「リムる」「再生回数」は英語でなんて言う?

アメリカで生まれ、日本で暮らし、博多弁を操る言語学者のアンちゃんことアン・クレシーニさんが、SNSにまつわる英語表現を解説します!

SNS用語を紹介する新連載スタート!

やぁ!福岡の田舎に住んでいるアンちゃんです。

約4年間、ENGLISH JOURNAL ONLINEに記事を書いてきたけど、ここで皆さんに告白せないかんことがあるバイ。私は、SNS依存症です。Facebook、Instagram、Twitter、YouTubeなどが好き過ぎてたまらん!

さて、SNS依存症を告ったけん、標準語に戻そうね。

音声でコミュニケーションができるSNS「Clubhouse(クラハ)」が流行り出した時、私は「何があっても絶対しない!」と決めていましたが、すぐに仲のいい友達が「アンちゃん、一緒にクラハやろうよ!」と誘惑してきました。

私は「No!」と言えない日本人になりつつあるので、「はい、分かった。やります!」と答え、それからというもの「クラハ依存症」になり、毎日、自分のルームをつくるようになりました。

喜ばしいことに、今はほどほどにやっています。なんでも極端にし過ぎてしまう傾向がある私は、必死に「ほどほど」という概念を勉強しているところです。いや、「必死」はだめだね!ほどほどに「ほどほど」になるよう、頑張っています!

SNSをやり出したら、マジで切りがありません。

長い間周りの人に、「アンちゃん、YouTubeをやったほうがいいよ!」と言われてきましたが、「いや、これ以上SNSをしたら・・・」と思って断っていました。

けれど、あまりにもすすめられるので、去年の1月に、自分のチャンネル「アンちゃんのことばカフェ」を始めました。

「よしっ!やっと若い人に注目される!」と思った瞬間、教え子の大学生に「先生のYouTubeは面白いけど、やっぱり、YouTubeを見てもらうためにはTikTokもやらないと!」と言われました。まじか・・・ついていけんバイ!(また博多弁が出ちゃった)

このSNS依存症をなんとかプラスにしたいなぁと思って、この連載で英語のSNS用語を紹介していくことにしました。

「あのSNS用語って英語でなんて言うの?」「アメリカ人の若者がSNSで使っている用語を知りたい!」と思っている人はたくさんいると思いますので、この連載で一緒に楽しくSNS用語を勉強しましょう!

「SNS」は、英語圏で通じない?

まず、「SNS」という言葉からしましょう。

数年前、私がアメリカに遊びに行った時の話です。義理の妹が子供の可愛い写真を見せてくれたので、私は「Are you gonna put those on SNS?」と聞きました。

妹の表情が急に変わって、「Huh? What’s SNS?」と答えました。

その時、私は初めて「SNS」が英語では通じないことに気付きました。やっぱり、長くアメリカから離れていると、母語でも分からなくなることがあります!

ちなみに、英語では一般的にsocial mediaと言います。

「SNS」は、「social networking service」の頭文字をとった略語ですが、英語圏では通じません。social networking serviceという単語は英語にあるみたいだけど、私はあまり聞いたことがありません。

最近、日本でもおしゃれなラジオパーソナリティーの人などが「ソーシャルメディア」と言っているのを聞くことがありますが、間違いなく「SNS」という呼称の方が一般的でしょう。

I don’t use social media at all.
私は、全然SNSを使っていない。

あのSNS用語、英語でなんて言う?

(写真や動画を)「アップする」

写真や動画を「アップする」「投稿する」は、put up と言います。post と言い換えることもできます。

Are you gonna put that picture up on social media?
Are you gonna post that picture on social media?
あの写真をSNSにアップするの?

I just posted about my new boyfriend on Facebook.
さっき、Facebookに新しい彼氏について投稿した。

「友達申請」

じゃ、次にFacebookでよく使う「友達申請」について話しましょう。英語ではfriend requestと言います。

Do you mind if I send you a friend request?
友達申請を送ってもいいですか?

He sent me a friend request.
彼は、私に友達申請を送った。

最近、friendは名詞としてだけじゃなく、動詞としても使われます。

I friended him on Facebook.
彼とFacebookで友達になった。

ただ、二つ目の文章では、「申請を送られて来たときに承認した」という意味になります。

「私の友達申請を承認してくれてありがとうございます」と言いたい時は、

Thanks for accepting my friend request.

と言います。

「リムる」

友達解除をする」や「リムる」は、英語でこんなふうに言います。

I don’t know why, but he unfriended me.
なぜか分からないけど、彼に友達から外された。

He unfriended me. I’m sad...
彼に友達解除された。ぴえん。

When that guy was involved in a scandal, a lot of his fans unfollowed him.
When that guy was involved in a scandal, he lost a lot of followers.
あの人はスキャンダルに巻き込まれて、たくさんのファンにリムられた。

「リムる」という日本語の元になったremoveもたまに使うようですが、私はあまり見たことがありません。

「共通の友達」

共通の友達」は、下記のように表せます。

I looked you up on Facebook and found that we have a lot of the same friends.
I looked you up on Facebook and found that we are friends with a lot of the same people.
Facebookであなたを探したら、私たちに共通の友達が多いことに気付いた。

「フォロワー」「チャンネル登録者」

TwitterやInstagramなどでの「フォローする」はfollow、「フォロワー」は followerで通じます。

She has tons of followers on Instagram.
彼女のインスタのフォロワーはバリ多い。

I’m following him on Instagram.
あの人をインスタでフォローしている。

Do you mind if I follow you?
フォローしてもいいですか。

Thanks for following me!
フォローありがとうね!

YouTubeの場合、チャンネル登録者のことを subscriber と言います。

That YouTuber has a crazy number of subscribers.
あのYouTuberの登録者数は半端ない!

Please subscribe to my channel!
チャンネル登録、よろしくお願いします!

チャンネル登録を解除することは、 unsubscribe と言います。

After he cheated on his wife, a lot of his people unsubscribed from his channel.
彼は奥さんに内緒で浮気をしたから、多くの人からチャンネル登録を外された。

全然関係ないけれど、私にはどうしても言えない日本語の単語があります。それは「ウルトラマン」「離乳食」「アーモンド」「クレームブリュレ」、そして「登録」です。なので、YouTube動画を撮影する時、すごく苦労します。「新しい動画を毎週金曜にアップしています!そして、チャンネル登録よろしくお願いします!」と言うたびに噛みます。マジで。

「再生回数」

さて、次はすべてのYouTuberが望んでいる「再生回数」。これは英語でなんと言うか分かりますか?

いろんな言い方があるので、文を見てみましょう。

How many hits does it have?
再生回数はどれくらい?

That video went viral on YouTube. It got a million views in two hours.
あの動画は、YouTubeでバズった。わずかの2時間で100万回の再生回数を叩き出した。

If you want to increase the number of hits on your videos, you need to use the right kind of hashtags.
再生回数を増やしたかったら、ハッシュタグをうまく使わないといけない。

ちなみに、皆さんのおかげで、 私の2018年のTED×Fukuokaのプレゼン は、再生回数が13万回を超えました。まだ見ていない方、ぜひ見てください!

「いいね!」

この間、すごく面白い気付きがありました。

友達と、YouTubeなどでよく見る、高評価と低評価の手のマークについて話していたときのことです。

親指が上を向いている「いいね!」は、英語で「like」と言います。そして、反対(低評価)は「dislike」です。直訳すると「いいね!」と「好きじゃない!」です。

「『いいね!』の反対は、日本語でなんて言うの?」と友達に聞いたら、「うーん、なんだろう?『ブーブー』!」と適当に答えていました(笑)。

考えてみると、日本語では「いいね!」の反対語はないのかもしれません。さすが、日本語は丁寧です!

ちょっと例文を見てみましょう。

That tweet has 20,000 likes!
あのツイートには、「いいね」が2万ついてる!

That video has just as many dislikes as it has likes.
あの動画は、「いいね」と同じくらい低評価も多い。

どうしても最後のdislikeの日本語訳がわからん!誰か、助けて!

次回もお楽しみに!

皆さん、これからしばらくさまざまなSNS用語について紹介していきますので、楽しみにしてね!この連載が終わる頃、読者の皆さんは、私と同じくらいSNS依存症になっているかもしれません。あぁ、SNSについて書けば書くほどTikTokをやりたくなる。どうしよう!?

誰か、止めてください!

2回は2022年3月23日(水)公開予定!

アン・クレシーニ
アン・クレシーニ

アメリカ生まれ。福岡県宗像市に住み、北九州市立大学で和製英語と外来語について研究している。著書に『アンちゃんの日本が好きすぎてたまらんバイ!』(合同会社リボンシップ)。自身で発見した日本の面白いことを、博多弁と英語でつづるブログ「アンちゃんから見るニッポン」が人気。Facebookページも更新中! 写真:リズ・クレシーニ

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