英語を日本語で学べる辞典は「英和辞典」、英語を英語で学ぶものは「英英辞典」と呼ばれています。「英語を英語で学ぶ」と聞くと、皆さんはどう感じますか?今回はそんな「英英式」の単語帳をご紹介します。
英語を日本語で学べる辞典は「英和辞典」、英語を英語で学ぶものは「英英辞典」と呼ばれています。
「英語を英語で学ぶ」と聞くと、皆さんはどう感じますか?
「難しそう…」
「普通に暗記したほうが簡単そう」
なんて声が飛んできそうです。
しかし「英語を英語で」の感覚で学習できれば、日常会話の引き出しが増えたり、細かなニュアンスの違いを感じたりと、英語力がワンランクUPすること間違いなし。
このような「英英式」でインプットできる単語帳が「英語を英語で理解する 英英英単語 超上級編」です。
さらなるレベルアップを目指すには、いつもと少し趣向を変えて英語を英語で学ぶのも面白いでしょう。
今回は僕が実際に使った「超上級編」を紹介します。初級編〜上級編もリリースされているので、ご自身のレベルに合った1冊を選んでみてくださいね。
「英語を英語で暗記する」印象的な暗記システム
英語を英語で学ぶ3つのメリット
本書は、英語辞書の一種である「英英辞典」と単語帳を掛け合わせた画期的な参考書です。
覚えたい単語(見出し語)がページの中に並んでいるのは、普通の単語帳と同じ。
ただ、解説文まで英語で書かれている点がほかと大きく違うところです。
英語を英語で説明してもらうことで、その言葉にこもった繊細なニュアンスを感じ取れるようになっています。
実はこういった「英語を英語で」の学習は、英英辞典でもできます。
しかし英英辞典では日本語がまったく載っていなかったり、意味説明の文章が少し複雑だったりと、人によってはとっつきにくいと感じることも。
その点、本書では日本語での適度な補足も充実しており「英語を英語で理解する」の入り口にピッタリでしょう。
「日本語の普通の単語帳のほうが暗記が簡単そう」と思う気持ち、正直わかります。
しかし英語の勉強が楽しくなってきた人こそ「英英英単語 超上級編」を手にとって欲しいです。
本書で学ぶメリットを紹介するので、手元にあるほかの単語帳との違いをぜひ感じ取ってみてください。
メリット①意味のニュアンスを知れる
英語を英語で説明されると、直接的な日本語訳からは読み取れない細かな意味の違いまでわかります。
たとえば、本書でピックアップされている「craze」で考えてみましょう。
Google翻訳では「craze=流行」と意味が表示されていました。
同じ「craze」の意味を本書で辿ってみると、以下のような解説文が載っています。
something that becomes very popular for a short time.
すごく人気ではあるものの、ごく短期間のうちの一時的な盛り上がりであることが読み取れますよね。
「流行」と説明するのももちろん間違いではありませんし、多くの単語帳・辞書がこのくらいのシンプルな意味でまとめています。
ただ、一言程度の日本語では表現しきれないニュアンスまでつかめると、よりネイティブらしいリアルな英語を使えるようになりますよ。
メリット②知識を関連付けて覚えられる
本書では類義語や対義語も英語ベースで紹介されています。
実際に掲載されている「復讐・仕返し」を意味する単語を例にしてみますね。
見出し語:vengeance
類義語:revenge
このように、すでに知っている初歩的な単語や、カタカナ語として耳にする馴染みある単語と関連付けて覚えられます。
「vengeance」ではまったく新しい複雑な単語に見えてしまうでしょう。しかし「revenge(リベンジ)」と意味が近いことに気づくと、覚えるハードルがなんだか下がりませんか?
③パラフレーズスキルが上がる
パラフレーズスキルとは、簡単に表すと「言い換え力」のこと。
意味が近い単語を覚えることで、パラフレーズ(言い換え)の引き出しが増えます。
日常会話で見聞きしたことをオウム返ししすぎても「語彙が貧弱な人なんだな」とマイナスイメージに。
難しいことのように感じるかもしれませんが、日本人でも「ヤバい」を「非常に」と言い換えるなど、TPOによって言葉を使い分けていますよね。
そこで本書の類義語欄のように関連単語を覚えることで、言い換え力を上げると効果的です。
加えて、言いたいことがうまく伝わらないときに、代替表現を考えられるようになります。
英語でも日本語でも、状況に応じて伝え方を変えることは、コミュニケーションを円滑にするのに大事なことなのです。
本書を手に取る前に知っておいてほしいこと
本書は、一般に販売されている「TOEIC◯点相当をフルカバー」「英検1級の出題範囲を完全収録」といった単語帳よりも、網羅性はやや低い印象でした。
ただ、収録された単語数は少ないものの、実践的な英語を最短で身につけたい方にとってはかなり有用な1冊です。
僕がおすすめしたからといって、同じ「超上級編」から手に取る必要はありません。
「英語を英語で理解する」の感覚が気になったら、初心者の方はまず「初級編」から始めてみましょう。
そして英語で書かれた解説文を読むことで、見出し語以外にも新しい単語とたくさん出会える一石二鳥のインプットになりますよ。
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