英語ニュース読解に必要な英語力とは?

『ENGLISH JOURNAL』11月号の特集は「英語ニュースの正しい読み方」。その中の記事「英語ニュースの読み方」の一部をご紹介します。

英語ニュースに触れるために必要な基礎力は?ニュースの探し方、読み方は?時事英語で英語力を伸ばすためのこつを『英語の読み方―ニュース、SNS から小説まで』の著者、北村一真さんに教えていただきます。

英語ニュースの理解に必要な前提とは?

基礎力なしで聞いて読んでも英語力は伸びない

英語ニュースを読んだり聞いたりすることを目標とする場合、新聞記事やニュース動画などを使った実践的な訓練につい目が行きがちです。しかし、ニュースで使われる英語は必ずしも易しいわけではないので、基礎力がないままに記事を眺めたり、動画を聞き流したりしても、効率的に力を付けることはできません。

英語の文章を理解する上で必要となる基礎力を語学面から言うと、ずばり「文法力と語彙力」になります。文法力については、大学受験レベルの英文をきっちりと正しく解釈できる力が必要です。

例えば、That he didn’t take up the offer matters little.という英文を見て、すぐにThat ~ offer が主語(S)、mattersが動詞(V)、littleが否定的ニュアンスを含む副詞ということが分かり、「彼がそのオファーを受けなかったことは重要ではない」という意味だと理解できる どうか。

こういった力が不足していると感じる人は、まずは大学受験レベルの読解参考書などにひととおり取り組んだ方がよいでしょう。

一方、語彙力については大学受験レベル以上の力が必須になります。

次の単語リストは、イギリスの英字新聞「The Guardian」のある記事から抜き出してきたものです。いずれも、英語ニュースを読んだり聞いたりしているとよく出てくると思われる単語です。

vertiginous
目まいがするような

unequivocal
曖昧でない、明確な

intimidate
~を怖がらせる、~を脅す

quixotic
ドン・キホーテ的な、非現実的な

genuflect
膝をつく、ひれ伏す

どうでしょうか。大学受験レベルではあまり問われることのない、英検準1級や1級レベル以上の難単語ですが、英字新聞やニュース動画には、こういったものもそれなりの頻度で出てくるため、学生時代に英語がかなり得意だったという人でも語彙については苦戦する傾向があります。早い段階で英検準1級レベル以上を対象とした単語帳などに取り組んでおくのがおすすめです。

「読む・聞く」ニュース素材の探し方

インターネットの利便性を存分に活用

前項で紹介した基礎力の問題がクリアできれば、新聞記事やニュース動画などを用いた実戦訓練に入って問題ありません。とはいっても、ニュース素材をどのように入手すればよいか分からないという人もいるかもしれません。もちろん、駅の売店やコンビニエンスストアで英字新聞を購入したり、大規模書店に行って英字雑誌を購入したりしてもよいですが、販売している店舗が限られており、住んでいる地域などによっては入手がやや困難な場合もあります。やはり、インターネットの活用がポイントになるでしょう。

個人的におすすめする方法は、SNSのTwitterで自身のアカウントを作成し、そこで多彩な英語ニュースメディアや記者やリポーターの公式アカウントをフォローして、頻繁にチェックすることです。それぞれのメディアが投稿しているツイートの英文を読むだけでも英語に触れる機会になりますし、そのツイートに貼られているリンクから記事本文を確認することもできます。記事によっては無料で全文を読むことも可能です。

リスニングの練習も兼ねてニュース動画を視聴したい場合はYouTubeが頼もしい味方になってくれます。各国の多彩な英語ニュースメディアがYouTubeにチャンネルを有しており、さまざまな報道を無料で視聴することができるからです。

ただし、リスニングが得意ではないという人の場合、まずは事情をよく知っているトピックを扱ったニュースで慣らした方がよいでしょう。「Nippon TV News 24 Japan」 や「NHK World-Japan」のチャンネルなどは日本の出来事や文化をテーマにしたものが多く、話している英語も英語圏のニュースに比べると聞き取りやすいので、取っ掛かりとしておすすめできます。

このように、新聞記事であれニュース動画であれ、インターネットを十分に活用すれば、無料でかなりの学習素材を探し出すことができます。ぜひ、活用しましょう。

英語ニュース、3つのルール

英語ニュースを読む上で知っておいた方がよい特徴としては、「見出しの特殊な文法」「本文でよく使われる表現法」「記事の構成」の3つのルールが挙げられます。詳細についてはEJ2021年11月号の特集で、ぜひご確認ください。

トップ画像: Kaboompics .com(Pexels)

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