「聞き流し」より「かけ流し」!歴史で学ぶ英語習得法とは?【ブックレビュー 】

英語は歴史から学べ!

「好きこそものの上手なれ」と、ことわざにもある通り、好きなテーマを素材に学べば、英語力がどんどんアップしそう。日本史好きの英語学習者ならぜひチェックしておきたい本『英語は歴史から学べ!』を紹介します。「歴史はちょっと・・・」という方にも役立つ情報がいっぱいです!

英語は歴史から学べ!

英語は歴史から学べ!

  • 作者:鵜沢戸久子
  • 発売日: 2019/12/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

「国産バイリンガル」になれる「ウザワシステム」とは?

音読

本書の著者・鵜沢戸久子(うざわ とくこ)さんは、約50年間英語教育に携わってきた大ベテラン。本書で紹介している「ウザワシステム」は、鵜沢さんが開発した独自の英語習得法です。

小学生や中学生も、「ウザワシステム」なら無理なく学ぶことができ、「国産バイリンガル」と呼ばれるほどハイレベルな英語力を身に付けているそうです。

この「ウザワシステム」を誌上で体験できるのが本書です。

「ウザワシステム」を体験してみよう!

音声

前半の「基礎編」では、「ウザワシステム」を詳しく解説。後半の「実践編」では、卑弥呼や徳川家康、坂本龍馬など、日本の歴史上の人物にまつわる300語程度の英文が20編掲載されています。これらは、ウザワシステムで英語を学ぶための素材です。

学習法を紹介するだけでなく、素材も提供されているので、すぐに挑戦することができます。

「ウザワシステム」には、次の4つのプロセスがあります。

  1. (CDなどの)音声かけ流し
  2. 音読
  3. 意味を取る
  4. 暗記

「300語もある英文を暗記するの?!」と、ちょっと驚いたかもしれません。しかし、小学生でもこの学習法に取り組んでいるということですから、何かコツがあるのかも。

各ステップをもう少し詳しく見ていきましょう。

音声かけ流し

「英語のリスニングならもうやっていますよ」という方も大勢いそうですね。

しかし、本書で言う「かけ流し」は、リスニングとも「聞き流し」とも違います。英語を聞き取ろうと意識したり、意味を考えたりすることなく、本当に英語の音声をかけておくだけでいいのです。

コツは、毎日10分でもいいので、決まった時間に行うこと。通勤時間や、食事の支度をする時間などがおすすめ。

本当にこれだけでいいのか不安になるかもしれませんが、とにかく「日本語で意味を考えることなく、まずはひたすら聞き続けることが重要」なのだそう。

音読

次に挑戦するのは音読。素材は、「かけ流し」に使ったのと同じものを使います。「かけ流し」によって「無意識」に刷り込んだ英語を、音読によって「意識」の上に引っ張り出すためです。大きな声で、はっきり音読するのがコツ

そしてこのとき、「ウザワシステム」では、難しい英単語にカナをふった独自の「ウザワ式シート」を使います。

ウザワシステムの例1

この「カナのふり方」は、ウザワシステム独自のルールに基づくもの。例えば、author なら「オォーサァr」、literature なら「リィタラチュァr」となります。「r」は発音せず、舌を丸めてください。

いかがでしょう?ぐっと英語らしい発音になったと思いませんか?

カナがあれば、小学生でもレベルの高い英文を音読することができます。そして、カナはあくまでも正確に発音するための補助的なもの。かけ流していた英語の音声をお手本にします。

意味を取る

続いて、英文の意味を把握しましょう。ウザワシステムでは和訳ではなく、あくまでも「英語の意味を類推する」ようにしています。「英文のイメージをつかむ」という感じが近いかもしれません。

こちらの写真は、先ほども出てきた「ウザワ式シート」。一部の単語や熟語の下に、日本語で意味が書かれていますね。

ウザワシステムの例2

英語を音読していると、これらの日本語がチラチラと目に入ります。3回くらい音読すれば、その英文の意味を日本語で言えるようになっているというわけです。

暗記

最後のステップは暗記です。といっても、いきなり300語の英文を丸暗記するのではありません。次のような手順で進めていきます。

【1】テキストの英文を、すらすら読めるまで音読します。

【2】日本語訳を見て、英語に言い換えます。

できなければ、英文をチラ見してもOK。できないところを何度も繰り返す必要はなく、どんどん先へ進め、とにかく終わりまでやり通します。

【3】最後に再び、音読します。

【4】2と3を、3~4回繰り返します。音読がどんどん楽になるはず。

【5】日本語を見ながら、英語を暗記します(暗記しようとするだけでもOK)。

このステップの特徴は、完ぺきを目指さなくてよいということと、忘れてしまっても構わないということ。10~20%くらいを覚えられればOKだそうです。

そう考えると、なんだか楽になりませんか?このやり方で、いずれは英字新聞の社説のような、長い英文も暗記できるようになるそうです。

好きな人物で、英語を学んでみよう!

西郷隆盛

ウザワシステムの流れを理解したら、あとは実践あるのみ。本書に掲載されている20人の人物の中から、興味が持てそうなものに取り組んでみましょう。

これだけあれば、1人や2人は気になる人物がいるのでは?

  1. 卑弥呼
  2. 紫式部
  3. 源頼朝
  4. 武田信玄
  5. 織田信長
  6. 豊臣秀吉
  7. 千利休
  8. 徳川家康
  9. 宮本武蔵
  10. 大石内蔵助
  11. 葛飾北斎
  12. 吉田松陰
  13. 西郷隆盛
  14. 坂本龍馬
  15. 土方歳三
  16. 渋沢栄一
  17. 夏目漱石
  18. 吉田茂
  19. 松下幸之助
  20. 田中角栄

いずれも、カナや日本語が付いた「ウザワ式シート」が用意されています。また、かけ流しに使う音声は無料でダウンロードでき、パソコンやスマホで聞くことができます。

まとめ

本書で紹介している「ウザワシステム」は、よくある英語学習法とはかけ離れているので、「本当にこれで大丈夫なの?」と思う方もいるかもしれません。

「ウザワシステム」は、著者が50年にわたって英語を教える中で、試行錯誤しながら体系化してきたもの。どのステップも、本当に生徒の英語習得にとってプラスになるのか、マイナスの影響はないのか、慎重に検討しながら行ってきた結果です。

50年の歴史が詰まった英語習得法を、1冊にまとまった状態で読めるのは大変ありがたいこと。これまでとは違う英語学習法を試してみたい方や、何より「歴史が大好き!」という方は、ぜひ手に取ってみてください!

英語は歴史から学べ!

英語は歴史から学べ!

  • 作者:鵜沢戸久子
  • 発売日: 2019/12/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

ENGLISH JOURNAL ONLINE編集部

文:尾野七青子
都内某所で働く初老のOL兼ライター。まずは英語の音声をとにかく「かけ流し」してみます。