
「今聴いてほしいアーティスト」と関連する楽曲を音楽が伝えるメッセージや社会的・音楽的文脈などと合わせて高橋芳朗さんが解説します。
今月の1曲
The 1975の「Notes On A Conditional Form 」を紹介します。
LGBTQからデジタルデトックスまで広範なトピックを扱うロックバンド
さまざまなジャンルの音楽を貪欲に取り入れながらもオーセンティックなロックの美意識を維持し続けるという、2020年の今を生きるロックバンドの姿として一つの理想型を体現するThe 1975。そんな彼らが、延期になっていた新作『Notes On A Conditional Form 』をついにリリースした。
今回のThe 1975は1曲ごとにカメレオンのようにサウンドスタイルを変えていきながら、LGBTQからデジタルデトックスまで実に広範なトピックを扱っている。そんな中でも特に強力なのが、アルバムのオープニングを飾るメドレー「The 1975」~「People」。スウェーデンの活動家グレタ・トゥンベリ氏の環境問題についてのスポークンワードに続いて、湧き上がる衝動をぶちまけるようなアグレッシブなパンクロックに 展開 していく流れは、ただただ圧巻だ。
Wake up! Wake up! Wake up! / It’s Monday morning and we’ve only got a thousand of them left .-.-. / But we’re all just gonna try our fucking best / Well , my generation wanna fuck Barack Obama / Living in a sauna with legal marijuanaここでThe 1975は 改めて 環境問題に警鐘を鳴らし、そして「これからは若い世代が世界を驚かすんだ。奴らをナメるなよ」と宣言する。以前ビリー・アイリッシュが、グレタ氏を揶揄する大人たちに「年寄りは近いうちいずれ死ぬから世界がどうなろうと知ったこっちゃないんだろうけど、私たちはまだ死にたくないんだ」とコメントしていたが、これはそんな若者たちの声を後押しするような歌。タイムリミットは刻一刻と迫っているのだ。起きろ! 起きろ! 目を覚ませ!/月曜の朝はあと残り1000回しか巡ってこない/だが全力でやってみるしかない/そうさ、俺の世代はバラク・オバマに文句が言いたい/地球温暖化はそのままでマリファナは合法化かよ
環境問題を題材にしたメッセージソング5選
今回の記事で紹介している音楽のプレイリストをご紹介します。
- all the good girls go to hell by Billie Eilish
- Feels Like Summer by Childish Gambino
- Truth To Power by OneRepublic
- Earth Song by Michael Jackson
- Mercy Mercy Me (The Ecology ) by Marvin Gaye
音楽ジャーナリスト、ラジオパーソナリティー、選曲家。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」にレギュラー出演中。著書に『生活が踊る歌』(駒草出版)、『ライムスター宇多丸の「ラップ史」入門』(NHK 出版)など。
※本記事は『ENGLISH JOURNAL』2020年9月号に掲載した記事を再編集したものです。
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