このところ受験者数が急増し、注目を集めている英検(実用英語技能検定)。この連載「英検すごいぜ!」では、25歳の英語講師 Kenさんに、「英検を活用して英語運用力を身に付ける方法」を教えていただきます。それでは連載第2回目、スタート!
目次
こんにちは、Kenです!今回から早速、 具体的な学習法について書いていきます。
皆さんは、英検2級が「大人のやり直し英語」の目標としてぴったりなのはご存じですか?
英検2級はかなり実用的な英語を扱っており、それをマスターすることができれば、英語で話すことがぐっと楽になります!
「英語やり直し」には英検2級がぴったり
目標がはっきりすると学習方針が決まる
まず、英語を学習するにあたって、目に見える目標を定めることで学習意欲がアップします。後述しますが、英検2級はレベル的にちょうど良いハードルとなるので、それを使わない手はありません。
漠然と「英語を学習しよう」と思っていても、何か目に見える目標がなければ、具体的にどのように英語を学んでいけばいいのか迷ってしまいますよね。
その点、 英検2級合格という具体的な目標が目の前にあれば、学習方針が自然と定まってきます 。その結果、効率よく英語力を磨くことができるのです。
英検2級はかなり実用的な良い内容なので、その対策を通して、確かな英語力を身に付けましょう!
英検2級がおすすめ
ぼくは基本的に、 これから英語をやり直す人や英会話ができるようになりたい人には、英検2級の受験をすすめています 。
繰り返しになりますが、内容が実用的なので、まさに英語でコミュニケーションをとるときのお手本のような英語が学べるからです。
例えばリーディングに含まれる 語彙問題では、日常会話で頻出する英単語が問われることがほとんど 。そのため、その対策をすることで日常会話に必要な語彙力を無駄なく身に付けることができるのです。
また、 リスニング問題では、日常会話が題材として扱われており、英会話でそっくりそのまま使えるような表現にたくさん出合えます 。
ライティングやスピーキングでは、出題されるテーマに沿った質問や答えを暗唱したり、即興で話す練習したりすることで英会話のよいトレーニングになります。
2級レベルの語彙は会話でも必須
英検2級レベルまでの英単語がすべて身に付いていれば、獲得語彙はおそらく4,000~5,000語程度になります。もちろん会話に慣れることも必要ですが、これぐらいの語彙があれば、自分が言いたいことのほとんどは英語で言い表せるようになります。
また、ぼくの実体験からも、 実際に英語話者が日常的な会話で使用している単語の95%は、2級までのレベルに収まっているように思います 。
そしてこれだけの語彙があれば、英語でどう言えばいいのかわからない単語や表現があっても、知っている単語と文法を駆使してなんとか伝えられるようになります。
このように、普段の会話で自分が言いたいことを伝えるのにも、相手の話を十分理解するのにも、英検2級レベルまでの語彙は必要です。逆に言えば、2級レベルの語彙がなければ、日常会話に不自由することが多くなってしまいます。
こうした理由から、英語を話したいなら2級レベルの語彙を身につけることは必須と言えます。一度身につけてしまえば、あとはそれを使いこなせるように会話の練習を実践するのみです。
語彙力養成におすすめの教材
おすすめの教材を3冊紹介します。ただ 単語集に関しては、デザインなどで自分の好みに合ったものを選ぶのが一番いい と思います。参考としてどうぞ。
まずは、特にこだわりがなければこれ。旺文社の『パス単』です。
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2級リスニングは英会話に役立つ
英検2級のリスニングの素材は、うまく活用すればリスニング力だけでなく、スピーキング力も伸ばせます 。なぜ2級のリスニング素材がよいのかというと、どれも状況が日常生活の一場面だからです。
リスニング問題には2種類あります。2人の話者が対話しているものと、1人の話者が話しているもので(ストーリーや何らかのアナウンス)、どちらも内容はかなり日常的。せっかくよい内容なので、テストのためのリスニング対策だけで終わらせてしまうのではなく、英語力アップのために有効活用しましょう!
「英語力アップのトレーニングを通して、2級合格に必要なリスニング力が自然と身に付いた」というのが理想ですね。
リスニングのおすすめ教材と活用法
では、リスニング対策用の教材と、それを使ったトレーニング方法を簡単に紹介したいと思います!
ぼくのおすすめはこちら。『英検2級リスニング問題120(英検分野別ターゲット)』です。
①まずは問題を解く
1回あたり、5~10問に挑戦します。まずは、英検2級のリスニング・テストの雰囲気に慣れましょう。最初から正解できなくても、焦る必要はありません。
②スクリプトを確認
答え合わせの後は、英文のスクリプトをすみずみまで丁寧に確認します。
使われている単語や表現、文法事項などは100%理解して、曖昧な箇所がないようにしましょう。
内容を完ぺきに理解できたら、スクリプトを目で追いながら、もう一度通して音声を聞きます。
③スクリプトに書き込みをする
まずは、音声の区切れ目でスクリプトにスラッシュ(/)を書き入れましょう。1文が終わるまで全く切れないこともあれば、意味のかたまりで切れることもあります。
次は、音の連結している単語同士を線でつなぎます。単語の最後の子音と次の単語の母音はほとんどがつながっているはずです。
最後に、単語の強弱をチェックします。たいてい内容後(名詞・形容詞・動詞・副詞など、単独で意味をもつ単語)がはっきり読まれ、機能語(単独では意味を持たないもの、be動詞や前置詞、助動詞など )は速く曖昧に読まれます。
スクリプトを見つつ、音声を1文ずつ止めながら聞き、強く読まれる単語をマルで囲んでみてください。英語特有のリズムが一目で理解できるようになり、それを見ながら音読練習を行うことで英語のリズムが自然と身に付きます。
それはリスニングにはもちろん、スピーキングにも役立ちます!
書き込みは必須ではありませんが、リピーティングやシャドーイングなどの音読練習をより効果的にするのと、英語の音声の傾向を理解するのに役立ちます。 英語の音声の仕組みを理解した上で、音読練習をするとぐっと効果が上がるんです 。
④シャドーイングに挑戦
ぼくが最も推している学習方法が、シャドーイングです。シャドーイングを何回もやると、同じくらいの速さのものならだいぶ楽に聞き取れるようになりますし、スピーキング力も向上します。
やり方は簡単。 お手本の英文の音声を聞きながら、1、2語遅れて聞こえた通りの音を口に出して言います 。
お手本に影のようにピタッとくっついていくから、シャドーイング(shadowing)なんですね。
音声をそのままそっくりまねることが大事です。英語のカラオケだと思って完コピを目指してください。
⑤高速で音読する
シャドーイングで、英語の音声がしっかりと口になじんできたら、「高速音読」に挑戦してみましょう。シャドーイングで正しくできるようになった発音、強弱リズムなどは崩さずに、その範囲内でできるだけ早く音読します。
発音やリズムを疎かにしないよう、気を付けてください。
正しい発音やリズムで速く音読ができるようになれば、通常のリスニングの音声がかなりゆっくりしているように感じられます。
ちなみに、音読やシャドーイングは速読の練習にもなります。
「速読は英会話と関係ないのでは?」と思うかもしれませんが、返り読みをせず、英語を英語のまま処理する力は、実際の英会話で必要な力でもあるんですよ。それを身につけるトレーニングとして、シャドーイングは最適なんです。
まとめ
今回お伝えした通り、英検2級は、レベルが実用的であることから、大人のやり直し英語の目標として最適です。
特に語彙は、日常会話でよく使用されるものが多いので、英検2級対策を通して、英会話に役立つ単語をたくさん身に付けることができます。 せっかく勉強するのですから、ぎりぎり合格ではなく、少なくとも語彙問題では9割正解を目指しましょう!
また、リスニングの素材も英会話のお手本のようなものばかり。聞きっぱなしではもったいないので、一度解いた問題の音声は、この記事で紹介したように音読トレーニングでしっかり活用してみてください。
英語スピーキングに必要な力を向上させながら、合格に必要なリスニング力も自然と身に付いてくるはずです!
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