TOEIC の文法の勉強に困っていませんか。そんなあなたにおすすめなのが、この連載です!『 TOEIC L&R TEST 戦略特急 スコア育成計画 』の著者、渡邉淳さんにこの本の中から 抜粋 して、「TOEIC の本をゲーム感覚で徹底的にやり込み、成果を出す方法」を伝授していただきます。
こんにちは!
英語学習コンシェルジュのぽるぽること渡邉淳です。
「(英)文法」と聞くだけで、嫌気がさす人は多いのではないでしょうか。小難しい用語。数学のようなルール。解説を読んでも文法用語が分からずに頭が混乱して、嫌になった経験がある人もいるかもしれません。
とはいえ、心の中で「TOEIC で高得点を獲得するには、難しい文法は避けて通れない」と思っていませんか?
だから、文法をしっかり身に付けたい。その方がいいのだとは分かっていても、実際学習するには、どこから手を付けたらいいかが分からない。
そんなあなたに提案です。
提案
中学英文法をガッチリと固める
え、本当にそれだけ?と思った方もいるでしょう。はい、それだけなんです。その理由をこれから説明します。
TOEIC で出題される文法の範囲は?
TOEIC で出題される英文法と聞くと、ものすごく膨大な量のルールを覚えないといけないように感じます。大学受験を経験したことのある方であれば、なおさらその印象は強いでしょう。
しかし、そんなことはありません。提案で申し上げた通り、 TOEIC では中学で習った範囲の文法がよく出題 されます。例えば、be動詞の使い方。「そんな簡単なものは出ないでしょ?」と思っていませんか?では、次の例題に答えてみてください。
例題
The number of tourists (is/are) increasing ...is と are のどちらが正解でしょうか? 15秒差し上げます。
自分なりの答えと根拠を考えてから、正解を見てくださいね。
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答えは is です。
なぜなら、主語が The number と単数なので、それに対応する be動詞は is だからです。
答えを聞くと、それほど難解な英文法とは思わないかもしれません。しかし、戸惑うポイントとしては、 中学英語に出てくる文法が、TOEIC 向けにパターン化されて出題 されていることです。
中学で覚えたルールをどうやって TOEIC 用にシフトするか。これは TOEIC 専用の本で知っておく必要があります。大学受験では「参考書→問題集」で勉強する流れが定番ですが、TOEIC 対策では、いきなり問題集にチャレンジするのも「アリ」です。次の本は参考書と問題集の中間のような内容で、TOEIC 600点の獲得を狙う人におすすめです。
強化する ための3つのミッション">TOEIC の文法を 強化する ための3つのミッション
では、 具体的に TOEIC の文法を 強化する ためのトレーニング方法を紹介しましょう。3つのミッションとして説明しますので、1つずつ取り組んでみてください。
ミッション1:空欄に正解を入れた英文をスッと読めるようにする!
たくさんの生徒に教えた経験から言うと、TOEIC 対策の問題を解くとき、正解・不正解を知って終わりにしてしまう人が多いです。しかし、それだけでは英語力アップの点で間違いなく損をしています。
文法のルールを頭に定着させるためには、文法が使われていることを実感しながら英文を読む必要があります。 つまり、 英文をたくさん読む ということですね。
ここで「何を読めばいいのか?」と思われるかもしれません。そこで提案したいのが、一度解いたパート5 の英文を再活用することです。空欄に正解を入れて、その英文を読むのです。
このとき、特に「構文(文構造)」に気を付けるといいでしょう。例えば、次のような感じです。
『TOEIC (R) L&R TEST 戦略特急 スコア育成計画』より引用。
S、V、Oという文法用語の記号を見るだけで、「難しそう!」と苦手意識を感じるかもしれません。しかし、とにかく「英文がどんな要素で成り立っているか」は分かっておくようにしましょう。
ミッション2:英文を前から読むトレーニングをする!
さらに、もう一歩踏み込んで、「前から理解できるか?」という観点で読んでみます。 そもそも 「前から理解する」とはどういうことでしょうか?
これは、英文を読む際に、英語を日本語の語順に合うように何度も前に戻って読み直すのではなく、「英語の語順のままで理解する」ということです。ではその「前から理解する」感覚をどのようにつかんでいけばいいのでしょうか?
僕が おすすめするのは、スラッシュリーディング です。スラッシュを入れたところを一つの意味のまとまりとして捉え、文の前から後ろに向かって目を動かしていく練習をするのです。
最初は、「前から理解する」ことに慣れずに、戻って読み返すこともあるでしょう。でも、 心配 は要りません。少しずつ「前から理解する」自分に慣れていきます。先ほどの英文にスラッシュを入れてみましょう。
The professionals / at Endwell Craft / make custom home and office furniture / and deliver it / anywhere in the city.このような感じです。英語の語順通りに理解するように矯正(強制)するのです。なお、スラッシュを入れる目安は以下の通りです。専門家たちは→Endwell Craft の→特注の家庭やオフィス向けの家具用品を製造し→配送する→町内の全域に
ミッション3:パート5を徹底的に復習する!
これは先ほども述べたことですが、パート5 は空欄補充問題なので、正解できたら終わりにしがちです。しかし、それは非常にもったいないです。 徹底的に復習すれば、文法力アップ のチャンス!この記事で先ほど紹介した内容も含め、パート5を復習するときに文法の力が付く、5つの方法を紹介します。
① 誤答の理由を確認する
② 正解の選択肢はなぜ正解か、独自用語解説をする
③ 空欄に正解を入れた英文を黙読する
④ 自分に少し負荷のかかる時間制限を設けて、同じ問題を解いてみる
⑤ ③の英文を音読する
文法力アップのトレーニング方法が満載の一冊!
復習方法をリストアップしただけではぴんとこないものもあるかもしれません。その際にはぜひ、11月20日に発売した『TOEIC L&R TEST 戦略特急 スコア育成計画』を立ち読みだけでもしてください。
パート5 の一文から学べることはたくさんあります。一文を使い倒すことによって、英語力全体を底上げするトレーニングをしていただきたいです!
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渡邉淳(わたなべ・あつし)
1984年、千葉県富津市生まれ。東京外国語大学外国語学部ポルトガル語学科卒業。留学なしで TOEIC 990点満点、英検1級を 取得 。教材制作会社を経て、現在、フリーランスの編集者・ライターをしながら、東京海洋大学で非常勤講師を務めている。担当はTOEIC。自身の学習経験をもとにした授業を 展開 、TOEIC の最新 傾向 を盛り込んだ、学習者目線を忘れない指導に定評がある。日本経済新聞や読売新聞、雑誌『PRESIDENT』『東洋経済』『日経WOMAN』『日経トレンディ』での掲載実績もあり。著書に『 1日5分からはじめる英語学習手帳 』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、共著に『 毎日の英単語 日常頻出語の90%をマスターする 』(朝日新聞出版)がある。一方、porpor(ぽるぽる)という名前で、ブログやTwitterを中心に、講師としても、学習者としても、日々 TOEIC や英語学習に関する情報を発信している。
ブログ、 Twitter: @porpor35 、Instagram: @atsu_nabe 、 YouTube
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