英語学習法のベストセラー著者、西田大先生が選んだTED動画のベスト3です。自分のレベルに合った選び方、英語学習にTEDをすすめる理由も解説していただきます。
目次
英語の勉強にTEDをすすめる理由
英語圏で制作された映画やドラマを英語学習に取り入れようとする人は多いですが、挫折してしまう人も多いようです。挫折の理由として、時間と内容の問題が挙げられると思います。
映画で英語を勉強するのが難しい理由
まず、1作品見るのに2時間程度の時間が必要になります。常に2時間のまとまったフリータイムを確保できる社会人がどれほどいるでしょうか。
また、せっかく英語学習のために映画やドラマを見始めても、地方独特の方言が多く含まれていたり、あるいは専門用語や高レベルの語彙が含まれていたりして次第に理解できなくなり、結果的に「画像を見て聞き流すだけ」となってしまう人も多いと思います。
こういった問題がありますので、私は基本的に映像を使った英語学習は強くおすすめしていません。
それでも生の英語を用いて英語学習をしたい人には、私はTED Talksをおすすめします。
TEDは短くて手軽なものが多く、モチベーション維持にも最適
TED Talksとは、あらゆる分野のエキスパートによるプレゼンテーション動画を見ながら学べる、無料の動画配信サービスです。
10年ほど前にサービスが開始されてから、政治学や経済学、教育学、心理学から宇宙科学、生物学まで、非常に幅広いコンテンツが視聴できることから人気を集めています。
TED Talksの特長の一つはその手軽さです。スマートフォンさえあればいつでもどこでも利用可能で、しかも視聴料がかかりません。また、多くの映像が10分から20分程度と短く、中には3分程度の映像もありますので、電車での移動中やちょっとした空き時間に視聴できます。
また、テーマがバラエティに富んでいることも特長です。現在、TED Talksのサイトでは、2,000本以上の動画が視聴可能です。視聴している途中に、どうしても興味が湧かなかったり、理解するには難しかったりすれば、豊富なコンテンツの中から、他のより興味深い映像に切り替えることもできます。
TED Talksの持つ特長は、「英語を学び続けるぞ!」というモチベーションを維持するにも、非常に役立ちます。内容に興味を持てる教材で英語を学べるというのは、学習者にとってとてもいいことだと思います。
自分に合ったTEDの選び方
それでは、英語学習に役立てるために、TED Talksの動画をどのように選べばいいのでしょうか。日頃TED Talksを活用していますが、いつも次に述べる二つの基準しています。
- 自分の興味が湧く作品を選ぶ。
- 自分の英語レベルに合った作品を選ぶ。
この二つを心掛けています。TED Talksには2,000本以上の動画があるわけですから、皆さんの興味が湧く動画がまったく存在しないということはないでしょう。問題は、その探し方です。
TED選びのコツ(1) Topics別の検索で、自分の好きなテーマを選ぶ
私が学習者の皆さんによくおすすめするのが、Topics別の検索を行うことです。
TED Talksでは、すべての映像が400程度の分野に分けられているので、自分が興味を持ちそうな映像を、効率的に見つけ出すことができるでしょう。
メニューの「DISCOVER」から「Topics」を選択すると、図のような画面が表示される。
ここで、TED Talksが扱ういろいろなテーマを一覧できる。(編集部)
TED選びのコツ(2) 字幕とテキストでレベル感を探る
次に問題となるのは、自分の英語レベルに合った作品の見つけ方です。ここは判断に迷う人も多いのではないでしょうか。
判断基準を「語彙レベルが自分の英語レベルと合っているか」に置くと動画をうまく選べますので、皆さんにもぜひ試してもらいたいと思います。
TED Talksには、それぞれの動画にSubtitles and Transcript(字幕とスクリプト)がついています。英語圏のスピーカーであれば、英語とその他の言語(日本語があるものも多いです)で字幕とスクリプトが付いています。これらを参考にして、語彙レベルが自分に合っているものを選ぶようにしましょう。
知らない単語や読めない単語は、いくら聞いても聞き取れるようにはなりません。
初心者におすすめのTED 3選
どうしても自分で選べないという英語学習初心者の方のために、語彙レベルが高くなく、音声も聞き取りやすい作品を3つ紹介しておきます。
- Sebastian Thrun: Google’s driverless car (グーグルの自動運転についてです)
- Matt Cutts: Try something new for 30days (長続きしない人は、この映像に学ぶことが多いと思います)
- Jessi Arrington: Wearing nothing new (洋服を買わずにいられない人は必見!)
Google’s driverless car
こちらは、スタンフォード大学のAI研究者、セバスチャン・スランがグーグルの自動運転(Google's driverless car)について語る動画。自動運転される車の様子ももちろん魅力的ですが、自動車事故で命が失われることのない世界を目指す、という氏のメッセージにも強く引き込まれます。4分14秒と短めなのであっという間。
Try something new for 30days
ウェブに興味のある方は検索の専門家としておなじみのマット・カッツ氏が語るのは、新しい事を30日間続けてみる(Try something new for 30days)、という「ちょっとした挑戦」の効用。自身がいろいろなことにトライした様子をユーモラスに紹介してくれます。こちらも5分弱。
Wearing nothing new
新しくないものを着る(Wearing nothing new)というプレゼンをするのは、色とりどりの服を着るのが大好き!というデザイナーのジェシー・アーリントンさん。TEDでの講演のための旅行にも、下着だけを持参し、現地の古着屋さんで衣装を揃えたそうです。スライドにも、鮮やかなスタイリングが満載で、とても楽しいです。上の二つほどでありませんが、6分以内とこちらも短いです。(編集部ここまで)
興味も大事だが、自分のレベルに合うことはさらに大事
動画を選ぶ際に、自分の興味が湧くものと、自分の英語レベルに合ったもののどちらを優先すべきか迷ったら、英語レベルが合う作品にすべきです。
英語レベルの合わない作品を用いて学習することは、スケート未経験者が三回転ジャンプに挑戦することや、サッカー初心者がいきなりブラジル留学に行くようなものです。
西田先生の英語アドバイス、詳しくは連載『英語力はメンタルで決まる』をごらんください。
TEDについては、TOEIC目線で選んだこちらの記事もおすすめです。
構成・編集:ENGLISH JOURNAL編集部
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