「辛辣な言葉」は英語でなんて言う?米中会談は冒頭から「深い懸念」「内政干渉に反対」などの応酬

ビジネスの場で英語を話すなら、国際情勢や経済動向、企業戦略など、世界の最新事情に触れる機会が必ず訪れます。そんなとき、「今話題のあれを英語でなんて言うのか」を学ぶのに最適の素材が英語のニュースです。日経LissNで配信されている最新情報を、英語講師の天満嗣雄先生がわかりやすく解説します!

今回のニュース

ブリンケン米国務長官と中国の楊潔?共産党政治局員との会談に関するニュースです。冒頭から安全保障や経済、人権問題など に関して 激しい応酬が 展開 され、米中関係の悪化を象徴する形になったとのことです。

Barbs exchanged from the outset of US-China talks, with words like “deep concern ” and “opposition to interference in internal affairs”

米中会談、冒頭から応酬「深い 懸念 」「内政干渉に反対」

2021年4月1日に配信されました。

まずは聞いてみよう!

音声は以下から聞くことができます。一体、どんなことが話されているのか、概要を 把握する つもりで聞き取りましょう。

※ノーマルスピード(1倍速)の音声です

理解度をチェック!

ニュースの内容について、しっかり聞き取って理解できているか確認しましょう。次の問題について、正解の選択肢を選んでください。

Which statement is true?

(A) From the beginning of the meeting, no remarks were exchanged over topics such as security, economy, and human rights issues.
(B) From the beginning of the meeting, remarks were exchanged over topics such as security, economy, and human rights issues.
(C) At the end of the meeting, remarks were exchanged over topics such as security, economy, and human rights issues.

詳細を聞き取ろう

今度は、スクリプトや翻訳を確認しながら、もう一度音声を聞いてみてください。聞き取れていなかった箇所や、意味がわからなかったところなどを重点的に確認してください。

スクリプト

Barbs exchanged from the outset of US-China talks, with words like “deep concern ” and “opposition to interference in internal affairs”

On the 18th, US Secretary of State Blinken met with Yang Jiechi, the director of the Central Foreign Affairs Commission Office of the Chinese Communist Party in Alaska. This is the first time under the Biden administration that the top diplomatic leaders from the US and China have met face- to -face. From the outset, there were barbs exchanged over topics such as security, economy, and human rights issues.

The high- level US-China talks began on the afternoon of the 18th local time (the morning of the 19th Japan time) and are scheduled to last for two days, until the 19th. The meeting was also attended by National Security Advisor Sullivan from the US and State Councilor and Foreign Minister Wang Yi from China.

The two sides argued fiercely from the outset, and it once again became clear that US-China relations have deteriorated enough to be dubbed a “new Cold War.” In Blinken’s initial remarks, which were over two minutes, he offered severe criticism, saying, “We will discuss our deep concerns with the Xinjiang Uyghurs, Hong Kong, Taiwan, cyberattacks on the US and economic coercion of our allies. These actions threaten the rules-based order that maintains global stability .”

Yang argued for nearly 20 minutes, saying “China is firmly opposed to US interference in China’s internal affairs.” He argued that “the United States has exercised suppression through the use of force or financial hegemony,” and pointed a finger at the issue of the treatment of Black Americans, saying, “We hope that the United States will do better on human rights.”

翻訳

米中会談、冒頭から応酬「深い 懸念 」「内政干渉に反対」

ブリンケン米国務長官は18日、中国の外交担当トップ、楊潔?(ヤン・ジエチー)共産党政治局員とアラスカ州で会談した。米中の外交トップが対面式で会うのはバイデン政権では初めて。安全保障や経済、人権問題などを巡って冒頭から激しい応酬となった。

米中高官協議は現地時間18日午後(日本時間19日午前)に始まり、19日まで2日間の予定だ。米国からはサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)、中国からは王毅(ワン・イー)国務委員兼外相が同席した。

双方は冒頭から激論を交わし、「新冷戦」と称されるほどに悪化している米中関係が 改めて 鮮明になった。ブリンケン氏は2分あまりの冒頭発言で「新疆(しんちゃん)ウイグルや香港、台湾、米国へのサイバー攻撃や同盟国への経済的威圧について深い 懸念 を議論する。これらの行動はルールに基づく秩序を脅かしている」と厳しく非難した。

楊氏は「内政干渉には断固として反対する」と20分近くにわたって反論した。「米国は軍事力と金融覇権を用い、他国を抑圧している」と 主張 し、黒人問題を取り上げて「米国こそ人権でよりよい対応を取るよう 希望 する」などと指弾した。

覚えておきたい単語リスト

ニュースに出てきた表現のうち、難しいものや、特に知っておいた方がいいものをまとめました。一つずつ、意味を確認してください。

  • diplomatic :外交の
  • outset:冒頭、最初
  • barb:辛辣な言葉
  • fiercely:激しく、猛烈に
  • deteriorate:悪化する
  • dub:称する
  • coercion:威圧
  • ally :同盟国
  • order :秩序
  • internal affairs:内政問題
  • exercise:行う、行使する
  • suppression :鎮圧、弾圧
  • hegemony:覇権 
  • point a finger:指弾する

ニュースのポイント

第1段落はニュースの概要です。Yang Jiechi, the director of the Central Foreign Affairs Commission Office of the Chinese Communist Partyは、人名の後に役職名を追加して説明するパターン。outsetは「冒頭」という意味でニュースでは頻繁に使われます。there were barbs exchanged over topics以降の部分は主語barbs(辛辣な言葉)をその状態を表す過去分詞を中心とする句exchanged over topics以降が説明している形です。

第2段落のtalksは「会談」の意味で通常、複数形で用いられます。lastに「続く」という意味の動詞の用法があるのは大丈夫でしょうか。

第3段落のit once again became clear のように、主語と動詞の間に動詞を修飾する副詞や副詞句が入ることはかなり頻繁に起こりますので、慣れるように繰り返して聞いたり口にしたりすると良いでしょう。dubもニュースではよく耳にします。dub A ( as ) Bという形で使われて「AをBと呼ぶ」という意味になります。「米中関係が「新冷戦」と呼ばれている」ということですね。 order という言葉はいろいろな訳語が当てられますが、ここでは「秩序」の意味で、ules-based order 全体では「ルールに基づく秩序」ということ。

アメリカ側の 主張 が述べられた第3段落に続き、第4段落は中国側からの反論ですね。最後の文のsaying以下は文の前半部分にさらなる情報を追加するための便利な構造でニュースでは頻出です。

今週のキーワード

exercise行使する
「運動、体操、体を動かす」などのイメージが強いexerciseには「行う」や「(権利や権力などを)行使する」という意味もあり、前者は文中に登場します。exercise the right to vote(議決権を行使する)が後者の例です。

クイズの正解">クイズの正解

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いかがでしたか?来週はどんなニュースが飛び込んでくるのでしょうか。毎週月曜日の 更新 をお楽しみに!

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天満嗣雄(てんまひでお) 中学・高校時代にNHKラジオの語学番組で英語を学び、神戸大学ESSを経て英会話学校に就職。学校運営・レッスン(英会話・国連英検・TOEIC・Speech)および、講師研修を担当。企業派遣講師を経てプロセス英語会を開設。専門学校や企業でも教える。著書に『 TOEIC(R) L&Rテスト Part 3&4 鬼の変速リスニング1 TTT速習シリーズ 』『 TOEIC(R) L&Rテスト 「直前」模試3回分 (いずれも共著、アルク)などがある。
ホームページ: https://processeigo.com/
Twitter: @ProcessE

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