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日本のアニメ作品の意外な英語タイトル3選【英題クイズ】

日本語では有名な作品も、英語タイトルに訳されていると、どの作品かわからないなんてことも!英語タイトルが意外な作品をクイズにしてみました。

日本のアニメの意外な英語タイトル!?

今や世界的な人気を誇る日本のアニメ作品。『ワンピース(One Piece)』や『ナルト(Naruto)』など、日本語のタイトルがそのまま海外でも採用される場合も多いですが、中には意外な英語タイトルがついている作品も?英語タイトルから元の作品がなにかを当てるクイズに挑戦しましょう!あなたは何問正解できますか?

Q.1 Astro Boy

Astro Boy is one of the first anime series to gain traction around the world, and its legacy makes it a piece of history. Even new generations know of the old-school show, and Astro Boy has had his comebacks every now and then.*1

(    )は、日本のアニメのなかで世界で最初に人気を獲得した作品のひとつで、その遺産は歴史の一部となっています。この古い作品は若い世代にも知られており、(    )の人気はこれまでにもたびたび再燃しています。

ヒント:ヘアスタイルが特徴的な、あのキャラクターが登場するアニメです!

Q.2.Spirited Away

I was already a young adult when Spirited Away was first released; watching it again recently, I was instantly caught up in its beautiful, poignant spell, but also struck by how unnerved it made me feel.*2

(    )が最初に公開されたとき、私はすでに10代の後半になっていましたが、最近、再びこの映画を観なおしてみると、その美しく、胸を刺すような魅力に一瞬で引き込まれるとともに、狼狽してしまうくらいに圧倒されました。

ヒント:ミュージカル化もされて話題のあの作品です!

Q. 3 Ghost in the Shell

Starring a fully conscious cyborg protagonist, Ghost in the Shell tackles questions of identity, technology and what it means to be human.*3

意識をもったサイボーグが主人公の(    )は、アイデンティティ、テクノロジー、そして人間であることの意味を問いかけます。

ヒント:日本SF史に残る名作アニメです!

答えと解説

Q.1の答え:『鉄腕アトム』

巨匠・手塚治虫の代表作『鉄腕アトム』は、1952年から連載が開始された日本アニメ史が誇る不朽の名作です。英語タイトルでは、「星」や「宇宙」の意味を持つ“Astro”が用いられていますが、この語は「astronaut(宇宙飛行士)」という単語のなかで目にしたことがある人も多いでしょう。

ちなみに、英語タイトルに「アトム」が採用されなかった理由としては、当時、The Atom Antという名前が似たキャラクターが登場するローカルテレビ番組が放映されていたこと、通常は「原子」の意味を持つ“atom”はスラングで「屁」の意味を持つこと、また、日本への原子爆弾(atomic bomb)投下の歴史への配慮があったことなどが言及されています。*4

そんな『鉄腕アトム』ですが、近年になっても人気は衰えない様子。手塚治虫の漫画原稿を活用したデジタルアートが、NFTの取引市場「OpenSea(オープンシー)」で120イーサリアム(仮想通貨の単位、当時のレートで約5600万円)で落札されたというニュースは、現代まで続くアトム人気を象徴しています。*5

鉄腕アトム(1) (手塚治虫文庫全集)

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Q.2の答え:『千と千尋の神隠し』

宮崎駿監督の作品のなかでも根強い人気を誇る『千と千尋の神隠し』は、2001年夏の公開。初回上映の興行収入は308億円で、 日本国内で上映された映画の歴代興行収入1位を2020年まで約20年間守り続けていました。

英語タイトルに使われているspirit awayという表現には、「(人)をひそかに[魔法のように]連れ去る」という意味があり、まさに日本語でいう「神隠し」に近いイメージですね。

英語のspiritには「魂、霊魂」や「生命力、精気」という意味がありますが、語源的には古代ギリシア語の“pneuma”、ラテン語の“spiritus”に由来し、原義は「息」のイメージです。spirited awayと聞くと、息とともにスッと魂が抜き取られ、霊的な世界へと連れさられてしまうような語感があります。

ちなみに原因不明の物体の移動や発火などの超常現象のことを「ポルターガイスト現象」と呼びますが、この“Geist”はドイツ語で英語の“spirit”に対応する言葉です。見えない「霊」がいたずらをしているようなイメージですが、ヨーロッパ語圏では、身体性を失った魂を「霊」とみる文化があるでしょうね。対して、『千と千尋の神隠し』に登場する「神様」たちは、多様で存在感のあるユニークな身体をそれぞれもっており、東西の文化の違いが垣間見えて面白いですね。

Q.3の答え:『攻殻機動隊』

『攻殻機動隊』は、1989年に『ヤングマガジン海賊版』で連載が開始された士郎正宗によるSF漫画作品。 押井守監督によって制作された劇場版やテレビアニメ版も全世界的な人気があり、ファンは後を絶ちません。近年は、ハリウッド版も話題になりました。

「攻殻」という言葉は造語で訳しづらいですが、shellという単語が当てられているのは興味深いですね。一般的には、まずハマグリやシジミなどの「貝殻」を連想することの方が多いと思いますが、実はshellには「〔カニ・エビなどの〕殻、甲羅」の意味もあります。「攻殻」という音の響きから「甲殻」が連想されることも加味すると、上手い翻訳ですね。

アニメに登場する主要キャラクターの草薙素子は、「脳と脊髄の一部を除き全身を義体化した女性型サイボーグ」という設定となっており、人間の「アイデンティティ」を問い直す哲学的な側面を持つ作品でもあります。Ghost in the Shellというタイトルからは、サイボーグという存在を通じて人間の「心身問題」を問う、本作の内容が連想されますね。

ほかにも、意外な英語タイトルが付いている作品はまだまだありそうです。普段は日本語で見ているアニメを、英語で見てみる良いきっかけになるかもしれません!気になった作品があれば、ぜひ見てくださいね!

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*1:Megan Peters, 'Astro Boy Has Entered the World of NFTs’, Comicbook, 2022.

*2:Arwa Haider, 'The film that captures millennials' greatest fear’,BBC, 2021. 

*3:Doug Fabrizio, Through The Lens: 'Ghost In The Shell', Radio west, 2022.

*4:Reito Adachi,  A Study of Japanese Animation as Translation, p. 93, Dissertation.com,2012.

*5:浅川秀之、「鉄腕アトム」が30億円、未完の「詩」も商品に 急成長するNFT市場とは、エコノミストOnline、2022

ENGLISH JOURNAL ONLINE編集部

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