英会話は直訳をやめるとうまくいく!― 「脱・直訳」のコツ③ シンプルに考える

なぜ、英語で言いたいことがパッと言えないのでしょうか? その大きな原因の一つは、日本語に合わせようとするから。日本語をそのまま英語にしようとする、つまり「直訳」しようとすると、うまくいかないことが多いのです。では、どうすればいいのでしょう?

日本語から訳そうとすると、どうしても難しく考えてしまいます。そして、難しく考えると、より不自然な英語になってしまうのがオチです。

たとえば

彼女から電話があった。

She called.

と言います。

SVOで考えると(この場合Oは不要ですが)とっても簡単にできますし、日本語を直訳した「There was a call from her.」よりもずっと自然です。

お電話があったことを伝えます。

I’ll tell him you called.

と言います。I’ll tell him that you called. のthatが省略された形ですが、そんなに難しく考えず、I’ll tell him にyou calledを足せばいいとだけ考えてください。ネイティブも「ここはthat 省略だな」なんて、いちいち考えていませんよ。

単語もシンプルに考える

構文だけじゃなくて、単語もそうです。

たとえば

彼がネックレスをプレゼントしてくれた。

と言いたくて「He presented me with a necklace.」と考える人は多いです。でも、

He gave me a necklace.

のほうがずっと自然です。

彼に報告しましたか?

は「Did you report it to him? 」も正解ですが、「報告する」にこだわらずに

Did you tell him?

だけでも大正解です。また

所在地はどこですか?

Where is it?

が正解です。「Where is it located?」もあり得ますが、使用頻度はより低いです。

高校生だった頃はシャイだった。

は「I was shy when I was a high school student.」よりも

I was shy in high school.

のほうがずっと自然だし、ずっと簡単です。

けがはしていません。

は、もっとシンプルに考えて

I’m OK.

だけで問題なし!

日本語につられて不要な語を足さない

「どんな~」は「What kind of ~」と学校で教わりますよね? 

でも

どんなスポーツが好きですか?

と言うときは、以下が一般です。

What sports do you like?

What kind of sportsにすると「どんな種類のスポーツ」という意味になります。

A: What sports do you like?

B: I like soccer.(サッカーが好きですね)

A: What kind of sports do you like?

B: I like ball sports.(球技が好きですね)

言われてみれば確かにという感じですよね。よりシンプルに考えるくせが付くと英語の間違いは減ります。

好きな食べ物は?

What food do you like?

どんな音楽が好き?

What music do you like?

ただ、これはジャンルを聞いているので、What kind of music ~としても変ではありません。それでも、What music のほうが一般的です。

では、以下はどうでしょう?

私のどういうところが好き?

What do you like about me?

日本語に引っ張られて「Which aspect of me do you like?」と難しい単語を使って答える人が多いのですが、これはとっても不自然です。

シンプルに考える練習

次の日本語を英語にしてください。

コツ:構文も語彙もできるだけシンプルに考える。日本語につられて不要な語を足さない。

  1. それはいつ行われますか?
  2. その祭りは何日やりますか?
  3. 大学時代に野球をやっていた。
  4. けがはないですか?

答え

  1. When is it?
  2. How long is the festival?
  3. I played baseball in college.
  4. Are you OK?
ニック・ウィリアムソン(Nic Williamson)
ニック・ウィリアムソン(Nic Williamson)

英会話教室「ニック式英会話」主催。同名のYouTubeチャンネルは登録者数が52万人を超え、人気を博している。英語講師歴は20年超。

オーストラリア・シドニー出身。シドニー大学で心理学を専攻。同大学で3年間日本文学を学び、日本文化にも精通。在学中にオーストラリアの日本大使館主催の全豪日本語弁論大会で優勝。日本の文部科学省の奨学金を得て、東京学芸大学に研究生として1年半在学した。在学中にアルバイトで、英会話スクールで英語を教え始め、卒業後も人気講師として勤める。その後、自身の英会話教室を開設し、企業向けの英語研修や大学での講義、SKYPerfect TVの番組の司会やラジオDJ、数々の雑誌記事や十数冊の英語本の執筆など、活動は多岐にわたる。日本語を完璧に習得した経験と、大学で先行していた神経心理学の知見をもとに、効果的・効率的な独自の言語習得法を開発。著書に『たった30パターンで英会話!「言いたいことが出てこない」をスッキリ解消』『中学レベルの英単語でネイティブとペラペラ話せる本』(以上、ダイヤモンド社)『見るだけで英語ペラペラになるA4一枚英語勉強法』『話せる英文法』(以上、SBクリエイティブ)など多数。

ニック式英会話YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/@nicwilliamson

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