ドラマやコミックなどでも話題の囲碁の考え方
現在放送中のドラマ『 HOPE ~期待ゼロの新入社員~』(フジテレビ)に、囲碁を人生の局面にたとえた表現がたびたび出てくるのが話題になっていますね。
主人公の一ノ瀬歩(Hey!Say!JUMP 中島裕翔さん)が、囲碁のプロ棋士になることに挫折し、商社に就職したという設定から来るものなのですが、仕事で勝負に出るときや、失敗したときの捉え方などを、囲碁の勝負になぞらえて主人公が考えているシーンがとても印象的なのです。
ドラマ『 HOPE ~期待ゼロの新入社員~』は韓国のコミック『未生-ミセン-』が原作なのですが、韓国では原作が200万部突破の大ヒットとなり、2014年に放映されたドラマ版はケーブルテレビ歴代視聴率第2位という記録を打ち立てて、社会的現象を起こしたそうです。日本版のコミックも出ているので、日本にも『ヒカルの碁』以来の囲碁ブームが来るかもしれませんね。
世界最強の囲碁棋士の考え方とは?
そんな話題のドラマ『 HOPE ~期待ゼロの新入社員~』の原作コミックや韓国版ドラマに、曺薫鉉(チョ・フンヒョン)さんという囲碁棋士が印象的に登場するのですが、実はこの方、世界最多勝、世界最多優勝を誇る「囲碁の皇帝」と呼ばれる韓国囲碁界の伝説的棋士だそうで、囲碁界で知らない人はいない超有名人だそうです。
その曺薫鉉(チョ・フンヒョン)さんが語る言葉を見てみると・・・
目の前の利益に目がくらんでしまうと、三つ四つ先の手も読めなくなる。だからきちんと読むということは、心の中に湧き上がる欲を 捨てる ということだ。
人は現実に不満を持つと、どこか別の場所に行けばもっと良いはずだと漠然と考える。しかし私が悟ったのは、今ここ、この瞬間こそが最高の環境だ。不満を持ち環境のせいにしていれば、何も変わらない。しかし今ここが最善の場であると考え、夢のために必死に努力すれば、変化が始まる。
私より少しでも経験を積んだ人は、その分多くのことを知っている。先生はだてに先生なのではない。上司はだてに上司になったのではない。彼らは私よりもっと高いところからこの世を見ているのだ。(中略)傲慢になった者は、決して名人にはなれない。自分が 不足 していることを知り、学び続ける努力をする人だけが名人になれる。どうでしょう? 囲碁の話・・・というより、人生をどう考え、どう生きるかという人生哲学に見えてきませんか?
伝説的棋士の考えから、人生哲学を学べる本
「どのような碁を打つかは、この世の中をどう生きていくかという、自分なりの宣言だ」と語る曺薫鉉(チョ・フンヒョン)さんの、さまざまな棋士たちとの戦いから導き出された 「選択の瞬間に『最高の一手』を打つ考え方」を学べる書籍 が出ました。
最後にもう1つ、曺薫鉉(チョ・フンヒョン)さんの考え方をお届けします。ご興味がある方はぜひ手に取って読んでみてくださいね。
すべての発見は質問から始まる。「なぜこうなるのか」「他の方法はないか」「これが本当に最善の策なのか」、こういった質問をしなければ、考えは始まらないのだ。(中略)「なぜ」という質問が浮かんだ瞬間こそ、今よりもより良くなるチャンスの到来だ。この機会を逃す手はない。集中して考えることだ。すべてのことには必ず根本的な理由があり、必ずより良い方法が存在する。
文:Natsue Tanaka
GOTCHA!エディター/ライター。子どもの英語教育に関する月刊誌の編集を長年担当。ドッグヨガ実践中。
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