『Mr. Evineの中学英文法を修了するドリル』 などでおなじみのカリスマ英語講師Mr.Evineが、なぜ英語ができないのか、どこで引っかかっているのか、英語が苦手な大人のために学習のヒントになるコラムをお届けします。

第６回 やり直し英語におすすめの書籍

皆さん、こんにちは、Evineです。

いきなりですが、

何（どんな書籍）からやればいいですか？

これは、やり直し英語学習の専門を自負するEvine塾の生徒さんのお悩みの中でも、ダントツで多い質問です。

これまでのコラムの中でも、学習の優先順位は色々と書いてきましたが、今回は 具体的な 学習ツールとして「やり直し英語」にオススメの書籍と動画をご紹介したいと思います。

まずはテストを受けてみよう

早速ですが、以下の「目指せ９割！ ５分でできる中学英文法の定着度テスト」にチャレンジしてください。

gotcha.alc.co.jp

このテストの結果別に、おすすめ書籍をリストアップしました。

判定 の方向け書籍">Not passed（43点以下） 判定 の方向け書籍

このレベルの方は、まずは会話に最低限必要な英文法のベースを作っておく必要があります。

余白も十分で見やすいレイアウトです。またイラストも多く視覚的に理解できます。ストレスフリーで入門レベルを気軽に押さえておくには抜群です。

演習の解説が物足りないのと、肝心の演習が 少ない のが難点ですが、基礎の基礎を構築するために、どんな要点を押さえるべきかを、参考書的に活用して 整理する のがオススメです。

中学１年の入門レベルのみに焦点を当てた「参考書＋ドリル」本です。会話を意識した英文法の解説とそれに対する演習をセットにしています。

拙著シリーズの中では、ゼロからスタートされた、特に40代?50代の生徒さんから非常に好評です。

フォントサイズも大きめで、初見の単語にはあえてカタカナで発音ルビを打っており、本当に初めて英文法学習をされる方のために執筆しました。音声CDも活用すれば、スピーキングに紐付いた音読練習も可能です。

判定 の方向け書籍">Passed（44点以上） 判定 の方向け書籍

中学３年間の中でも日常会話やTOEIC（意外とTOEIC受験対策本として利用されているケースを多く耳にします）、英検対策にも効く英文法単元を網羅した「参考書＋ドリル」本です。

すべての演習に懇切丁寧な解説と、日本人学習者にフィットする「５文型」と「品詞」をあえて序盤で積極的に扱っているポイントも読者から支持されています。

演習で用いた英文のPDFファイルや音声（MP3）ダウンロード特典も読者向けについてきますので、ただ解くだけではなく音読もすることで定着効果が高まります。

いや、この手の学習本はもうやってるし、持ってるよ、という方は次の一冊をオススメします。

ポイント解説（ネイティブスピーカーのニュアンスに基づいている）、ポイントに焦点を当てた例文、そしてポイントを応用したちょっとこなれた例文の３ステップ構成で、左に英文、右に対訳が載っており、日本語から口頭英作文もやり込める、そのメソッドが素晴らしいです。

そこまで解説が詳しくないというのが弱点ですが、覚えたポイントを利用してとにかく発信してみようというコンセプトがgoodです。一から、中学レベルを総ざらいしたい学習者は上の『Mr. Evineの中学英文法を修了するドリル』をお勧めします。

タイトルそのままですね。朝から就寝まで、会社やプライベートのいろんな場面で使いたくなる表現が満載です。とっさにどう表現したらいいのか、英会話に自信がない学習者さんは、この書籍にある表現をまずは頭に入れておきましょう。手元に持っておくのではなく、やり込んで身につけてください。

この手の英会話表現集の利用方法ですが、丸覚えしてそのまま使おうとするのではなく、学習した英文法の知識を利用して、主語の部分や他動詞の目的語（名詞）を差し替えるなど、自分の生活にフィットした表現にカスタマイズすることが重要です。

www.nhk.or.jp

これは教材ではなくテレビ番組ですが、大人も十分に活用出来るクオリティーで、日常会話表現満載です。

まずは日本語でしっかりとストーリーを理解した上で、英語音声に切り替えてみましょう。生きた英語のリスニング教材として積極的に活用してください。子ども番組とあなどるなかれです。

番外編

日常会話に必要とされる中学レベルの英文法の知識が 不足 しているのか、問題ないのか、 そもそも 自分の現状が明確でない方にオススメです。

誤答問題を記録表に記入することで、正答率が低い英文法単元がクリアになり、ポイント解説で弱点補強ができます。

小難しい引っかけ的な問題は基本的にありませんので、ストレスなく隙間時間で確認したい学習者向けです。

タイトルから、いわゆる優しいやり直し系の本を想像しますが、むしろ中級レベルの学習者に適しています。

４技能のベースとなる英文法を学習した後に、発信力を養うトレーニング書として利用出来る教材として書いたものです。「ある程度勉強したけど、なぜ話せるようにならないの？」と悩まれている方はぜひ！スピーキング力につながる英文法の学び直しができる一冊です。

セサミストリートキャラが1300語以上の単語や表現を愉快に楽しく説明してくれます。基本的には日常会話のベースになる中学英語のレベルですが、アメリカの幼児や小学低学年を対象とした生活用語などは、日本の中高生の弱点になっており、それを補強することができます。

語彙をリストアップしただけではなく、例文が豊富で読解ツールとしても使えます。

I Hear Thunder | Nursery Rhymes Songs Collection | From HooplaKidz

こちらは Nursery Rhymesという、YouTubeのWebチャンネルです。

日本でもおなじみの童話（マザーグースなど）をたくさん集め、ユニークなアニメーションで紹介しています。定番のABCソングからオリジナルソングまで、種類も豊富です。

基本的に幼児対象ですが、リスニング力が 不足 している学習者が、リスニングの体幹を鍛えるイメージで十分に利用できます。

英語は使ってなんぼ

英単語やフレーズをある程度まとまった量を覚えることはとても大切ですし、中学レベルの英文法知識は「読む」「書く」「聞く」「話す」の４技能を支えるベースに必要不可欠です。これを抜きにして次のステージには進めません。

ただし 、これらの学習は「リアルな経験」の前段階であり、実際の発信経験を積まない限り、学習した知識は active な状態にはなりません。

例えば、英文法演習などでいくら並び替え問題や選択問題をこなしたところで、それは知識の構築や 整理 整頓に過ぎません。演習のような問題形式でリアルな会話は進んでいくわけではありませんからね。最終的な仕上げとして、話してみてなんぼの世界です。

新しい英文法知識や語彙を習得したら、積極的に使ってください。駅で電車の乗り方に困っている外国人観光客の道案内をしてあげるなど、英語を話す機会は自分でいくらでも作れるはずです。

余談ですが、うちの息子たちに新しい挨拶表現を覚えさせたら、散歩がてら神戸（僕の地元）の観光地に出向き、外国人を見かけたらとにかく英語で挨拶してこい、何人に返事がもらえるか兄弟でチャレンジしろとやったことがあります（たまに日本人に話しかけてましたが）。

子どもはただひたすら親の勝手なミッションに付き合わされたわけですが、我が子を見て感心させられたのは、こちらから声をかけて自分の知らない英語で相手が返事をしてきたらという無駄な不安を抱かないことです。大人はなかなか難しいですよね。でも「英語を話す意志があるんだ」と示すこと、ここは大切にしていただきたい学習姿勢ですね。

「意外とできない中学英語」をテーマに全６回お届けしましたが、このシリーズのコラムは今回で最後です。記事が皆さんの英語学習の一助になれば幸いです。
Thank you !

Mr. Evineの文法文法ドリル

※『Mr. Evine の中学英文法を修了するドリル』の音声は、スマホアプリの booco で聞けます。