英語学習のやる気が出ない?なら「振り返り」を実践しよう!

「モチベーションの維持」。これは英語学習者の永遠のテーマと言えるのではないでしょうか。連載「飽きない英語 マナビツヅケル学習者」では、現役高校教員の大竹保幹さんが、授業で実践している飽きない英語学習の方法と、それを皆さんの英語学習に応用させるコツを紹介します。

時には立ち止まって「振り返り」を

英語に限ったことではありませんが、勉強とは、何か新しい知識を身に付けて自分の将来を少しでも明るいものにしようとすることです。初めのうちは学ぶことすべてが新鮮で楽しいことだらけなのですが、しばらく続けていくうちに停滞期に入ることがあります。

皆さんも「このやり方で勉強をしていて、本当にできるようになるのだろうか」と自分の成長を疑ってしまったことはありませんか?

特に英語は、話せるようになったり聞き取れるようになったりするまでかなりの時間がかかりますから、何ができるようになったかを実感すること自体が難しいですよね。早く英語ができるようになりたい。でも本当になれるのか。

そんなときには、自分が歩いてきた道を振り返ることも必要です。振り返ることで成長を確認し、先へ進む力を手に入れましょう。

生徒のやる気を出させる振り返り法

仕事でうまくいかないことがあったり誰かに叱られたりすると、私たちは「反省」をします。

反省というのは、「もっとこうすればよかった」などと改善点を考え、次に同じ過ちを繰り返さないようにする作業です。

1人で反省することもあれば、仲間や上司などを交えてグループで反省会をすることもあります。「ダメ出し」なんていう言葉も同じような意味合いを持っています。これらは、「できなかったこと」を見つめ直して先へ進むやり方ですね。

一方で「振り返り」はかなり前向きで、「できるようになったこと」に注目します。だから、気分がいい。小学校や中学校では特にそうなのですが、授業の最後の数分間で先生が「今日はこんなことを勉強しましたね」と学習内容をまとめた後、自分たちができるようになったことをプリントにメモさせたり、提出させたりすることがあります。

これは自分たちの成長を可視化することで、「前に進んでいるんだ」と実感させることにつながります。授業ごとの成長が実感できれば、次はどんなことができるようになるんだろうとワクワクしてきませんか?振り返りは学習の動機付けにひと役買っているのです。

振り返りは数カ月単位で行うこともあります。私は生徒たちに半年前のノートを見るように伝えることがあるのですが、これは英語がどのくらいできるようになったかを実感するにはとても効果的です。

授業では英語で話す内容のメモから作文の下書きまで、すべてノートに書くように指示しています。英作文でなかなか自分の考えがまとまらず、あれこれ考えたフレーズも含め、すべてです。毎時間書く量はそれなりに多いので、ノートはあっという間に英語で埋め尽くされます。

今学習していることに集中している生徒にとっては、英語はいつまでたっても仲良くなれない科目のように感じることでしょう。そんなときにはノートを最初のページから見返すように指示をします。

生徒たちは、過去の自分と今の自分を比較することで、「初めのうちはこんな作文を書いていたのか」「こんな簡単な単語をわざわざ辞書で調べていたのか」など、成長を簡単に実感することができます。

不思議なもので、ノートを見返している生徒の顔はいつもうれしそうに見えます。自分の成長を確認できると、誰でもこんな顔になるのでしょうね。

ちなみにこれは、ルーズリーフでは実感しにくい場合があります。ノートと違ってルーズリーフは分量が多くなるとほかの場所へ整理されることがあり、数カ月分をまとめて持ち歩く機会が少なくなるためです。こんな理由もあって、個人的にはノートと語学はとても相性がいいものだと考えています。

英語の独学に応用するには?

では、学校の外で英語学習をする私たちは日々の学習において何を振り返っていったらいいのでしょうか。

毎日実践してほしいのは、その日の学習で「何ができるようになったか」を確認することです。「今日は比較表現の熟語を覚えた」、「新しい単語を30個も覚えられた」など、知識として増えたことや新しくできるようになったことを記録したり、声に出してみたりすることで、少しだけ自分の目標に近づいたことを認識する習慣をつけてみましょう。

その際、翌日は何をするのか、何ができるようになりたいかなど小さな目標を立てて次につなげていけるとやる気を継続しやすくなります。

長期的には、先ほど紹介したノートによる振り返りだけでなく、文法問題集などで間違えたところに色を付けていくことも有効です。同じ問題集で繰り返し演習をするうちに、チェックする箇所が徐々に減っていくというだけで文法が身に付いてきたことがわかりますよね。

「その本の問題をすべてノーミスで終えられるようになったら、次のレベルの問題集に進む」と決めておけば、自分の成長が問題集の増加と重なって本棚を眺めるだけで気分がよくなるかもしれません。

最近英語の勉強に身が入らないな、と感じているときは、勉強を始めた頃のノートや、受験勉強のときに使っていた参考書などをパラパラめくってみるのもいいでしょう。単純に何ができるようになったかを確認できるというだけでなく、その当時、英語でどんなことをしたいと思っていたか、将来どんな自分になりたいと思っていたかなど、英語学習を決意したときの記憶がよみがえってくるはずです。なりたかった自分になるために、もうひと踏ん張りしようという気持ちがあふれ出てきますよ。

学習においては、できないことをできるようにするのは非常に大切なことですが、「できない」という気持ちが前面に出てしまっては、どうしてもネガティブな気持ちになってしまいます。

英語学習は長期戦です。長く続けていればやる気が出なくなることくらい誰にだってあることです。しかし、それを克服しないことには英語を極めることはできません。

どんなに小さなことであっても、「今日はこれができた」と自分の成長を肯定的に捉える習慣をつけることが、学習を次につなげる秘訣(ひけつ)と言ってもいいでしょう。

皆さんも早速今日から「振り返り」を取り入れてみてください。

 

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大竹保幹

文:大竹保幹(おおたけ やすまさ)
神奈川県立多摩高等学校教諭。1984年、横浜市生まれ。明治大学文学部文学科卒業。平成23年度神奈川県優秀授業実践教員(第2部門)表彰。文部科学省委託事業英語教育推進リーダー。趣味は読書。好きな作家はスティーヴン・キング。著書に『子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ』、『まんがでわかる「have」の本』(アルク)。