【2023年最新版】TOEIC L&Rテスト試験当日の注意点。実力を発揮するための細かい工夫

TOEIC L& Rテスト(以下TOEIC)対策のカリスマ講師ハマーさんに、TOEIC公開テスト・試験当日の心構えを伺います。今までにTOEICスコア990点(満点)を80回以上も獲得しているハマーさん。どのような点に注意して本番に臨んでいるのでしょうか?(※ 2023年4月更新)

試験当日のポイント

まず、試験当日の朝からできることを紹介します。

試験当日のハマーさんの持ちもの

僕が最高のコンディションと集中力で本番に臨むために、当日試験会場に毎回必ず持っていくものを紹介します。忘れないよう、必ず試験前日には全てカバンに詰め込むようにしています。

  • 受験票(当日の朝、体調確認欄のチェックボックスに必ずチェックを入れること)
  • 証明写真1枚(受験票に事前に貼っておく。裏には氏名と受験番号も忘れずに記入すること)
  • 写真付きの本人確認書類(運転免許証など)
  • 筆記用具
    ①消しゴム×2個(1つは予備、試験中に落としてしまっても大丈夫なように)
    ②マークシート用のシャープペンシル×2本(芯の太さが1.3mmのもの)
    ③普通のシャープペンシル×2本(芯の太さが0.5mmのもの)
  • 腕時計×2個(1つは予備、不意の電池切れに備える)
  • 慣れ親しんでいる問題集や参考書×1~2冊
  • ポータブルオーディオプレーヤー(SONYの語学学習用WALKMAN)

試験会場には一番乗りで

僕は、試験会場にやや早めに到着できるように家を出るようにしています。現在、試験会場の開場時刻は午前受験であれば9時25分です(試験は10時20分開始)。開場時刻前に必ず試験会場に到着するようにしています。

遅くとも開場時刻の数分前には到着することができるよう、早め早めの行動を取るように心掛けています。それはなぜかというと、試験当日には何が起こるか分からないからです。悪天候の日も当然あります。それによる交通機関の遅れなどで、予定していた時刻に試験会場にたどり着けない可能性があることを十分に頭に入れての行動なのです。

時計を見たら止まっていた

会場に早く着いていて良かったと痛感したのは、持参した腕時計が止まっていたときです。開場時刻に間に合うように家を出発し、途中で朝食を取る際に持ち物の確認をしたのですが、なんと、腕時計が止まっていたことがあったのです。

時計がないのは、タイムマネジメントが必須のTOEICでは致命的。そのときは、時計を売っているお店を探す時間的余裕があったので、試験会場の近くで見つけた100円ショップにて、無事に腕時計を買うことができました。

案の定、そのときの試験会場に時計はありませんでした。大学などが試験会場である場合には、教室内に時計があることもありますが、僕の経験上、時計が設置されていない会場の方が圧倒的に多いのです。

たとえ早過ぎると思えるくらいの時間に会場に着いたとしても、開場時刻までにやれることはいくらでもあります。勉強をしたり、トイレの場所を確認したりして、最高に落ち着いた状態で試験本番を迎えられるよう、心を整えつつ準備をしましょう。

時間にも心にも余裕を持って行動し、会場には一番乗りで入るのです。ちなみに腕時計は、残り時間を瞬時に判断しやすいアナログ式の時計がおすすめです。

会場では食事はしない

僕は、会場ではなるべく朝食を取らないようにしています。意図的に水分もあまり取りません。なぜなら、試験会場には食事を取る場所がない場合が多いですし、試験中にトイレに行くような事態はできるだけ避ける必要があるからです。試験が行われる部屋の中では何かを食べることはできませんが、最近では水分の補給であれば認められる場合もあります。

試験会場が大学などの場合には、廊下やラウンジなどで食事を取ることができる場合もあります。しかし、例えば早稲田大学理工学部は東新宿にあるのですが、試験時は学内で食事を取れるような場所はほとんどありません。冬だと寒過ぎて外で食べる訳にもいきませんし、試験会場ではゴミを捨てることもできません。そういう訳で、僕は食事を会場に持ち込むことはしないようにしているのです。

「外で食事を取り、ゴミもきちんと持ち帰ります」という人であれば、おにぎりやパンなどを持っていって食べても構わないとは思います。

試験直前のポイント

試験の直前にやるべきことを見ていきましょう。

スピード学習でウォームアップ

本番直前におすすめの勉強は、やり慣れている問題集や参考書を持参し、それをできる限りハイスピードで解くことです。

リスニングセクションについては、音の再生速度を変えられる機能が付いている音楽プレーヤーを用意できるといいでしょう。1.1倍でも1.25倍でもいいので、標準よりもやや速いくらいのスピードで耳慣らしをしておきましょう。あまり速過ぎる設定にしてしまうと、細部まで英語を聞き取ることができません。再生速度はどんなに速くても1.5倍程度にしておくことをおすすめします。あくまでも「一言一句、全てを聞き取ろうとする」ことが肝要なのです。

リーディングセクションについては、Part 5(短文穴埋め問題)の問題集などを持参し、とにかくスピードに乗って解く練習をしておくと、速く解く感覚を残したまま本番を迎えることができるはずです。

準備態勢を整える

試験当日の受け付けの締め切り時刻は、午前受験であれば9時55分です。それ以降に遅れて到着してしまうと会場に入ることはできません。つまり受験資格を失うのです。早めに受け付けを済まして、マークシートに必要事項を記入してください。トイレなどもきちんと済ませておき、試験本番に向けて態勢を整えておきます。

机の上には必要なものだけを出しているという状態にします。

万が一に備えて、消しゴムを2個、マークシート用のシャープペンシルを2本、普通のシャープペンシルを2本。先ほどお話しした「時計が止まっていた事件」があってからは、僕は腕時計を2個持参するようにしています。

以前、試験中、リスニングセクションのPart 1が始まってすぐ、マークシート用シャープペンシルの軸とペン先の銀色の部分が、つなぎ目からバキッ!と音を立てて折れてしまったことがありました。

そのときも、マークシート用のものだけでなく、普通のシャープペンシルも持っていたので、なんとかなりました。TOEICの受験回数が人よりも桁違いに多いからかもしれませんが、そういうなかなか出合わないようなことも実際には起こり得るのです。

マークシート専用のシャープペンシル

解答用紙にマークするのにおすすめなのは、コクヨやぺんてる、ステッドラーのシャープペンシルです。0.9~1.3mmくらいのものが非常にマークしやすいです。

▼ハマーさん愛用のマークシート専用シャープペンシル

音声チェックのときは遠慮をしない

試験開始前に行われる音声チェックのとき、ちょっと音が聞き取りづらいな」と思ったら、必ず手を挙げて席の移動をさせてもらいましょう。音声の再生機器がラジカセである場合や、席が教室の後方になってしまったときなどには、音声が聞き取りづらいことが多々あります。

試験監督の方が「音声に問題があれば挙手をしてお知らせください」と言ってくれるので、そのタイミングで挙手をして席を替えてもらいます。公開テストでは、だいたい1、2割の人が欠席しますので、同じ教室内に空席が幾つかある場合が多いです。遠慮せず、できればより前の方の席に(より音が聞き取りやすそうな席に)移動させてもらいましょう。

引っ込み思案の人の対処法

引っ込み思案の人は挙手をすることができず、諦めて我慢してしまうこともあるかもしれません。でも、勇気を持って手を挙げてみてください。あらかじめ「もし聞こえにくかったら、席を変えてもらうぞ、手を挙げるぞ」と心に決めておくと、いざというときに口に出しやすくなりますよ。「言わないで後悔するよりも、言って後悔する」が吉です。

席の場所によって、音声の聞こえ方はかなり変わってきます。「音が小さいから聞こえなくて解けませんでした」と、試験後に言い訳しても得られるものは何もありません。TOEICは結果が全て、ではありませんが、できる限りベストな受験環境を「自分の意思」で整えていくことが大切です。

実際、僕も過去に一度だけ、教室の一番後ろの席になりあまりにも音が聞こえづらかったので、席を替えてもらったことがあります。もっともそのときは、僕以外にも10人前後の受験者の方々が席替えを申し出ていましたが。

試験中のポイント

いよいよ試験開始。試験中にも注意したいことはいろいろあります。

問題用紙のシールは破って開ける

意外と多くの人が困っていることとして、「どうやって問題用紙を開ければいいのか」ということが挙げられます。問題用紙は向かって右側の青いシールで閉じてあるのですが、あれを指でつまんだり、引っかいたりして剥がそうとするのでは駄目です。剥がそうとしている間にPart 1の問題が始まってしまいます。

指でつまんだり引っかいたりして剥がそうとするのではなく、シールの下部から指を入れ、指をカッターナイフに見立てて問題用紙に向かって右上に「破るように」豪快に開けるのが正しい方法です。すでにPart 1の1問目の音声が流れ始めているのに、まだシールが剥がれずに出遅れてしまっている人たちを時々見かけます。

リーディングセクションの時間配分

次に、リーディングセクションの時間配分についてお話しします。リスニングセクションは音声を聞き、それに対して受験者全員がほぼ同じペースで一つ一つの問題に解答をしていく方式です。自分で時間を管理することはできません。約45分間、受験者は完全に「受け身」の状態になります。

逆にリーディングセクションは受験者が自分のペースで解答を進めていくことが可能です。全100問を75分以内に確実に終わらせることができるよう、各パートに対する時間配分を事前に確認しておきましょう。

Part 5(短文穴埋め問題):1問平均20秒

Part 5は30問あるので、それらを600秒、つまり10分以内に解答し終えることを目標としてください。

Part 6(長文穴埋め問題):1問平均30秒

Part 6(長文穴埋め問題)は100語前後の長文を読む必要があります。そのためPart 5よりも1問あたりに使える時間はやや長めになります。1問平均30秒、16問ありますので合計480秒、つまり8分以内に解答し終えることを目標としてください。

上記の計算でいくと、Part 5とPart 6に使える時間は合計18分になります。そうすると、残り時間が57分。この57分でPart 7の54問を解いていくことになります。

Part 7(読解問題):1問平均1分

この計算だと3分余りますが、それは予備の時間としておきましょう。

リーディングセクションは、このペースで解答を進めていくことができれば全ての問題を時間内に解き終えることができるはずです。しかし、多くの受験者は、なかなかうまくいかないようです。

では、どうすればいいのでしょうか?

目標スコア900点未満の人の時間配分

目標スコアが900点未満の人は、Part 7の186~200番、つまりトリプルパッセージ(3つの文書を読んで解く問題)に関しては、考えなくてもいいと思います。Part 5とPart 6をしっかりと解答し、Part 7の147~185番、つまりシングルパッセージとダブルパッセージまでをできるだけ解答する。これで十分です。間に合わなかった問題は適当にマークしておくと良いでしょう。

Part 7は、トリプルパッセージ以外をしっかりと解き切ることを目標にしてください。

目標スコア900点以上の人の時間配分

75分という試験時間内に完走することができ、なおかつ間違いの数を1割以下にすることができて、やっと900点を達成することが可能です。つまり、900点以上を目指すには、リーディングセクションを「完走」することが前提となるのです。ちなみに900点以上のスコアを取る人は、全受験者の3%前後しかいません。なかなかハードルは高いです。

900点以上を目指している人でも、Part 5を10分以内に終えられないことは多々あると思います。僕もちょっと気になる問題などに引っ掛かってしまう場合には、Part 5の30問を解き終えるのに10分以上かかってしまうこともしばしばあります(もっとも僕の場合はPart 7を解答するのが速いので、だいたい毎回5~10分程度の時間的余裕を持って解答し終えることができてはいますが)。

「この問題はもう少し考えてみたいな」などと思っていると、あっという間に時間は過ぎ去っていきます。Part 5に15分、もしくはそれ以上使ってしまうとアウトですが、12~13分であればなんとか許容範囲です。

900点以上を目指すのであれば、とにかく一度200番まで全てを解き終えてゴールテープを切りましょう。そのレベルの人であれば、200番までの問題を解き終えた段階で正答できているかどうか怪しい問題が10個も20個あるというようなことは、恐らくないはずです。怪しい問題が2、3個程度であれば、残り時間を有効に活用してしっかりとそれらを再チェックしてください。

迷ったら「要検討」で置いておく

例えば「189番は恐らく(C)が正解なんだけれども、正解である根拠が見つからないんだよな」などと思ったら、(C)を塗らずに軽くマーク内に印を付けるだけに留めておき、200番の問題まで解答し終えてから再度その問題に戻るようにします。

一度最後の問題まで到達して解答した後で、再び「要検討」問題と向き合うようにするのです。すると最初に迷っていたときに凝り固まっていた見方がうまくほどけ、「なんだ、簡単な問題じゃないか、なんでこんな問題につまずいていたのだろう」と思えることも多々あるはずです。

迷った問題は「要検討」としてひとまず置いておき、一度全ての問題を解き終えてから要検討問題に戻る。そして時間が許す限り考え直す、解き直す、というやり方がおすすめです。

もし見直す時間がないのであれば、最初に「これかな」と思った選択肢のマークをそのまま塗ればいいのです。

試験中、時間の確認頻度

ペース配分がうまくいっているかどうかを確認するために時計を確認することは大事ですが、多くの人にとって、試験中はそもそも時計を見る時間すらもったいないというのが実際のところです。時計を見るタイミングは各パートの問題を終えるごとくらいの頻度で十分です。例えば、Part 5が終わったとき、Part 6が終わったとき、Part 7のシングルパッセージが終わったときなどに時計を見るようにしましょう。

どうしても時間が気になってしまう場合でも、最低限、時計にちらっと目をやる程度にすることをおすすめします。ちらちらと時計を見ていると、問題に対する集中がそがれてしまうので注意が必要です。

まとめ

今回は、TOEIC試験当日に、僕が気を付けていることを紹介しました。

使えそうな点があれば、ぜひ試していただき、ご自身が蓄えた知識を最高の状態でアウトプットできるようにしてください。

皆さまの健闘を、心から願っています。

頑張っていきましょう。

濵﨑潤之輔(はまさき・じゅんのすけ)
濵﨑潤之輔(はまさき・じゅんのすけ)

大学・企業研修講師、書籍編集者。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。明海大学や獨協大学、早稲田大学EXT、ファーストリテイリングや楽天銀行、エーザイやSCSK、オタフクソースなどの企業でTOEIC L&Rテスト対策研修講師を務める。TOEIC L&Rテスト990点(満点)を80回以上取得。『TOEIC L&Rテスト990点攻略』(旺文社)、『改訂版 中学3年間の英語が1冊でしっかりわかる本』(かんき出版)など、著書・監修書は80万部以上の実績を誇る。「濱崎TOEIC研究所オンラインサロン」主宰。

公式サイト 濱崎TOEIC研究所オンラインサロン
Twitter:@HUMMER_TOEIC
Instagram:junnosuke_hamasaki
TOEIC L&Rテスト 長文パート対策セミナー:https://tz-eigolounge.jp/news/2021cho/

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