英語学習の「6つのプリンシプル」とは?「第二言語習得」の本を読んでみよう!【ブックレビュー】

英語学習の「6つのプリンシプル」とは?「第二言語習得」の本を読んでみよう!【ブックレビュー】

「とにかくコツコツ努力あるのみ!」という昭和的英語学習も確かに効果はあるでしょう。でも、令和を迎えた昨今、何か効率のよい学習法が発見されているのでは・・・。そんな期待に応えてくれるのがこの本です。英語が得意な人の個人的な体験談ではなく、「第二言語習得」という研究に基づく「英語の学び方」を教えてくれます。

「英語の学び方」入門

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「第二言語習得」とは?

第二言語習得

「第二言語習得」(Second Language Acquisition=SLA)とは、母語を習得したあとに、2つ目以降の言語をどのように身に付けるのかを研究する分野。

つまり、日本で生まれ育ち日本語を母語とする人が、どうやって英語を身に付けるかという研究です。

本書の著者・新多了(にった りょう)さんは、この分野の研究者。そして、第二言語習得の研究結果を、英語学習に励む私たちに役立つよう、分かりやすくまとめたのが本書なのです。

これは読んでみる価値がありそうですね。早速チェックしてみましょう。

大切なのはやっぱり「モチベーション」!

モチベーション

仕事でも語学でも、まずは「やる気」が大切です。第二言語習得の研究でも、やはり、モチベーション(動機づけ、やる気)が、英語習得のカギを握ることが分かっているそう。

とはいえ、このモチベーションなるものは実に不安定で、長続きしないですよね。安定して持ち続けるには、どうすればいいのでしょうか。

本書によれば、その方法の一つは「理想的な将来像」を持つこと。「そんなのあたりまえじゃん」と思うかもしれませんが、これにもコツがあるのです。

カギとなるのは、「自己不一致理論」という考え方。本書では次のように説明しています。

将来の理想像と現在の自分にギャップがあると感じたときに、なんとかそのギャップを埋めようとする衝動が生まれ、行動が促されるという考え方です。

ただし、漠然と「英語できたらいいな」と考えているだけでは効果なし。

今は英語力に自信がないとしても、海外で現地の人と話したり、英語で会議に出たりしている自分を繰り返し想像することで、次第にその理想像が達成できるような行動をとるようになるのです!

理想像を思い描くときは、英語を使ってどんな場所でどんな人とどんなふうにコミュニケーションをするのか、「まるですでに実現した現実かのように」具体的に想像することがポイントです。

例えば、あなたがメーカーに勤めていて「仕事で海外に行ってみたい」と思っている人なら、「ある商材をニューヨークの有名デパートで扱ってもらうために商談に行く。この商材の良さをアピールしたい。それにはどうするか?」と、具体的に考えてみるといいかもしれません。

すると、商材の良さを説明する英語フレーズだけでなく、上代、下代、掛け率、納期、といった英語表現も必要になってきますね。英語圏でのビジネスマナーや、あいさつの仕方、興味を持ってもらえる自己紹介も身に付けたいもの。

こうして具体的に考えると、わくわくしてやる気がわいてきませんか?

知っておきたい「6つのプリンシプル」

プリンシプル

もう一つ覚えておきたいのが、英語学習における「6つのプリンシプル」です。

「プリンシプル」とは、行動の原則や指針となるもの。よく似たニュアンスの言葉に「ルール」がありますが、ルールとは一方的に決められた規則で、黙って従うしかないものです。それに対して「プリンシプル」は、それが示す指針に沿っていれば、アクションはさまざまでいいのです。

では、英語学習の「6つのプリンシプル」とは?

プリンシプル1 英語を使っている自分の姿を思い描く
プリンシプル2 ロードマップをつくり、たえず更新する
プリンシプル3 習慣的に英語を学ぶシステムをつくる
プリンシプル4 「知識」と「スキル」のバランスをとる
プリンシプル5 「インプット」と「アウトプット」のバランスをとる
プリンシプル6 「個人」と「協同」のバランスをとる

「プリンシプル1」は先ほども出てきましたね。その他についても、何となく想像がつくのでは?

特に注意を払いたいのは「プリンシプル2」です。ロードマップの作り方にもコツがあり、本書はこれも詳しく教えてくれます。

例えば、いきなり「海外出張して活躍するぞ!」と大目標を立てて英語学習を始めても、ずっとモチベーションを維持するのは難しいですよね。そこで、「海外出張する部署で活躍する」を最終的な目標として、これを、長期目標、中間目標、短期目標と細分化していきます

海外部門へ異動するにはTOEICのスコアが800点必要で、現在600点だとしたら、200点のギャップを埋めなくてはなりません。これには450時間くらいかかるといわれているので、仕事をしながらだと頑張っても半年くらいはかかるでしょうか。これを長期目標とします。

本書によれば、中期目標は3カ月くらいで設定するとよいそう。そこで「ある問題集を3カ月で完璧にする」という中間目標を立てたら、これを1カ月、1週間という短期目標に落とし込みます。こうすると、最終的に「1週間で〇ページ取り組む」という、すぐに手を付けられる実現可能な目標ができます。

また、大切なのは、作成したロードマップを「絶えず更新すること」。学習を振り返り、負担が重すぎないか、または軽すぎないかをチェックして、必要ならどんどん修正していくのです。大切なのは「ルール」ではなく、「プリンシプル」なので、アクションは変えてOKです。

こうして、実現可能なように目標を管理することで、モチベーションをさらに高め、維持することができます

まとめ

本書は「理論編」と「実践編」に分かれています。先ほど紹介した、モチベーションや「6つのプリンシプル」に関する部分は「理論編」。「実践編」ではその名の通り、単語や文法の習得法、いわゆる4技能の学習法などを詳しく紹介しています。

長期的に学習を続けていくには、「理論」と「実践」をバランスよく理解することが大切だそう。「英語力をもっと磨きたい」「やる気を維持する方法を知りたい」という方、まずは本書を手に取ってみませんか?

「英語の学び方」入門

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GOTCHA! 編集部

文:尾野七青子

都内某所で働く初老のOL兼ライター。「とにかく1日1回は英語に触れる」という低めの目標に挑戦中。何とか続けております・・・。