このところ受験者数が急増し、注目を集めている英検(実用英語技能検定)。この連載「英検すごいぜ!」では、25歳の英語講師 Kenさんに、「英検を活用して英語運用力を身に付ける方法」を教えていただきます。それでは連載第1回目、スタート!
英語講師のKenってどんな人?
はじめまして!今治在住の英語講師のKenです。
しばらくの間、英検関連の連載を担当することになりました。主に英検2級について書いていきます。今回は第1回目なので、簡単に自己紹介をさせてください!
ぼくは愛媛県今治市出身の1993年生まれ25歳で、趣味はフットサル。
高校卒業後は地元を離れ、大学では外国語学部で英語教育を専攻していました。在学中にイングランドのバーミンガムという都市に1年間留学しています。
大学卒業後、英会話教室や公立高校で英語講師としてそれぞれ1年間勤務。地元の今治で英語教室を開いたのは、2017年のことです。今までは仕事を掛け持ちしていましたが、2018年の春にようやく独立することができました。現在は仕事の傍ら英語学習ブログを運営しています。
ken-channel.com英語学習は中学に入ってから
英語については、特に早期教育などは受けていません。中学に入ってからのスタートで、最初のテストでは70点台という至って普通の成績でした。
次のテストで、試験範囲の教科書の本文を丸暗記して臨んだところ、一気に90点台に!そこからは 「教科書の英文を丸暗記する」という荒業で、安定して高得点が取れるようになりました 。こうして、テストのための暗記を通して英文ストックが増えていくうちに、高校入試の英語では満点を取るほどになっていったんです。
こういう自分自身の経験から、生徒さんには「すぐさま口に出せるレベルの英文ストックを増やすこと」を英語学習の基本として薦めています!
外国語学部に進もうと思ったわけは?
中学時代にテストで高得点を取れるようになってから、少しずつ英語が楽しくなってきたんですよね。中学校の頃の英語の貯金が大きかったことで、高校でも英語は得意で、そのまま好きになっていきました。勉強は嫌いだったぼくが、英語だけは楽しく続けられたんです。
そうしているうちに、 英語を使う仕事に就きたいと考えるようになりました 。当時のぼくにとっては「英語を使う仕事」というと英語教師や英会話講師で、漠然とした憧れみたいなのを持つようになったのが高校時代です。
そうなったら自分の中では、大学の選択肢は外国語学部一択でした。当時は英語を話したことなんか全くなかったので、「外国語学部に入ったら英語ペラペラになるだろうしカッコイイじゃん!」といった軽い期待もあったんです。
それが大学入試を突破するモチベーションになったので良かったですが、今思い返せばかなり甘い期待だったと思います。もちろん大学入学当初はなかなかうまく話せず、苦労しました。
英語を教えることを仕事にしたい!
高校時代に漠然と考えていたことが、大学で少しずつ目標として固まっていった感じです。実は大学のときに入っていた英会話サークルで、後輩に英語を教える機会があったんです。それがけっこう楽しかったのが、英語講師になろうと思った理由のなのかなと思います。
また、高校までのテストのためだけに英語を勉強していた生活が一変して、大学生活では毎日のように、たくさん英語を話す機会が与えられました。テストのためだけの勉強ではなく、実際に英語を使うことの楽しさを感じるようになったのです。
和訳したり単語を並び替えたりするためだけに英語を勉強するのはもったいない、 話すための英語の勉強を教えたいと強く思うようになりました!
自分の周りに英語を話したいと思う人が増えるのは楽しいことで、今はそのために仕事をしています。
ぼくが英検を推す理由
まずは英検2級を目指そう!
さて、これからGOTCHA!では英検についての記事を書いていきます。取り上げるのは主に2級です。なぜ2級かと言うと、 英検2級レベルまでの英語をマスターすることで英会話がぐっと楽になるから です。このことは次回の記事で詳しく書きます。
さて、ぼくは 「しまなみ英語BLOG」 という英語学習ブログを運営していますが、そこでもTOEICではなく英検関連の記事が圧倒的に多いです。
TOEICももちろん人気があり認知度も高いテストですが、それよりも英検を推す理由は、自分のレベルに合わせて細かく目標を立てることができ、学習効率が良いからなんです。
TOEICは、300点、400点というレベルの人から900点を取れるような人までが、一斉に同じ問題に取り組むテストです。高得点を取る実力がある人は、うまくテスト対策をしながら英語力も向上させられると思いますが、300点や400点台の人は、問題のレベルが難し過ぎて途方に暮れてしまうことも多いと思います。ほとんど正解できないレベルの問題をたくさん解くのは、消化不足みたいな感じがしますし達成感がないですよね。
その点、 英検は細かく7つの級にレベル分けされているので、自分に合ったレベルの問題で学習することができ、無理なく段階的にレベルを高めていくことができます 。
そして、英検が魅力的なのはやはり語彙の面です。下の級ほど日常生活に密接した語彙が出てくるのです。英検の対策を通してしっかりと語彙を身に付ければ、実際の会話で必要なかなり多くの語彙をカバーできます。
語彙以外の面、例えば文法などでも、特に 2級までの問題は英会話のお手本のような素材ばかり なので、上手く活用すれば、合格と同時に英語運用力も確実に高められます!
受験してよかった!英検1級を取得
ぼく自身は、中学で受けた3級を最後に英検からは遠ざかっていたのですが、以前からなんとなく1級に対する憧れのようなものがありました。また、TOEICも900点あればたくさんの企業から高い評価が受けられるのと同様、1級は英語の教育業界でかなり高い評価を得られます。自分は英語講師として英語教育に関わっているので、ぜひ 取得しておきたいと思うようになり、合格したのは社会人2年目のことです。
実際に英検1級に合格してみると、周りからの評価が高まっただけでなく、語彙面が大きく向上しました。やはり、受験する価値はあったと思います。
英検クラスでやりたいこと
英検のリスニング問題は、取り上げる場面が身近で、種類も豊富。本当によくできているなあと感心してしまうくらいです。リスニング問題の英文スクリプトを一度確認して終わりにするのではなく、シャドーイングやリピーティングをしたり、音読をしたりと、さまざまな活用法があります。
これらのトレーニングを地道に続けることで、各級のレベルに応じたリスニング対策をするだけでなく、 「英語を英語のまま処理する能力(スピーキングや速読にも必要な力)」をつけることができるし、自然なイントネーションも身に付きます 。
また、ライティングやスピーキングなどの問題も、実用的な英語力を身につけるのに最適。特に2級の英作文や面接の質疑応答パートなどは、英会話のトレーニングにぴったりなんです。
このように、英検対策の参考書や問題集を上手く活用すれば、テストのためだけの英語力ではなく、英語運用力も高めることができます。
合格によって達成感と自信を得てもらいたいのと、合格を目指す過程で英語力が高まっていくことを感じて欲しいという思いから、自分が運営する英語教室にも英検クラスを設置しました。
ぼくの英検クラスでは、英検合格だけを目的にした授業はしていません。 「英検合格のための素材を活用して英語力を高めていき、その結果として合格する」 ということを目指しています。生徒さんにも、ぜひそれを体験してほしいですね。
今後この連載でも、そういうスタンスで記事を書いていこうと思っていますので、よろしくお願いします!さて、今回はここまで。次回(4月20日公開予定)もぜひ読んでくださいね!
子【トーキングマラソン】話したいなら、話すトレーニング。
語学一筋55年 アルクのキクタン英会話をベースに開発
- スマホ相手に恥ずかしさゼロの英会話
- 制限時間は6秒!瞬間発話力が鍛えられる!
- 英会話教室の【20倍】の発話量で学べる!
SERIES連載
思わず笑っちゃうような英会話フレーズを、気取らず、ぬるく楽しくお届けする連載。講師は藤代あゆみさん。国際唎酒師として日本酒の魅力を広めたり、日本の漫画の海外への翻訳出版に携わったり。シンガポールでの勤務経験もある国際派の藤代さんと学びましょう!
現役の高校英語教師で、書籍『子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ』の著者、大竹保幹さんが、「英文法が苦手!」という方を、英語が楽しくてしょうがなくなるパラダイスに案内します。
英語学習を1000時間も続けるのは大変!でも工夫をすれば無理だと思っていたことも楽しみに変わります。そのための秘訣を、「1000時間ヒアリングマラソン」の主任コーチ、松岡昇さんに教えていただきます。