辞書を使った英単語学習法!「使える単語」を覚える方法とは?

英語力 スーパーメンタル養成法

TOEICを勉強している人の中には、990点(満点)を取ればネイティブのように英語を使いこなせると考えている人も多いのでは?「通訳」でTOEIC 990点(満点)を20回取得した「英語講師」の西田大(にしだまさる)さんが、ご自身の実際の英語理解度とTOEICで勉強する意義について赤裸々に語ります!

▼この連載に加筆、書き下ろし、修正を加え、まとめたものが電子書籍になりました!

誰もが苦労する単語学習

英語を学習されている方から「単語」についての質問を受けることがあります。代表的なものは次の3つです。

「わからない単語は一つ一つ辞書で調べる?」
「単語は例文と一緒に覚えるべき?」
「単語を覚えても実際の会話やメールで使えないのは?」

今回は誰もが苦労する単語学習についてお話させていただきます。

「知っている単語」と「使える単語」について

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高校・大学受験前に「単語集」とにらめっこした経験は誰もがお持ちかと思います。「英語力」と「単語力」は密接に関係していることを多くの方は理解されています。

しかし、英語学習において頻繁に耳にする「単語」という言葉が、2つに大別されることはあまり認識されていないのではないでしょうか。私たちが一般的に話題にする「単語」は、「知っている単語」と「使える単語」に分類されます。

知っている単語」は「認知語彙」「受動語彙」「パッシブ・ボキャブラリー(Passive Vocabulary)」などとも呼ばれます。簡単に言えば、読んだり聞いたりしたときに「意味だけはわかる」単語のことです。

使える単語」とは「使用語彙」「能動語彙」「アクティブ・ボキャブラリー(Active Vocabulary)」などと呼ばれます。意味と使い方を理解できていて、「正しく書いたり話したりできる」単語のことです。

例えば、同じ部屋にいる人に「窓を開けていいですか?」と質問する場合、多くの方は、May (Can) I open the window? という表現が思い浮かぶのではないでしょうか?つまり、May (Can) I open the window? の中で使用されている単語は多くの方の「使える単語」になっているのです。

この表現とほとんど同意のDo you mind if I open the window? という表現があります。この表現を聞いた時に、意味はわかるけれど、「自分では使うことができない」または「思いつかない」という方 もいるのではないでしょうか。

こういった場合、Do you mind if I open the window? (この表現では多くの場合mind かif )は「知っている単語」であるが「使える単語」ではないのです。

「英語が話せる!」には「使える単語」を増やすこと

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「知っている単語」と「使える単語」の関係は、「インプットしている単語」と「アウトプットできる単語」の関係と言い換えてもいいでしょう。そして、「英語が話せる!」ためには、「知っている単語」を「使える単語」に変えていくトレーニングが必要になります。

当然のことですが、「知らない単語」をいきなり(ダイレクトに)「使える単語」に変えることはできません。日本人の英語学習者は、英語が「読めるけど話せない」という傾向にあるようですが、これも「知っている単語」⇒「使える単語」というトレーニングの不足が大いに関係していると言っていいでしょう。

英語学習には積極的な辞書活用を!

「辞書」にネガティブなイメージを持たれている方は意外なほど多くいます。最大の原因は、学生時代の「わからない単語を事前に調べておく」という課題(予習)のような、いわゆる「辞書引き学習」を退屈で苦痛に感じられたからではないでしょうか。また、このような経験から、辞書は「わからない単語を調べるため」だけに使用するものだという考えをお持ちの方もいるようです。

ここでは「辞書に対するマインドセット」を変えていただきたいと思います。つまり、辞書は、わからない単語に出合ったときなど、必要に迫られて利用するだけものではないということです。また、「辞書=分厚い書籍」というイメージを持たれている方もいるかも知れません。しかし、最近ではほんの数年前までは想像もできないほどの機能を備えたアプリが利用可能です。

「知らない単語」⇒「知っている単語」のための辞書活用

知らない単語はそのたびに辞書を引いて、「知らない単語」⇒「知っている単語」に変えていく必要があります。「文脈から想像できればよい?」という質問もありますが、それは日常会話やテスト中などに行い、英語学習においては避けるべきです。

「文脈から想像」を私たちは日本語においても無意識に行っています。例えば、日常の何気ない会話でも相手の言うことがよく聞き取れない場合「文脈から想像」しています。この日本語でも行っている「文脈から想像」は、英語においても行うべきです。しかし、英語力向上が目的である英語学習中においては行うべきではありません。

「知らない単語」は出合うたびに一つ一つ意味を調べて「知っている単語」に変えていくことが大切です。また、せっかく覚えた単語はノートやスマホアプリに保存しておくことをお勧めします。

英単語学習には、和英辞書を徹底活用!

「知っている単語」⇒「使える単語」の学習には和英辞書(和英アプリ)を徹底活用します。

具体的な使用方法としては、自分のアウトプット学習やアウトプットが必要であった場面で表現できなかった単語(日本語⇒英語にできなかった単語)を、具体的に一つ一つ「この日本語は英語ではこう表現するのだ」という形で学習していくのです。

実際にこのような学習を始めてみればわかりますが、「日本語⇒英語」にできなかった単語は、自分の「知っている単語」であることが多々あることに気付くでしょう。この積み重ねこそが、「知っている単語」⇒「使える単語」にしていく唯一の手段なのです。

辞書は、単なる意味を調べの道具でなく、自分が実際にその単語を使えるようにするためのツールだと考えましょう。この姿勢が「知っている単語」⇒「使える単語」へもつながっていくはずです。

この「使える単語」の必要性の話をすると、「使える単語」の重要性を感じていただき 、すべての「知っている単語」を「使える単語」にされようとする方がいますが、その必要は全くありません。英語には「読む」「書く」「聞く」「話す」という4つの技能があります。

これらそれぞれの技能に必要とされる単語は異なるのです。これは私たちの母語である日本語にも当てはまります。日経新聞に書かれている単語を「読む」ことはできますが、同レベルの単語を「話す」ことができるとは限りません。

最後に

冒頭で紹介しました単語に関する代表的な3つの質問、「わからない単語は一つ一つ辞書で調べる?」「単語は例文と一緒に覚えるべき?」「単語を覚えても会話やメールで使えないのは?」に答えさせてください。これら3つの質問は互いに関連していますので次のようにまとめてお答えします。

わからない単語は一つ一つ辞書で調べます。そして、その単語の使用頻度によって、「あまり目にしないので意味だけわかればいい」ものと「実際に使いそうだから例文と一緒に覚えておく」ものに分けて覚えていきます。

こうして例文と一緒に覚えた単語が、実際の会話やメールの場面で「使える単語」として利用できるようになっていくのです。

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英語力はメンタルで決まる

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西田大

西田大(にしだまさる)
1973年生まれ。関西大学文学部英文学科卒業。TOEIC 990点(満点)、英検一級、全国通訳案内士。23年間にわたり県立高校教員として勤務した後、通訳、英語講師として独立。通訳としての技量は高く評価され、国際会議や各国の大臣クラスの通訳にもアテンド。英語講師としては、TOEIC・英検などの検定試験から実用英語まで、幅広い分野の英語学習に精通し、その学習法・対策法は注目を集めている。著書に『「音読」で攻略TOEIC(R)L&Rテストでる文80』(かんき出版)、『英語力はメンタルで決まる』(アルク)、『TOEIC(R)テストに必要な文法・単語・熟語が同時に身につく本』(かんき出版)など。

プロフィール写真:山本高裕