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韓国で販売累計部数38万部突破、5年連続「両親への贈り物 推薦図書」第1位(韓国大型書店にて)を獲得した、母と子で贈り合うためのライティングブック『Mommy Book』。この連載では、バイリンガルフリーアナウンサー、英語ボイスコーチ、元ミセス・グローブ日本代表の野口美穂さんが、『Mommy Book』への書き込みを通して親子のコミュニケーションにまつわるヒントや英語での思いの伝え方を紹介します。
『Mommy Book』とは?
韓国で販売累計部数38万部突破、5年連続「両親への贈り物 推薦図書」第1位を獲得。今まで知らなかったお母さんの話が聞ける、親子のためのライティングブックです。
2万7000人に聞いた「お母さんに聞きたかったこと」から200の質問を掲載しており、それに答える形で、お母さんが自身の考えや思い出、悩み、子どもへのメッセージを書き込み、最終的に本書を子どもへと渡します。普段は機会がなかったり、照れくさかったりしてお互いへの 感謝 や愛情を表現できずにいるお母さんと子どもに贈る一冊です。
旅を通じて知った「新たな 価値観」
初めまして、バイリンガルフリーアナウンサーの野口美穂です。私と夫には、特別養子縁組で授かった現在1歳の娘がいます。将来はグローバルにコミュニケーションできるようにと、普段から少しずつ英語で話し掛けるようにしています。今回はそんな娘に私が贈る『Mommy Book』の回答を英語で書いてみましたので、読者の皆さんにご紹介します。
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Question 23:お母さんが20代に経験したことの中で、私もした方がいいと思うのは?Mommy, what are some experiences that you had in your 20s that you would also like me to have?
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Because travelling is one of the best gifts you give to yourself. Explore new places, speak new languages, and make new friends. I want you to learn to think outside of the box?旅行は自分自身への最高のプレゼントのひとつ。新しい場所を探検して、新しい言語を話して、新しい友達を作って。枠にとらわれない発想力を身に付けてほしいな?最初に選んだ質問「20代の時にやっておいた方がいいことは?」の回答には、真っ 先に 「旅行」を選びました。私は旅が大好きで、20代の頃は働いてためたお金で海外を一人旅していました。でも実は出発直前になると、新しい場所に行くのが少し怖くなって、いつもなかなか準備が進まないことが多かったです。それでも一度飛び出せば、見たことのない景色や新しい出会い、 今まで知らなかった価値観を知ることが楽しくて、帰る頃にはいつも「来てよかった」と思うものでした。 娘には将来世界の人たちと交流して、常識にとらわれず、自分らしさを認め合える価値観を持って生きてもらいたいと願っています。そのためにも、 世界共通のコミュニケーションツールである英語を話せるようになることは大切 ですね。
語注
- what are some experiences that you had in your 20s that you would also like me to have? ※2つのthatはexperiencesに係る関係代名詞
- think outside of the box:既成概念にとらわれず独創的な発想をする
夢を叶えるために必要なこと
Question 41:夢を叶えるために、お母さんが努力したことのうち一つを挙げるとしたら?Mommy, what is one thing that you worked for to achieve your dream?
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It may sound effortless, but I always daydreamed to get what I wanted untill it felt so real that it had to happen. My dreams to study abroad, to marry the love of my life ( your dad! ) , to travel around the world, and to meet you? So don't limit yourself and instead , follow your joy and take inspired actions.次に選んだ質問は「夢を叶えるために、お母さんが努力したことのうち一つは?」です。私は小さいときから何をやっても長続きしないタイプで、夏休みの宿題はいつもギリギリにならないとやらない、大人になった今でもテキパキ家事や仕事をこなすことが苦手という、娘のお手本からは程遠いママです。でも唯一「こうなったら楽しいな」と妄想することは昔から得意でした。その結果、 自分の中で「もう夢が叶っている状態」が出来上がり、現実に引き寄せるために必要な行動が自然と取れた のだと思います。簡単なことのように聞こえる かもしれない けれど、私はいつも自分のほしいものを手に入れるために空想をして、それが現実になるまで続けてきたの。私が夢見ていたのは、留学すること、最愛の人(あなたのお父さん!)と結婚すること、世界中を旅すること、そしてあなたにめぐり合うこと?
だから、自分を制限することなく、喜びを追求しながらインスピレーションに基づいた行動を取ってほしいな。
ただその中でも、子どもを授かる夢はいちばん難しく、叶うまでに11年かかりました。長年続けた不妊治療で結果が出ず「私は赤ちゃんに選んでもらえないんだ」と自己肯定感が下がり、「こうなったらいいな」よりも「そんなこと無理に決まっている」と常に心に雲がかかっていました。でもある時から 「叶っても叶わなくてもいい。どっちにしろ私は幸せだから」 と自分で決めたら、取るべき行動が目の前に現れ、娘との不思議な縁がつながり今に至ります。夢を叶えるには、執着を手放すことが時に必要なのかもしれませんね。
語注
次回も『Mommy Book』に書いた娘へのメッセージをお届けします。お楽しみに!