突然ですが、自分の誕生日を思い浮かべてください!それを英語で正確に書くことはできますか?基本のようで意外と忘れている「月日」の書き方。スペルは?順番は?省略形は?思わぬところに落とし穴があるかも!今回は、英語での「月日」の書き方について、野原知加先生に多角的にご解説いただきました。
目次
月名の書き方/読み方の一覧票
月 | 名称 | 略称 | 読み方 | 発音記号 |
---|---|---|---|---|
1月 | January | Jan. | ジャニュアリー | dʒǽnjuèri |
2月 | February | Feb. | フェブラリー | fébjuèri |
3月 | March | Mar. | マーチ | mάːrtʃ |
4月 | April | Apr. | エイプリル | éiprəl |
5月 | May | May. または省略しない | メイ | méi |
6月 | June | Jun. または省略しない | ジューン | dʒúːn |
7月 | July | Jul. または省略しない | ジュライ | dʒu(ː)lái |
8月 | August | Aug. | オーガスト | ɔ́ːɡʌst |
9月 | September | Sep. またはSept. | セプテンバー | septémbər |
10月 | October | Oct. | オクトーバー | ɑktóubər |
11月 | November | Nov. | ノベンバー | nouvémbər |
12月 | December | Dec. | ディセンバー | disémbər |
「年月日」の順番は英語だとどうなる?
日本語では「年月日」の文字通り、年→月→日の順番が一般的ですが、英語の表記順は大きくアメリカ式とイギリス式に分かれます。グローバルでみるとイギリス式が多いと言われています。
(例)2022年2月6日の場合
- アメリカ式の日付表記は[月→日→年]
February 6th, 2022、2.6.2022、2-6-2022、Feb. 6th 2022、2/6/2022など
- イギリス式の日付表記は[日→月→年]
6th February 2022、6.2.2022、6-2-2022、6th Feb. 2022、6/2/2022など
スペル表記をする場合は?
月や日付をスペルで書く場合もあります。公的な文書などに多いですが、日付については数字に序数詞(=〇〇番目という意味の[th])を付けるのが一般的。この時、一の位が1,2,3の時には、読み方に準じてst, nd, rdとなるので要注意です。日付で該当するのはこの7つなので覚えてしまいましょう。
1st, 2nd, 3rd, 21st, 22nd, 23rd, 31st
公的文書の場合は?
契約書や証明書などの公的文書では、前置詞を用いて文章として表記することが多いです。準拠する国によって書き方は若干異なりますが、日付を先に書くのが一般的です。theやthisが文頭に置かれることもあります。
6th of February, 2022
The 6th day of February, 2022
書式は慣習的に引き継がれていて、必ずしもはっきりと差別化できないことが多いのが現状です。あくまでも、その組織や機関で使われているフォーマットに則ることが鉄則ですね。
月名の「省略ルール」は進化中?
月名の省略(abbreviation)は、フォーマットがいくつかあります。日本で主に使われているのは米国方式で、2つに分かれているようです。特に学校などのアカデミックな場面では、書式指定も注意して確認しましょう。
- MLA(Modern Language Association/米国近代語学会)方式
月名省略は4文字まで→May, June, July, Sept.
- APA(American Psychological Association/米国心理学会)方式
月名省略はしない→全てスペルで表記
市販のカレンダーや、企業のレポートなどでも、3文字に短縮された月名を目にすることが多いと思います。おそらく、パソコンの普及やデザイン的な観点から、シンプルな表記への需要が増えているのでしょう。
身近なところでは、賞味期限の表記は生産国によって表記が異なります。数字だけが並んでいて、月と日の見分けがつかなくて困った経験はありませんか?年月日の表記は、ISO(国際標準化機構)による基準が制定されてはいるものの、実際には国により表記に差があります。ローカル生産者のシステムには、その国の文化が反映されていることが多いからです。
製造業の場合は特に、直接作り手に記載ルールを聞くしかない場合が多いです。生産工程も国際化し、個別輸入も広まっていることを考えると、もっと統一してほしいなあと思ってしまいますね。
絶対といえるような統一されたルールは存在しないので、それぞれの分野で制定されたルールに則るというのがポイントです。適材適所の表記を心がけたいです。
月の名前はローマ由来!
ちなみに、英語の月の名前は、ローマの神々や皇帝の名前から付けられていることを知っていましたか?月の名前の頭文字が大文字なのは、人の名前と同じように「固有名詞」扱いだからなのですね。
ローマでは紀元前からユリウス・カエサルによるユリウス暦(=太陰暦)が使われていましたが、その後、教皇グレゴリオリウス13世により、現在私たちも使っているグレゴリオ暦(=太陽暦)に改訂されました。太陽ベースの方が季節の移り変わりがわかり、農業などの社会生活には便利だったようです。
ちなみに日本では明治時代まで、太陰太陽暦というカレンダーが使われていました。「旧正月」という言い方がありますが、2月がお正月、節分はその節目だったわけです。日本の暦も興味深いですね。
月の表現に伴う前置詞を攻略しよう!
月の表現に伴う前置詞は、いくつかのバリエーションがあって、迷ってしまいますよね。その「月」が期限、期間、始点、終点を表すのかによって、前置詞も変わります。また、大前提として、[動詞 + 前置詞]では動詞の意味に連動して意味が変わります。動詞の意味もよく考えて、見極めるようにしましょう。
期間の場合
in January/期間
1月中に=(1日かもしれないし、31日かもしれないけれど)1月の期間中には、
I was born in January.
=私は1月の期間中に生まれました。
=私は1月生まれです。
inがつくと1~31日のどの日付かはわかりません。日にちを特定する場合には前置詞はonになりますね。
for January/期間
1月中の=1月1日から31日までずっと
A billing for January
=1月中の請求
=1月の請求
1月中=1~31日にかかった(とみなす、という場合も含め)料金ということですね。
A general election is set for January.
=本選挙は設定されています、1月に向けて
=本選挙は1月に設定されています。
「予定されている」のscheduleを使う場合もforになります。inにすると「設定する」という行為が1月にされた=決定されたタイミング、になります。日本語ではどちらも「1月~に~」となってしまうので(日本語もややこしい!)よく注意しましょう。
始点と終点の場合
from January to December/始点と終点
=1月から12月まで
=1月1日以降、12月31日まで
untilまたはtill January/終点
1月までは
=1月以前、もしくは2月以前(※文章により1月が含まれるか否か分かれます)
Before January/ 終点
1月前には
=12月が終わるまでに
After January/始点
1月の後に
=2月以降
始点と終点には要注意です。before/after/from/toを使う際、書かれているタイミングを含める含めない、の議論になりますが、大まかには上記の通り。ですが、100%ではないのが事実です。ですので、裁判や契約書など、曖昧にしてはいけない場面では”no later than”=「それ以降になってはいけない」や“including”=「含める」という表記を明記します。
The Documents shall be submitted before January 31.
※31日は含めない、とも言い切れない?
The Documents shall be submitted no later than January 10.
※10日から後になってはいけない=11日以降はだめ
The Documents shall be submitted by and including January 10.
※それまでに、そしてその日を含め10日まで=11日以降はだめ
日本語でも「までに、その前に、その後で」という表現はタイミングを特定できませんね。「1月に」、でも「1月初週」や「1月中旬」としてより具体化する場面も多いと思います。
日付には期日やタイミングを相手に適切に伝える役割もあるので、大切な場面ほど、相手が誤解しやすいグレーな言い方は避け、日にちや時間を明確に伝えたいものです。お仕事はもちろん、プライベートでも何か約束をする際には[on+日にち]や[at+時間]で伝えるようにしたいですね。
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