編集部
GOTCHA(ガチャ、g?t??)は、I GOT YOUから生まれた英語の日常表現。「わかっ た!」「やったぜ!」という意味です。英語や仕事、勉強など、さまざまなテー マで、あなたの毎日に「わかった!」をお届けします。

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