2日間で英語が話せるようになる「イングリッシュブートキャンプ」。そのメソッドが分かる無料のオンライン動画講座を「ハマー」の愛称でおなじみ、TOIECテストのカリスマトレーナー、濱崎潤之輔さんが検証・解説します。
濱崎潤之輔(はまさきじゅんのすけ)
大学・企業研修講師、書籍編集者。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。明海大学や獨協大学、ファーストリテイリングや楽天銀行、SCSK、エーザイなどの企業でTOEICテスト対策研修講師を務める。これまでにTOEICテスト990点(満点)を50回以上取得。TOEICテスト対策合宿・セミナーなども開催。著書に『マンガで攻略! はじめてのTOEIC(R)テスト全パート対策』(西東社)、『中学3年間の英語が1冊でしっかりわかる本』(かんき出版)、『TOEIC L&Rテスト990点攻略 改訂版: 新形式問題対応』(旺文社)など多数。
英語が話せないのは、英語の知識が足りないからではなく、英語を実践で活用するトレーニングが圧倒的に 不足しているから。そんな理念のもとに運営される「イングリッシュブートキャンプ」。そのプログラムの根幹を成す理念&メソッドが、インターネットで無料公開されていることをご存じですか。ウェブサイトには10本、計60分の動画が掲載されており、そのキャッチフレーズは……
60分で英語が話せるようになる!
それって本当なんでしょうか。その真偽を確かめるため、「ハマー」こと濱崎潤之輔さんに60分の動画を見ていただくことにしました。
ハマーさんの初めの一言
プログラムが伝えていることに心から共感しています
最初は正直、このビデオプログラムが無料でウェブに置いてあることに驚きました。ここでのレッスンは、普通の英会話教室が教えていることと強烈に異なります。動画1つ1つで説明されていることは、このスクールの肝となるノウハウのはずです。それを無料で公開しているとは。
言い方は教えても、その時に目を合わせろだとか、事細かく「実践」で通じるためのノウハウを教え込む英会話教室は、私は他に知りません。「誰でも少しの工夫ですぐに英語が話せる」「怖がらずに英会話にチャレンジしてほしい」――私は60分の動画を見て、プログラムが伝えていることに心から共感しています。
私が教えている大学の生徒たちにも、まず、これを見なさいと今後勧めたいと思います。英会話を始めたい方、英会話でつまづいている方、英会話力を伸ばしたい方に、ぜひ視聴をお勧めします。
それでは、ハマーさんが驚きを隠せなかった60分の無料動画を1つずつ確認していきましょう。
Step 1 自分の英語の実力を把握する
第1ステップで学ぶのは、自分の英語力を知り、知っている英語を活用してとにかく話すこと――「Second Best English」で話すことです。ある言葉を知らなくても、それを知っている言葉を駆使して説明できれば、コミュニケーションは図れます。
学校の英語のテストのように満点である必要はありません。どんどん話していくうちに、間違いを気にすることなく英語が口から出てくるようになります。
ハマーさんはこう見る!
「知っている英語で話す」は英語上達のための第一歩
中学高校で習った英語の知識があれば、確かに日常会話程度の英語は話せるはずです。でも、英語は流暢に、完璧に話せなければいけないという先入観が、英語を話すことを邪魔しています。もちろん、最終目標は流暢で完璧な英語で構いませんが、最初の目標はもっと手前に置くべきでしょう。
だからこそ、「知っている英語で会話をする」というのは、本当の意味で英語が上達するための最初のステップだと思うんです。簡単な英語でコミュニケーションを図り、それに対して相手が反応してくれた!という体験をすることが大事ですね。
Step 2 日本人のコミュニケーションの癖を知る
ここで学ぶのは、コミュニケーションのモードを「Japan」から「Global」に切り替えることです。日本人のコミュニティーは「High Context Society」、つまり「前後の文脈に高度に依存した社会」なのだそうです。「あうんの関係」というのでしょうか。
でも、この「言わなくてもわかる社会」は日本ならではのものです。英語社会は多文化社会で、バックグラウンドの異なる人が集まっています。黙っていてはいつまでたってもコミュニケーションは始まりません。
ハマーさんはこう見る!
英語を話す人の、物事の伝達法が学べるのがいい
英語で何かを伝えたいとき、それは日本語で伝えるのとは方法が異なります。英語を話す人達がどんなふうに物事を伝達するのか。そのコツを学んで理解できるのがいいですね。逆にこれを知らないと、いつまでたっても日本語を話すように英語を話す癖が残ってしまいます。それでは必要以上に上達に時間がかかってしまいます。
Step 3 相手の注意を引く話し方を身につける
ここでは、相手に「聞きたい」と思わせる話し方を習得します。
大人も子どもも、赤ちゃんであっても、誰もが忙しい――。ある調査によると、何かをやっているときでさえ、人はそのうち47パーセントの時間を、ほかのことを考えることに費やしているのだとか。
聞いてくれていないなら、聞きたいと思わせる注意の引き方を身につける必要があります。その鍵となるのは「Confident Voice(自信に満ちた声)」「Gestures(身振り)」、そして「Eye contacts(アイコンタクト)」です。
ハマーさんはこう見る!
相手が聞いてくれる雰囲気を積極的に作ろう!
相手が忙しそうにしていたり、話を聞いてくれていなかったりすると、話す方も「自分の話はつまらない」と思ってしまいますよね。逆に相手が一生懸命耳を傾けてくれれば、自分も一生懸命話したくなる。
ここで学べるのは、相手が話を聞く雰囲気になるのを待つのではなく「自分から積極的に作り出していきましょう」ということ。「グローバルモード」として欠かせない姿勢の一つだと思います。
Step 4 アクティブに英語を回す
伝えたいことがあるのに、次の言葉が出てこない。間をつなぐ表現を知らないと、沈黙が続き、結局、会話がそのまま終わってしまうこともあり得ます。“ Well ...”や“Let me think ...”といった表現をうまく使い、「会話はまだ続いています」と巧みに意思表示をすることが大事です。
そして、話を聞いている側は、黙っていたとしても「聞いていますよ」と身振りなどで示さなくてはいけません。相手が投げたボールを自然に、タイミングよく打ち返す方法を身に付けておきましょう。
ハマーさんはこう見る!
「間をつなぐ」ことは会話に欠かせません
次の言葉が出てこないとき、「ちょっと待って」とサインを送れることは、会話をスムーズに回すうえで非常に大切です。言いたいことが止まっても、「これを言っておけば次がつなげられる」という手段を持っていないといけません。「言いたいことを言いましょう」だけでなく、「言えなくなったときにどうするか」を教えてもらえる機会は貴重だと思います。
そして相づち。これは「相手の注意を引く話し方を身に付ける」と対になっている要素です。自分が一生懸命聞いていることを相手に示す。これは、相手から有益な情報を引き出し、親密に感じてもらうためにも欠かせないことです。
Step 5 印象的な自己紹介法を身に付ける
『人は見た目が100パーセント』という漫画がありました。見た目だけではないかもしれませんが、ビジネスの現場や普段の出会いの場で、第一印象はとても大事です。
相手に好印象を持ってもらうための「出会い方」や、記憶に残る自己紹介の仕方が身に付けば、見た目と合わせて「100パーセント超」になるかもしれません。相手と打ち解けるための質問などもたくさん仕込んでおきましょう。
ハマーさんはこう見る!
心を開いて信頼を築く。コミュニケーションの根幹です!
たとえば握手の仕方だったり、相手の目を見て笑いかけることだったり。これは英語に限らないことだと思いますが、相手への関心や信頼を、言葉ではない部分から伝えることは、コミュニケーションの根幹を成すものです。
自己紹介の仕方については、実は私自身、あまり深く考えたことがありませんでした。ただ単に名前を言って出身地を伝えてという形式的なものではなく、自分の心を開いて自分を相手に受け入れてもらうための自己紹介をする。このような考え方を最初に知っておくと、人とのきずなをより深めることができますね。
Step 6 分からなければ質問する
分からなくても分かっているふりをして笑顔で黙る。そんな経験はありませんか。分からなければ、分からないことを相手にしっかり伝え、2度でも3度でも説明してもらい、コミュニケーションをしっかりと成立させましょう。
ただし、むやみに相手の発言を中断するわけにはいきません。どんなタイミングでどのように相手を止めればいいのかを、トレーニングを積んでしっかり体得しましょう。
誰もが直面する問題を最初に解決できることは大きい!
「質問したいのにできない」「質問するタイミングがわからない」というのは、英会話の勉強を始めたばかりの人であれば、誰もが直面する問題かもしれません。「分からなければ質問しなさい」とは言われても、タイミングが分からなければ質問のしようがない。言葉を発せず「表情で止めてもいい」とまで教えてくれているのは、目からウロコでした。
Step 7 情報をグローバルモードで伝える
「起承転結」という言葉があるように、日本語は結論が最後に来ることの多い言語です。しかし、その構造をそのまま英語に持ち込むことはできません。結論から情報を整理し、率直に伝達する方法が必要となります。
ハマーさんはこう見る!
すぐに頭を「グローバルモード」に切り替えるための基本です
これはプレゼンテーションの基本ですね。日本人の場合、長々と話して結論を最後に持ってきてしまいがちです。最初に結論を持ってくることは、考え方さえ知っておけばそれほど難しいことではありません。最初に学んでおけば、実際に英語を話すときにすぐ「グローバルモード」に切り替えられますね。
Step 8 間違いを恐れず積極的に発言する
他者を尊重すること。違いを大切にすること。コミュニケーションで最も大切なのが、この2つではないでしょうか。違いを大切にしたうえで、自分の意見を積極的に発言する。自分の考えを人と共有することで、コミュニケーションの満足度は格段に高くなります。
相手と違う情報を持っていることを武器にしよう
自分ひとりが持っている情報なんて非常に少なくて、周囲の人から得られる情報のほうがはるかに多い。海外の人たちとやりとりできるようになったら、得られる情報量はその比ではありません。
どんどん発言して情報を提供し、相手から多くの情報を引き出す。そんな姿勢を最初に身に付けることができたら、コミュニケーションを取るうえでの大きな武器になります。普通の英語教室では教わらない、英語が話せるようになるための秘訣がこの動画に凝縮されている気がします。
まとめ:今すぐ英語で喋れる「60分講座」を受講しよう!
たった2日間で喋れる「イングリッシュブートキャンプ」のエッセンスを60分に凝縮した動画講座を見たら、今すぐ街に出て英語を使って見たくなること間違いなしです。
「伝えたい」が最も大切。忘れないで!
英語と話すときに最も大事なのは、「伝えたいことがある」ことです。きれいな発音や難しい語彙を知っていることは、最終目標として意味のあるものですが、この目標を達成するためには、まず英語を母語としている人たちとのつながり方を知ることだと思います。そんなことを第一に教えてくれるのがこの動画講座です。
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english-bootcamp.comハマーさんがイングリッシュブートキャンプの秘密を分析!
「イングリッシュブートキャンプ」の詳細はこちらから
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企画・構成:GOTCHA!編集部
濵﨑潤之輔さんの新刊!『観光客を助ける英会話』
困っている外国人観光客を手助けしよう!
困っている外国人観光客を手助けするためのシンプル英語を学ぶ本です。街中や観光地で、外国人が困っているらしい姿を見かけたことはないでしょうか。たとえば、道に迷って目的地にたどり着けない、駅構内で乗るべき電車が分からない、飲食店で日本語のメニューしか用意されておらず注文できない、など。そんな場面で、なんとか力になりたい、と思ったことがある方は少なくないはず。本書はそんな方々が対象読者です。
●英語に苦手意識があっても大丈夫
本書は、英語に苦手意識がある方、学生時代に学んで以降、ずっと英語から離れていた方などを想定して、そうした方々が無理なく使えるように、1つの文のワード数はできるだけ少なくしました。シンプル英語だから、英語が初級レベルでも学びやすく、そして忘れにくいです。
●40場面、240フレーズを収録
外国人観光客と比較的多く遭遇するであろう、駅、観光スポット、小売店、飲食店などの代表的な40場面を選び、計240のフレーズと、そのフレーズを使った対話例を収録しています。たとえば以下のようなフレーズです。
「途中まで一緒に行きましょう。」
「観光案内所で無料Wi-Fiを使えます。」
「スマホにQR コードを表示させてください。」
「食物アレルギーはありますか。」
1人ですべてを解決できなくても、一次的な対応をする場合に使える表現や、英語ができる人につないであげる際に使える表現も収録しています。付属音声で練習して、実際に街中で使ってみましょう。