春の気配が感じられるこの時期は、何かを始めるにはぴったり。異動や転職に備えて、「今度こそ英語やるぞ!」と張り切っている人も多いのではないでしょうか。しかし、これまでにも何度も挑戦しては3日坊主に終わってしまった人も少なくはないはず。今度こそそうならないために読んでおきたいのが、この本 『プロフェッショナルイングリッシュ 世界に通じる英語力』。英語学習に関する凝りかたまった概念を払拭してくれ、最適な英語習得の道へ導いてくれる本です。さっそく見てみましょう。
- 作者: 花田徹也,青野仲達,スティーブソレイシィ,大前研一,ビジネス・ブレークスルー大学
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2016/11/18
- メディア: 単行本
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【1】英語を学ぶ「目的」を再認識する
英語で人を動かし、成果を出す
社会人が英語を勉強するのは何のためでしょうか。TOEICテストで高得点を取るため?しかし、高得点の人が英語を話せる、仕事ができる、というわけではありませんよね。 社会人が英語を勉強する真の目的は、「英語で人を動かし、結果を出すこと」 。そのために「自分の考えを伝えること」です。
「受容」と「創出」どちらも不可欠
英語学習には受容(受信)と創出(発信)がありますが、これまではリーディングやリスニングなどの受容ばかりが重要視されていました。しかし、「英語で人を動かすこと」が学習目的であるなら、話したり書いたりする創出の練習も欠かせません。
では 具体的に どう学習すればよいのかを、本書では受容(主にリスニング)、創出①(ライティング)、創出②(スピーキング)に分類。各分野を得意とする講師が詳しく解説してくれます。
- 受容:日本最高峰のTOEIC専門学校「花田塾」を主宰する花田徹也氏
- 創出①:MBAホルダーでGABA(Gabaマンツーマン英会話)創設者の青山仲達氏
- 創出②:NHKラジオ講座の講師で、多数の英語学習書を出版しているスティーブ・ソレイシィ氏
【2】TOEICテストを使いつくし、「創出」にも活用する
TOEICテスト頻出フレーズは、「創出」にぴったり
社会人の英語といえばまず思い浮かぶのがTOEICテスト。しかし、TOEICのための学習といえばリスニングとリーディングですから、「受容」一辺倒になってしまいそう。この状態から抜け出すには、 TOEICテストを素材に「創出」を意識した学習をする のがベストです。TOEICテストは、ビジネスシーンで使われるフレーズの宝庫。ホテルにチェックインするときや航空会社を利用するときなど、実際のビジネスシーンでもよく使うものばかりです。どんどん覚えて使ってみることで、創出力が鍛えられます。
音声を活用してネイティブの英語に慣れる
TOEICテストの問題の音声を聞き、発音や抑揚までそっくり真似てリピートするのもおすすめ。また、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストリア、4カ国の英語が均等に使われているのもポイントです。ひとくちにネイティブ・スピーカーといっても出身国によって発音やイントネーションが異なります。TOEICテストで学べばこの点もカバーできるのです。
【3】「話す」より「書く」に力を入れる
日本人が「この人は英語ができるな」と思うのは、語彙が豊富で話し方が流ちょうな人でしょう。しかし、【1】で見たように、社会人が英語を学ぶ目的は「英語で人を動かし、成果を出すこと」。流ちょうであるに越したことはありませんが、「論理的に考え、伝える力」のほうが大切です。
そして、 論理的に考えるためには、「話す」より「書く」ほうが大切 なのです。日本語でも、大事な打ち合わせやスピーチの前には、メモを書いたり原稿を用意したりしますよね。これは英語でも同じことで、「書けないことは話せない」のです。
反対に、「論理的に書く」ことができれば、「論理的に話す」こともできるようになります。
【4】会話の中身で勝負する
ネイティブ・スピーカーは、日本人にネイティブなみの英語を期待してはいません。発音のよさや難しい表現にこだわるよりも、自分の言いたいことをかみ砕いて、簡単な英語で伝えるほうがいいのです。
ここで大切なのが、SPM(=sentence per minute)。「1分間に話される節の数」という意味で、いわゆる「英語が話せる人」のSPMは15~20とされています。初心者はまず、1分ではなく30秒で5文以上を目指しましょう。
一文一文は短く、簡単な英語でもいいのです。 SPMが上がるに したがって 、伝えられる情報量が増える ことを実感できるはずです。
【5】英語で「成果を上げる」イメージを持つ
本書の総仕上げとなる最終章では、大前研一氏とソレイシィ氏による即興のロールプレイを取り上げています。大前氏の役柄は日本から赴任したゼネラルマネージャー、ソレイシィ氏は現場の工場長です。大前GMのミッションは、この工場を立て直すこと。今回は「どうすれば良好な関係を築いてミッションを達成できるか」を探るためのアイスブレークです。
いざ聞いてみると、難しい単語や言い回しはほとんどなく、いわゆるビジネス英語の教材よりゆっくり聞こえるかもしれません。また、使われている英語フレーズは短いものばかり。しかし、この簡単に聞こえるやり取りを通じて、工場運営についての大きな課題が洗い出されました。大前GMはこう語りけます。
I would like you to think you can always take initiative.ソレイシィ工場長はこう答えています。(あなたには、いつでも自分が主導権を取るつもりでやってもらいたい。)
We’ve never had a manager from Japan like you.かなり前向きな様子のソレイシィ工場長。大前GMは「人を動かす」という目的の第一歩を達成したのです。「仕事で英語を使う」ことによる成功イメージは、まさにこれだといえるのではないでしょうか。(あなたのような日本人マネージャーは初めてですよ。)
せっかく英語学習を始めるなら、この 「英語で成果を上げる」というイメージを明確に 持っておきたいものです。
まとめ
多忙な毎日のなか、せっかく時間を割いて英語学習をするのですから、その目的も方法も間違わないようにしたいもの。そしてこの学習を続けた 先に は何があるのか、明確なイメージを持っておきたいものです。
「とにかくやるぞ!」と走り出す前に、まずは本書を手に取ってみませんか。
- 作者: 花田徹也,青野仲達,スティーブソレイシィ,大前研一,ビジネス・ブレークスルー大学
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2016/11/18
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構成・文:GOTCHA!編集部
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