ビジネス分野での活躍を目指している方は、GMATへのチャレンジがおすすめ。GMATは、経営学修士の学位習得を目的とした「MBA留学」のための試験(審査)です。今回はGMAT対策の名著「GMAT®重要単熟語」を紹介します。
英検やTOEICへのチャレンジが落ち着いて、次の目標を探している方もいるのではないでしょうか。
英検・TOEICで英文法全般に自信が持てたら、ぜひ目的別の英語学習に切り替えていきましょう。
特にビジネス分野での活躍を目指している方は、GMATへのチャレンジがおすすめ。GMATは、経営学修士の学位習得を目的とした「MBA留学」のための試験(審査)です。
今回はGMAT対策の名著「GMAT®重要単熟語」を紹介します。
次の目標に迷っている方は、選択肢を増やすためにぜひ参考にしてみてください。
そもそもGMATとは?
「経営学修士」を取得するために海外の大学・大学院へ学びに行く「MBA留学」の入学審査の1つが、GMATです。
そしてMBA留学は、経営に関する幅広いスキルを習得するための手段。そのためGMATは社会人や経営者層が主に受験しています。
GMATには数学の科目もあり、英語力だけでMBA留学の可否が決まるわけではありません。しかし海外の大学でハイレベルな授業についていったり、学生同士で英語でディスカッションしたりすることを考えると、英語力UPは必須です。
「GMAT®重要単熟語」に収録されている語彙の難易度
GMAT自体が経営について学ぶことを前提とした審査であるため、語彙の難易度も高めです。
ウォーミングアップの章でさえ、中学生あたりで習った「カタカナの読み方からなんとなく意味を連想できる」ような単語は収録されていません。
MBA留学を希望する人は、日本人に限らず世界中に存在します。英語が母国語であるライバルと競うことになるため、「GMAT®重要単熟語」の収録語彙・GMATの出題語彙も非常にハイレベルです。
対して、GMATとよく並べられるIELTS・TOEFLは、英語を母国語としない人が実力を示す試験。つまり、GMATはIELTS・TOEFLよりも難しく、この2つの試験のネクストゴールとして取り組む人が多いです。
とはいえ、語彙のレベル感として、僕は英検1級よりははるかに簡単であると感じました。
本書の特徴的なところ
本書の具体的なポイントも確認していきましょう。
GMAT対策に特化した単語帳ですが、ビジネスや社会的なテーマに関する語彙を強化するのにも使えるような内容です。
「経営には興味がない」「留学するつもりはない」という方でも、自分にあったポイントがないかぜひ確認してみてくださいね。
①大量の語彙をインプットできる
本書に収録された見出し語数は、3,989。数字だけでは収録語彙の多さとしてピンとこない方も多いでしょう。
僕がこれまでレビューしてきた単語帳の中では、『16000語レベル 最強ボキャブラリービルディング』に次いで2番目に多い収録数です。
単語と和訳以外の解説はあまり掲載されていませんが、GMAT受験を見据える方なら派生情報の調べ方は身についているのではないでしょうか。
GMATを受験するわけでなくても、ビジネス系・社会系の語彙をシンプルかつ大量にインプットするのに向いています。
②レベル別の学習ができる
本書の構成は次の5段階にわかれています。
細かくステップをこなしていく感覚で、達成感を得られる作りです。
暗記を何周も繰り返して単語と出会う頻度を高めることが大切なので「Basicを完璧にしてから次の章に進む」といった使い方はおすすめしません。ただ、その日の暗記範囲を決めたり、時々実力テストをしたりするのに、レベルわけが便利に使えます。
③背景知識が特集されている
GMATの読解問題でよく出題される、社会的なトピックについての背景知識パートも用意されています。
読解問題では、語彙のレパートリーだけでは乗り切れないことも。トピックの背景知識があるからこそ、読み取れる文脈・解釈があるからです。
差別問題を例にしても、カーストや性自認など種類は様々。その中でGMATではどのような問題が頻出しているのか知り、インプットすべき単語を絞りましょう。
④頻出するイディオムがまとまっている
イディオムとは、英語の慣用的な表現を指します。
実はGMATのSC問題(誤文訂正問題)は、情報戦です!なぜなら、数十年にわたり特定のイディオムが繰り返し出題されているから。
個別の単語からは連想できない特殊なイディオムもあるので、事前情報なしでは太刀打ちできません。
世の中には数えきれないほどのイディオムがあるため、頻出語彙のピンポイントな対策が大切なのです。
本書の頻出イディオムパートを読めば、自分で過去問題を分析して重要語彙をピックアップする手間がなくなりますよ。
おすすめの単語帳だけど、人を選ぶ点もあり
難易度をのぞいて唯一気になるのは、例文の少なさです。体感として全体の半分程度の単語にしか、例文が書かれていません。
用法が載っていない単語を実務的に使うには、自分でさらに使用例や変化について調べる必要があります。
とはいえ、GMATを意識して本書を手に取る人は、すでに一定以上のレベルが身についているはず。わからない単語のリサーチは普段から取り組んでいるでしょうし、例文の少なさは大きな問題にならないと思います。
MBA留学を視野に入れるわけでなくても、ビジネスで使える専門的な単語をインプットしたい英語上級者には本書がおすすめです。
洗練された表紙デザインで勉強へのモチベーションが上がることも間違いなし。
GMATに限らず、英検やTOEICの次の目標となる専門性の高い試験を探してみてくださいね。
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