会話が弾む!話を展開するときの便利な表現17【魔法のように伝わる英語フレーズ】

ネイティブスピーカー同士のおしゃべりから、自然な英語表現を学べる、『ENGLISH JOURNAL』の人気コーナー「Quick Chat」。その会話40回分を分析し、意思疎通を図る上で欠かせない表現や、語句を変えて応用できる、まるで魔法のような便利表現を、厳選して紹介します。今回は話を展開するときのフレーズです。

相手に確認する

今回は、自分が話したことや、自分の理解が正しいのかを相手に確認したり、相手に話を振ったり、話を展開させたいときに使える、会話が弾む便利なフレーズを紹介します。

まず、「・・・だよね?」「・・・ということ?」などのように、自分や相手が話した内容を確認したり、相手が話したことが理解できなかったときに確認するときのフレーズを見ていきましょう。

. . . , right?(・・・だよね?)

You’re from Australia , right?
君はオーストラリア出身だよね?

「・・・だよね?」と自分が話したことが正しいか相手に確認したり、念押ししたりするカジュアルな表現です。対して、You’re from Australia, aren’t you?(あなたはオーストラリア出身ですよね?)のような付加疑問は、より丁寧な表現なので、さまざまな場面や相手に対して使うことができます。 . . . , right?がアメリカ英語でよく使われるのに対し、aren’t you ?のような付加疑問はイギリス英語でよく使われます。

Do you mean . . . ?(・・・ということ?)

Do you mean we are not going to the party?
つまり、僕たちはパーティーに行かないってこと?

相手が述べた内容について、「(つまり)・・・ということ?」と自分の理解が正しいかを確認する際のフレーズです。

What does that mean?(それはどういう意味?)

What does that mean?
それはどういう意味?

自分の理解を確認するDo you mean . . . ?(・・・ということ?)とは異なり、そもそも相手の発言を理解できない場合に「それはどういう意味?」と尋ねる表現です。相手が使った 語句を引用して、What do you mean (by) health expectancy?(健康寿命ってどういう意味?)などと具体的に尋ねることもできます。

相手に話を振る

「君はどう?」と相手の考えを尋ねたり、「例えば何?」や「他には?」などのように、相手に話を振ったりするときのフレーズを見てみましょう。

How about yourself?(君はどう?)

How about yourself?
君はどう?

自分が話した後、「君はどう?」と同じ話題を相手に振るときに使います。What about ~? (~はどう?)も同様ですが、How about . . . ?の方がやや丁寧な言い方になります。ほかにも、How do you find doing?(~するのはどう思う?)、What do you find?(どう思う?)、What do you think about ~ ?(~はどう思う?)などで話を振ってもいいでしょう。

Can you think of any?(何か思い付くものがある?)

I’m thinking about places to go during vacation. Can you think of any?
休み中に行きたい所を考えているんだけど。どこかいい所ない?

「何か思い付くものがありますか?」と相手にアイデアやアドバイスなどを求めるときに使える表現です。

How would you define ~?(君なら~はどう定義する?)

I often hear our friend Jim is a successful businessman. How would you define success?
友人のジムは大成功しているビジネスマンだってよく聞くけど、君なら「成功」ってどう定義する?

define(定義する)は会話では難しい単語と思うかもしれませんが、How would you define ~? などの形で、相手に定義を尋ねるのに使われることがあります。

Have you ever had the experience of ~?(~したことはある?)

Have you ever had the experience of sharing a room?
君はルームシェアしたことがあるかな?

「~したことはある?」と相手に経験の有無を尋ねる表現。前の発言を受けて相手の経験について聞くにはWhat about for you, in your experience?(あなたの経験からはどう?)なども使えます。また、上の例のように現在完了を用いて経験を問う表現にはほかに、Have you ever heard of ~ ?(~を聞いたことはある?)、Have you ever thought about doing?(~することを考えたことはある?)などもあります。

Like what?(例えば[何]?)

A: I want to have some ethnic food for lunch.
B: Like what?

A: お昼にエスニック料理を食べたいなあ。
B:例えば?

相手の話した内容について、具体例を挙げてもらいたいときに使えるフレーズです。また、Like who?とすると「例えば(誰)?」の意味になり、下の例のように使うことができます。

A: I like good-looking guys.
B: Like who?

A: イケメン好きなんだ。
B: 例えば誰?

What else?(他には?)

A: I want you to get some bread at the grocery store.
B: What else?

A:食料品店でパンを買ってきてほしいな。
B:他には?

相手がひと通り話した後で「他には?」と、相手にさらなる情報や指示がないか尋ねるときに使います。上の B の発言は、What else do you want / need?の省略形です。

話を展開する

「~について教えて」と相手に説明を求めたり、「それで思い出したんだけど、そういえば・・・」などのように、相手の話を受けて話を展開させたりするときのフレーズを見ていきましょう。

Tell me about ~(~について教えて)

Tell me about your school.
君の学校について教えて。

「~について教えて」と、相手に説明を求める表現です。話題を転換する際には So, tell me,(ところで聞きたいんだけど、)と切り出し、その後に質問を続けるのがいいでしょう。

Speaking of ~(~といえば)

Speaking of books, I really loved the Little House on the Prairie books.
本といえば、ものすごく好きだったのが『大草原の小さな家』の本。

相手が話題にした物事を受けて、話を展開させる際に使うフレーズ。具体的な語句ではなく、Speaking of which, . . .(それに関して言えば、・・・)と言うと、相手の発言を全て受けることができます。

It reminds me, . . .(それで思い出したんだけど・・・)

It reminds me, we actually had friends of our family who had lived together for many years and then decided to get married.
それで思い出したけど、僕たち家族の友達にも、実際、長年一緒に住んでいて、やっと結婚することを決めた人がいたよ。

相手の発言を受けて、「それで思い出したんだけど、そういえば・・・」と新しいを展開する際に用いるフレーズ。類似の表現に、That/Which reminds me, などもあります。

前置きをしてから話を展開する

「まず何より・・・、まず第一に・・・」と、順序や手順を説明したり、「でも、実際には~」とそれとは逆の内容、または相手が意外に思いそうな内容などを述べる際の前置きをするときのフレーズを見てみましょう。

First of all, . . . (まず・・・)

First of all, . . .
まず・・・

順序や手順を説明したり、物事を列挙したりするときに「まず・・・、第一に・・・」と切り出すのは重要なこと。First of all, break some eggs into a bowl.(最初に、卵を割ってボウルに入れます)などのように使います。また、略して First(第一に)と言っても同じですが、似た形の At first, ...(初めは・・・[だが・・・])は順序の説明や列挙には使えません。なお、2番目以降の話は Second(第二に)、Next(次に)、Lastly(最後に)などと続けます。

But I actually . . .(でも、実際には・・・)

I was hoping to go to a prom every year. But I actually didn’t go to my senior prom.
プロムには毎年行こうとしたんだ。でも、実際には最終学年のプロムには行かなかったな。

先に述べた内容に続き「でも、実際には・・・」とそれとは逆の内容、または相手が意外に思いそうな内容などを述べる際に使える表現です。

Another interesting thing to think about, related to this discussion, is real-life heroes.
この話に関連してもう一つ考えると面白いのは、実在のヒーローだよね。

次の話題へと展開する際に、唐突に新しい話を持ち出すのではなく、「この話に関連して・・・」と前置きすることで、関連する別の話題にスムーズに移ることができます。

前置きをしてから質問する

話の流れを遮っていきなりの質問にならないような前置きに便利なフレーズを見てみましょう。

Another thing I’d like to ask you about is . . . ,(もう一つ、あなたに聞きたいことがあるんだけど・・・)

Another thing I’d like to ask you about is when you were growing up, what are, or were, some of your favorite homemade foods?
もう一つ、君に聞きたいことがあって、子どものときのお気に入りの家庭料理は、何かな?

話の流れを遮っていきなり質問するのではなく、「もう一つ、あなたに聞きたいことがあるんだけど・・・」と前置きするのは、マナーとして大切なこと。want toではなくwould like toを使って、相手を尊重するのがポイントです。

相手の注意を引く

相手に提案や説明をする際に、相手の関心を引き付けるためのフレーズを見てみましょう。

I’ll tell you what.(こうしよう、いい考えがある)

相手に提案や説明をする際に「こうしよう、いい考えがある」と言い、注意・関心を引き付けるためのフレーズ。カジュアルな会話では、略してTell you what.(いい考えがある)と言います。また、より重要な話を切り出す場合は、I’ll tell you something.(ちょっといいかな)を使うといいでしょう。

次回は、「相づち・受け答え」の表現をご紹介します。どうぞ、お楽しみに。

武藤克彦(むとうかつひこ)
武藤克彦(むとうかつひこ)

東洋英和女学院大学准教授。上智大学大学院博士課程修了(言語学)。大学で英語や留学指導、第二言語習得や英語学などを講義する傍ら、民間の英語教育の発展にも尽力している。近年では『起きてから寝るまで』シリーズ(共著、アルク刊)などの著書に加え、『大人の書込み式英文法手帳』(三修社)、『公式TOEIC Listening & Reading 800+』(ETS)、『国連英検過去問題集特A級』(三修社)などの制作にも携わっている。

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