Entertainment in the Time of COVID-19 モーリー・ロバートソンが語るエンタメの今

新型コロナウイルスは日本だけでなく世界のさまざまな分野・業種にも大きな 影響 を与えています。エンターテインメント・芸術への 影響今後の 展開 について、タレント、コメンテーターとして幅広く活躍しているモーリー・ロバートソンさんにお話を伺いました。

Moving Online

I'd like to focus on the entertainment industry and the arts. Because of the coronavirus (1)pandemic, it’s become increasingly hard to do live shows, while club events are probably impossible. I think Tokyo’s (2) municipal government wants to move along to a level where large gatherings will be allowed, but I (3)am pessimistic about that happening. I myself DJ in clubs, but I don’t think that I’m going to be able to do any meaningful show for the rest of this year. Until there’s a (4)vaccine, I don’t think that this problem is going to go away. So , this means that a lot of entertainment is going to have to go online. We can watch somebody play a concert in their room or maybe even interact with them while they (5)strum their guitar or play their computer as an instrument , but I think that things are going to evolve from (6)hereon. There will be new ways of making artistic expressions and entertainment.
私はエンターテインメント業界と芸術の分野に絞ってお話しします。新型コロナウイルスのパンデミックによってライブでの興行がますます難しくなり、クラブのイベントはおそらく不可能です。東京都は大規模な集まりが可能になるレベルに移行したいようですが、私はそれについては悲観的です。私自身、クラブのDJをしていますが、年内に有意義なショーができるようになるとは思えません。ワクチンができるまで、この問題は解決しないと思います。ですから、多くのエンターテインメントをオンラインで行わざるを得なくなります。誰かがコンサートを自らの部屋で行うのを見ることや、ギターを弾いたり、コンピューターを楽器のように演奏したりしている彼らと対話することもできるのでしょうが、そこからさらに進化していくと思います。芸術表現やエンターテインメントを作り出す新しい方法が生まれるのです。
語注

(1)pandemic パンデミック ★感染症が世界的規模で流行すること。 (2) municipal  地方自治体の (3)be pessimistic about ~ ~に悲観的である  (4)vaccine ワクチン (5)strum ~(楽器など)をかき鳴らす (6)hereon この時点で、ここで 

Patron ">Enter the Patron

Maybe people will go offline as well . They might start reading books. And maybe some people will start going to used bookstores and start (7)digging things up. A combination of that and online technology might offer a new way -- instead of people going in a more (8)frenetic, always excited direction maybe we can just sort of tone it down, and we’ll have a new kind of evolved organic form of the arts. One positive development that I’m seeing is that people are starting to direct money at the arts they support . An example of this is a system called (9)Patreon. I happen to have studied analog (10)modular synthesis in college, and I still have my own modular synthesizer system. And there are (11)wizards in this field . There’s a particular wizard whom I support on Patreon with about $100 every month, and in return I get a (12)thank-you note , sometimes even a personalized message. That’s a contrast with the past when people bought things like CDs or went to a concert and their contribution was indirect. The moment the money left your hands or your account it would disappear into the money cloud. But now, with a (13)patronage system or a crowd- funding system, you make a conscious decision to support a certain art form or a cause , and so therefore , your purchase , your (14) transaction becomes mindful. And I really think that’s a good direction .

同様に オフラインへと向かう人もいるでしょう。読書を始めるかもしれません。古本屋に行って掘り出し物を見つけるようになる人もいるでしょう。こうしたこととオンライン技術が組み合わさって、新しい方法が提供されるかもしれません。どんどん興奮して常にエキサイトする方向とは違って、たぶんちょっとトーンダウンして、進化した有機的な新しい芸術形式が生まれるでしょう。今見られる積極的な 展開 の一つは、支援する芸術に人々が直接お金を出すようになったことです。その一例が「パトレオン」と呼ばれるシステムです。私はたまたま大学でアナログ方式のモジュール合成について研究していたので、今でも自分のモジュラー・シンセサイザー・システムを持っています。この分野には天才たちがいるのです。私はある一人の天才を毎月100ドル(約1万1000円)ほどパトレオンで支援しており、その見返りとしてお礼のカードをもらっています。時には個人的なメッセージも添えられています。これと対照的なのは、人々がCDなどを買ったり、コンサートに行ったりしていた過去であり、そうした貢献は間接的なものでした。自分の手からまたは自分の口座から離れたお金は、 すぐに 雲の中に見えなくなってしまうのです。ところが今は、支援システムやクラウドファンディングシステムを使って、人々は特定の芸術形式や理念をサポートしようと意識して決断するのです。ですから、購買や 取引 が意識的なものになります。これは本当にいい方向だと思います。
語注

(7)dig ~ up ~を掘り出す (8)frenetic 熱狂した (9)Patreon パトレオン ★Youtuber、ミュージシャン、マンガ家などを支援する、アメリカのクラウドファンディングプラットフォーム。 (10)modular synthesis モジュール合成 ★ここでは「モジュール」と呼ばれる装置を組み合わせて音を生成・ 加工 すること。後出のmodular synthesizer(モジュラー・シンセサイザー) はそれらの装置を組み合わせて作成した電子楽器を指す。 (11)wizard 達人、専門家 (12)thank-you note  お礼の手紙 (13)patronage 支援 (14) transaction   取引

Mindful Patronage

I think that if everything we bought, was done with mindfulness ? down to our clothing, our food -- if all our purchases were done mindfully, in a way, that might bring about more global justice. Because when you just do things out of convenience and you don’t really think about the money that you’re spending, I think somewhere in the world, you begin to (15) oppress somebody, maybe including yourself. I see that as a side effect of globalism. So , in order to make the world more (16)equitable, a more fair and loving place , I think the system for people supporting artists that they love through patronage is a very good idea.

私たちが購入したすべてのものに――服であれ、食べ物であれ――心を留めていたら、すべての購入を意識的に行うなら、ある意味、もっと公正な世界になる かもしれない のにと思います。便利さだけを理由に物事を行い、使うお金についてよく考えないでいると、世界のどこかで誰かを、もしかしたら自分自身も含めて苦しめることになると思うからです。それがグローバリズムの副作用だと考えています。ですから、世界をもっと均等な、もっと公平で愛情あふれる場所にするために、好きなアーティストに対して支援者としてサポートするシステムはとてもいいアイデアだと思います。
語注

(15) oppress  ~を圧迫する、~を苦しめる (16)equitable 公正な、公平な

Morley Robertson(モーリー・ロバートソン)

国際ジャーナリスト、ミュージシャン、コメンテーターなど多岐にわたる分野で活動している。現在、NHK総合「所さん!大変ですよ」、日本テレビ「スッキリ」など、各種メディアに多数出演。

写真:Office Morley、翻訳:片桐恵里

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