イギリスとドイツで会社員とフリーランス、NHKの「自転車旅 ユーロヴェロ90000キロ」にも出演したアキラさんの体験談

海外で働きたい人にとって、北米と同様に人気がある欧州。労働者の権利が守られている国が多く働きやすいことや、日本と比べて賃金が高いことが特徴です。そんな欧州の中で、イギリス→ドイツを、会社員→フリーランス→会社員と渡り歩いているアキラさんにインタビューしてみました。

アキラさんは、日本の大学在学中にアメリカの大学に留学し、帰国後、カンボジアでカレー屋のインターンをしたあと、日本で外資系の小売企業に就職しました。ここで、地方の営業になったのですが、売り上げを上げて、社内での発言力を獲得し、eコマースを取り扱う部門に異動。ITやマーケティングを実践で学びました。

多くの若手ビジネスパーソンが、希望された部門に配属されなかったときに「配属ガチャ、失敗」とふてくされてしまうのですが、その部門で結果を出すことで、自力で異動する権利を獲得するのがアキラさんの凄いところ。そして、この「道は自分で切り拓く」という姿勢が、その後の海外就職にも繋がっていきます。

道は自分で切り拓く

ーーどうして海外で働く事にしたのですか?

たまたま、イギリスのワーキングホリデーが当たったからです。外資系小売で3年弱。仕事にも慣れたときに当たったのが、イギリスのワーキングホリデー。当時、イギリスのワーキングホリデーは非常に人気でした。イギリスが人気なのに加え、他国では1年のワーキングホリデーが、イギリスは2年間だったというのもあります。

ーー多くの人は、ワーキングホリデーというと、現地の日本食屋とかお土産物屋とかの「日本語仕事」に就くことが多いのですが、アキラさんは違いましたね。

SNSで仕事を探したんです。日本料理屋でバイトの様に働いたところで、ワーキングホリデービザが切れる2年後にビザのサポートがとれる仕事がもらえるとは思えません。だから、自分のキャリアを活かした仕事を探そうと思ったのです。

ロンドンに進出している企業や現地の企業の担当者に直接「こんなスキルを持っていてこんな仕事ができます!」と、メンション飛ばしたり、DM送ったりして、自分を売り込んだんです。何社かオンラインで面接して、渡航前に就職先が決まりました。

イギリスで転職やフリーランスも

ーー実際、海外ではどのように働いていましたか?

会社で仕事をしながら、夜な夜な現地のミートアップパーティーに参加してました。ミートアップパーティーというのは、いわゆる「異業種交流会」みたいなもの。現地のスタートアップ・ベンチャーの人たちから大企業の人たちが集まってパーティーをしてるんです。そんなパーティーの情報を聞きつけて、片っ端から挨拶周りをし、自己PRをし、仲良くなっておいたんです。

おかげで、色々な仕事が舞い込んできました。まあ、就職した会社は、メンバー3人、カフェを仕事場にしているような「どベンチャー」だったんですが。ただ、ミートアップパーティー参加は継続していき、フリーランスとして仕事を受け続け、自分で受けきれなくなった仕事は知り合いのフリーランスに外注したりと、たくましく自力で金を稼いでいました。

ーー自力で人脈を作り、自力で仕事を探し、自力で金を稼ぐことができれば、どんな国でも生きていけるのですね。

イギリスや日本の会社からの仕事を常時5社くらい受け、同時に会社員生活も続けていたのですが、そんな毎日はあっという間に過ぎていきました。ワーキングホリデーが切れるころ、3人の会社は普通にオフィスが借りられる10人くらいの会社に成長していました。

永住権を求めて、ドイツへ

ーーその後、ドイツへ移ったのはなぜですか?

ビザが切れたタイミングで、ドイツからオファーが来たんです。そして、最短2年で永住権がとれるということで、ドイツに移住することにしました。

EU BLUE CARDという技術者向けのビザがあるんですが、これを持って専門職で働くと22-33か月でドイツの永住権がとれるんです。これを使って、まずはドイツの永住権をとることにしました。というわけで、ドイツの企業に正社員として就職することにしました。

ーーで、コロナ禍がきましたがどうでした?

今後、どうなることか、、と一瞬焦ったのですが、今となってはなんとかなりました。

ドイツに来たので、ドイツ語を勉強していますが、ぶっちゃけ仕事ではほとんど使っていません。英語だけでOK。そして、コロナ禍によって仕事が完全にリモートワークになって自由に働けるようになりました。正社員という形態と、ドイツの労働環境によって、牙を抜かれた感があります。ドイツに甘やかされていますね。居心地がよくて抜けられなくなっているという危機感がありました。

なぜか、NHKの番組に出演

ーーそんななか、NHKのドキュメンタリー番組に主演したそうですが、どんないきさつで?

YouTuber活動をぼちぼちやっていたんです。FIFAのインフルエンサー募集に自分で応募して、現地のサッカーの様子をレポートしたり、e-sportsの大会のレポートをしたり。 あるとき、NHK BSPの番組のオーディションがあることがわかったんです。3週間くらい自転車で旅をする番組のナビゲーターです。

アメリカには日本人がたくさんいるんですけど、欧州って意外と少ないんです。ましてや、自分みたく3週間とか有給とって旅に出れるような人はほとんどいない。お、これはチャンスだぞと。こんなそんなで、ホントにオーディションに受かり、NHK BSPの番組のナビゲーターを務めることになりました。

ーー「自転車旅 ユーロヴェロ90000キロ」、マルタからイタリア・ローマを自転車で旅するドキュメンタリーは非常に好評で、分割して再放送されたりしていますね。

こういう、テレビ関係の仕事もやりたいので、ぜひオファーください!

海外で仕事をするために必要なマインド

ーー海外で仕事をするために必要なマインドはなんですか?

海外で仕事をするのに大切なことは、技術を身につけることと、人脈を作る事。 人脈というと軽く聞こえますが、お互いに支え合う"仲間"という意味合いです。最初はSNSもひとつの手ですが、やはり現地に行って、実際に顔を合わせて売り込むのが最適。この辺が苦手な日本人が多いので勿体ないと思います。

技術に関しては、仕事をしながら覚えていけばOK。できるかどうかわからない仕事も、とりあえず受けてみて、全力でやってみる。できなさそうなら、人脈をつたって、誰かに頼る。最初はハッタリでも、それがだんだん実力になっていくので、飛び込んでみることが大切です。

特に私が今やってるプロダクトマネジメントの仕事は、カンボジアでカレー屋やるのといっしょで、現地のお客さんに喜んでもらうために何をすべきかを一生懸命考えて改善点を見つける事が仕事です。その際に「外国人の目線」も重要になるので、私みたいな日本人が希少価値を持ってたりするんです。

カンボジアで飲食店のインターンをしたときは、マーケティングの4P(製品、価格、場所、売り方)のどこを改善すれば売れる様になるかをトライアンドエラーしてたのですが、今、ドイツでやっていることもあまり変わらないんです。そう考えると、途上国でも先進国でも、たぶん日本でも、仕事のやり方は大きく変わらないですね。

ーー日本にいる、海外で働きたい人は何をすればいいと思いますか?

とりあえず、海外の仕事を受けてみればいいんじゃないですかね? 例えば、いまは、円安と欧州のインフレで、日本人エンジニアの単価がこっちからみると「こんなに安いの?」という状態になっています。なので、日本である程度仕事ができるエンジニアの人は、こっちの仕事をフリーランスで受けてみたらいいんじゃないですかね?仕事の探し方?Linked inやindeedを英語で検索してみればすぐ見つかりますよ。 これですぐにLinked inに登録するような人はおそらく海外で働くのに向いています。特に、IT系の人は、外貨を稼げるエンジニアを目指してみてください。

アキラさんのSNSアカウント

森山たつを
森山たつを

(株)スパイスアップ・アカデミア 社長。早稲田大学理工学部卒業後、日本オラクル、日産自動車などに勤務。これらの経験を元に世界7カ国で就活を行い全ての国で内定をとり、その内容を人に伝える「海外就職研究家」として独立。著書4冊(電子書籍は20冊以上)。現在は、大学生・高校生・社会人が海外ビジネス体験できるインターン、 サムライカレーSDGs を運営。 https://twitter.com/mota2008

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