イングリッシュ・ドクター、西澤ロイさんによるラジオ番組「西澤ロイのスキ度UPイングリッシュ」とGOTCHA!のコラボ企画!この連載では、ラジオ番組のメインコーナー「英作文チャレンジ」で、番組のゲストや一般の方が Twitter で回答した楽しいフレーズを紹介します。
「スキ度UPイングリッシュ」ってどんな番組?
西澤ロイです。「スキ度UPイングリッシュ」は、英語を「スキルアップ」したいなら、その前に「スキ度(好きな度合い)をUPさせよう」、つまり、英語を好きになれば自然と英語は上達していくがコンセプトのラジオ番組です。番組のメインコーナー「英作文チャレンジ」では毎回お題を変えて、リスナーの方から英語フレーズを募集しています。
参加方法
Twitter にアクセスいただき、お題に対するあなたなりの回答をハッシュタグ「#スキ度」と「#英作文チャレンジ」を付けて、つぶやいてください。過去のお題はこちらです。
▼「スキ度UPイングリッシュ」について詳しくはこちら。
今回は、10月第5週目の放送で、パーソナリティーが行った英作文の回答や、リスナーの方々がTwitterなどでシェアしてくれた英作文チャレンジの回答を(もし誤りなどがあっても基本的に原文のまま)発表します。10月のサブパーソナリティー、バンクーバー 発音の鬼 リチャード川口先生でした。
takeのコアは「手でつかむ」こと
takeという動詞には、さまざまな意味や用法がありますが、そのコアにあるのは「手でつかむ」という動作です。
イラストは『頑張らない英会話フレーズ』(あさ出版)より
例えばtake ~’s handは「手を取る/つかむ」ことであり、takeの基本的な動作そのままです。
例:Yoko took her daughter’s hand.
洋子は、娘の手を取った/つかんだ。
選択肢が複数ある場合に、その1つをtakeするとそれは「選ぶ」ことになります。
例:We took the fastest route to the airport.
私たちは、空港まで最速のルートを選んだ。
takeという動詞は、そのような選択をする「意思」や「積極性」などをにおわせることがあります。例えば「写真を撮る」ことはtake a photo/pictureのように言いますが、シャッターは手で押すものですし、意思をもって押すのが一般的です。
例:I took a shower this morning.
今朝、シャワーを浴びました。
「お風呂に入る」ことをtake a bath、「シャワーを浴びる」ことをtake a showerだと暗記している人も多いでしょうが、実はお風呂に入ろうという「積極性」が感じられる表現なのです。
takeはhaveに近い意味を持つことも
「手でつかんだ」ものは、結果としてhaveすることになります。そのため、例えば買い物をする時に、次のように言うことができます。
例:I’ll take this, please.
これをください。
これはhaveを使ってI’ll have this, please.と言うこともできます。takeを使うことによって、「選ぶ」ようなニュアンスがより濃くなると言えるでしょう。
他にも、haveは「食べる、飲む」といった意味でも使われます。それと似ているのですが、takeは「薬」や「サプリメント」などを飲む場合に使われます。
I have been taking this medicine for 3 months. I’m not sure if it has been working or not, I said. And then the doctor said “That’s what Chinese medicine is, isn’t it?”(れべっとさん)
この薬、3カ月飲んでますが効いてるかどうか分かりません、と私が言うとドクターは、だって漢方薬ですからねぇと言った。
日本語の「飲む」の直訳からdrinkを想像する人もいるかもしれません。drinkは「液体」に対して使われる動詞ですから、錠剤などもある薬には合わないのです。
薬は基本的に手を使って飲みますし、誰もが飲むものではありません。takeがにおわす「意思」のニュアンスがピッタリ合うのではないでしょうか。
リスクを「取る」のもtake
日本語でも「リスクを取る」という言い方をしますが、英語でも動詞にはtakeを使います。やはり、「意思で選ぶ」という積極性が感じられます。
Sometimes we have to take some risks to achieve our dreams.(masa- nさん)
夢を成し遂げるためには、時にはいくつかのリスクをとることも必要だ。
なお、take a chanceという表現は、「チャンスをつかむ」という意味ではありませんのでご注意ください。chanceは「機会」や「可能性」という意味を持ちますが、ここでは「可能性の低いこと」から派生して「危険なこと、冒険」を表すのです。ですから、「一か八かやってみる、賭けて挑戦してみる」といった意味合いになります。
「移動」を表すtake
手でつかんだ「何か」を動かすと、それを「移動させる」ことになります。
It seems like going to rain, I’ll take an umbrella with myself.(masa- nさん)
雨が降りそうだなぁ。 傘持ってこうっと。
このtakeは、意味的にgo with ~に相当します。ですから何かを「持っていく」場合によく使われます。
I took my bow and arrows to Bhutan in 2008. And a member of Bhutanese Congress talked to me and we became friends.(西澤ロイ)
2008年にブータンに弓矢を持っていきました。ブータンの国会議員が話しかけてくれ、友達になりました。
移動先の「場所」を示したい場合に使われるのがtake ~ to …です。前置詞のtoは基本的に「矢印」を意味し、「行き先」を示すのによく使われますよね。対象が「モノ」であれば「~に持っていく」、「人」であれば「~に連れていく」と訳されます。
Once I forgot to take in my futon. I found that out at two in the morning.(西澤ロイ)
一度、干した布団を取り込むのを忘れたことがあります。気付いたのが夜中の2時でした。
take in (the washing)で「(洗濯物)を取り込む」という表現があります。まさに手を使って、家の中に入れますね。
You take my breath away. (masa- nさん)
あなたに夢中です。
take ~’s breath awayという表現を、イディオムとして暗記している人もいるかもしれません。「あっと言わせる」「息をのむ」などと。
まずは文字通りに意味を理解することが大切です。take ~ awayですから、「取ってどこかへやってしまう」、つまり「奪ってしまう」ような動きを表しています。つまりYou take my breath away.とは、「あなたが私の呼吸を奪う」と文字通りには言っているのです。それを日本語的には「息をのむ」と訳したりするだけです。
例えば、美しい人や素晴らしいものなどを見て、思わず呼吸するのを忘れてしまったような場合に、それを主語にしてこの表現を使ってみてください。
「時間がかかる」ことを表すtake
It takes about an hour by train from my home to the city center of Tokyo at the earliest.(とし@中野区民さん)
自宅から東京の都心までは早くても電車で約1時間かかります。
it takes ~という表現は、「時間がかかる」ことを意味しますね(「かかった」という過去の事実を言いたければit took ~)。日本語でも「時間を取る」という言い方がありますね。ただし、ニュアンス的には「必要とする」ような感じがあります。
例えばIt took one hour to go to school.(学校に通うのに1時間かかった)などの例文を覚えておくことで、あとはうまく単語を入れ替えてIt took ~ to…という表現を使うのも良いやり方です。
文法的には、to以下(~すること)が「意味上の主語」に当たります。しかし英語では、時間がかかったことこそが結論として伝えたいことですから、先に言う必要があります。そのため、仮主語itを使ってIt took…などのようにまず言ってしまうのです。
また、It took me one hour…のように、人を入れることもできます。
What took you so long?(リチャード川口先生)
何にそんなに時間かかったの?
疑問文バージョンです。非常に使える表現ですから、このフレーズのまま覚えてしまうのもありですね。
It takes guts.(リチャード川口先生)
それは根性が要ることだ。
時間以外のものを必要とする場合には、このような言い方もできる、という良い例です。他にも例えば以下のような表現もできますね。
takeを難しく考えないで!
takeは非常に便利な動詞なのですが、さまざまな用法がありますから、難しいと思ってしまう人もいるかもしれません。そんな人に伝えたい、もう1つの使い方が「(心理的に)受け取る」というものです。
Take it easy. It’s not the end of the world. We just do what we can do and then we’ll find a way.(Hiro-LYSさん)
気楽にいこうよ。世界が終わるわけではないから。できることをやれば、道が開けるよ。
easyは「簡単な」というだけでなく「気楽な」という意味もあります。つまりTake it easy.とは「そのことは気楽な感じで考えて」という意味合いなのです。
日本人は「頑張る」という言葉を好みますが、英語ではTake it easy.がよく使われます。別れ際に「頑張ってね」ではなく、Take it easy.と言ってみるのも良いでしょう。
・・・ということで、今回のお題は“take”でした。ぜひみなさんも、非常に便利な動詞であるtakeを自由自在に使えるように、たくさん練習してみていただければと思います。
それでは・・・Take it easy!
英作文チャレンジ参加方法
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あなたの名言も、この連載や番組内で紹介させていただくかもしれません!挑戦、お待ちしております♪
ラジオ番組「スキ度UPイングリッシュ」情報
ラジオ番組名 | 西澤ロイのスキ度UPイングリッシュ |
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放送日 | 毎週木曜夜8時~8時30分 (※毎週日曜夜9時から再放送あり) |
放送局 | クローバーメディア(埼玉県志木市のコミュニティFM)77.5 MHz |
パーソナリティ | 西澤ロイ(イングリッシュ・ドクター)他 |
聞き方 | 埼玉県の可聴地域(志木市・朝霞市・和光市・新座市とその周辺地域)では、周波数を「FM77.5 MHz」に合わせてください。また「リスラジ」などのアプリを使うことで、日本全国(世界どこででも)お聞きいただけます(radikoでは聞けません) |
バックナンバー |
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執筆:西澤ロイ
イングリッシュ・ドクター(R)(英語のお医者さん)。
英語への「苦手意識」や「英語嫌い」を解消し、英語が上達しない原因である「英語病」を治療する専門家。獨協大学英語学科卒業。TOEIC満点(990点)、英検4級。アメリカのジョージア州に1年間の留学経験あり。「英語感覚」や「英語の考え方」を分かりやすく日本語で伝えるスキルには定評があり、「長年の疑問がすっきり解消した!」「そんなふうに英語を捉えたことがなかった」「目からウロコ!」という多くの感動や喜びの声が寄せられている。著書に「頑張らない英語」シリーズ(あさ出版)、「TOEIC L&Rテスト最強の根本対策」シリーズ(実務教育出版)など、計9冊で累計15万部を突破。メディア出演多数。木8(木曜夜8時)の英語バラエティ ラジオ番組「スキ度UPイングリッシュ」の他、コミュニティFMにてレギュラー番組・コーナーを4本オンエア中。
公式HP:http://english-doctor.co.jp/
YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/user/990english
写真:山本高裕