アジア系ヘイトで逮捕された男はlifetime parole中だった!【ニュース音声付き】

世界で起こっている話題のニュースをピックアップ。注目のキーワードから深掘りし、ニュースをひもときます。今回はアメリカで広がるアジア系ヘイトクライムの事件で、男が逮捕されたニュースです。

※本記事は『ENGLISH JOURNAL』2021年7月号に掲載した記事を再編集したものです。

ニュースの概要

アメリカのニューヨーク市で、アジア系の女性が男に暴力を振るわれている動画がソーシャルメディアで拡散され、話題になりました。動画に音声はありませんでしたが、ニュースによると、男はアジア人に対する差別的な発言もしていたようです。

また、動画に映っている2人のドアマンが助けもせずに扉を閉めたシーンも衝撃として話題になりましたが、後にこのビルのオーナーは2人を解雇したことを発表しています。

写真:ロイター

注目Keywords

felony assault

凶悪な暴行

felonyは「重罪」という意味で、アメリカの場合は一般的に、刑罰が1年を超える禁錮から死刑までの犯罪を指すようです。禁錮1年以下の罪は、misdemeanor(軽罪)となります。assaultは「身体的な暴行や攻撃」のことですが、 verbal assaultといえば「言葉による攻撃や非難」を意味します。

lifetime parole

終身仮釈放

paroleは「仮釈放、仮出獄」のことです。似た言葉にprobation(保護観察または執行猶予)があります。probationは、刑務所で刑期を過ごす代わりに、社会での更生を目指すという考えである一方で、paroleは、行動が良好であるなど一定の条件のもと、刑期満了前に刑務所から釈放する、という措置です。

今回逮捕された容疑者は、以前の事件でlifetime paroleであったことから仮釈放されたものの、その行動は生涯、観察の対象になっていたことになります。

against Asian Americans">hate crimes against Asian Americans

アジア系アメリカ人へのヘイトクライム

被害者の女性は、教会へ向かってただ歩いていただけのところを襲われてしまいました。このように「アジア人だから」というだけで攻撃される事件がアメリカで急増しており、被害者が死亡したケースも報道されています。被害を受けているのは主に女性やお年寄りで、新型コロナウイルス感染症の発生源が中国とみられていることも一因とされています。

ニュースをチェック

case ">NYPD arrests man in Asian hate crime case

Police on Wednesday (March 31) arrested a man (1)suspected of attacking an (2)elderly Asian woman in New York City and (3)charged him with felony assault as a (4)hate crime.

Police identified the suspect as 38-year-old Brandon Elliot. The (5)NYPD said in a statement to Reuters that Elliot was already on lifetime parole for murdering his mother. The NYPD’s hate crimes force had been looking for the (6)assailant since Monday afternoon, after a man punched and kicked a 65-year-old woman, (7)knocked her to the ground and (8)stamped at least three times on her head. He also made (9)anti-Asian statements.

Videos posted on social media showed witnesses (10)at the scene did not try to protect her and one man shut the door of a (11)nearby building while the (12)attacker (13) casually (14)walked away. The police also confirmed that the victim (15)sustained a serious physical injury.

The (16) incident , which happened on a street in (17)Midtown Manhattan, is one among many (18) rising hate crimes against Asian Americans . According to the (19)Center for the Study of Hate and Extremism, such crimes rose by roughly 150 percent in 2020 in 16 major cities compared with the year (20) prior .

(cReuters, April 1, 2021)

対訳はここから確認できます↓
https://ej.alc.co.jp/entry/news-spotlight

(1)suspected of ~ ~と疑われている ★2段落目のsuspectは名詞で「容疑者」の意。 (2)elderly 高齢の (3) charge A with B AをBで告訴する (4)hate crime ヘイトクライム ★人種、宗教、性的指向などで特定の属性を持つ人に対する、偏見や憎悪が元で引き起こされる犯罪行為。2段落目のhate crimes force は「ヘイトクライム専門の部隊」の意。 (5)NYPD ニューヨーク市警察 ★=New York Police Department。 (6)assailant 加害者 (7)knock A to the ground  Aを殴り倒す (8)stamp on ~ ~を踏みつける (9)anti-Asian 反アジア人の ★ anti-は「反対、反抗」を表す接頭語。 (10)at the scene 現場で (11)nearby すぐ近くの (12)attacker 攻撃者 (13) casually  何げなく、何事もなかったように (14)walk away 立ち去る (15) sustain  ~を受ける、~を被る (16) incident  事件 (17)Midtown ミッドタウン ★ニューヨーク市マンハッタンの地区。 (18) rising  増加している (19)Center for the Study of Hate and Extremism ヘイト・過激思想研究センター ★カリフォルニア州立大学の研究機関。extremismは「過激思想」の意。 (20) prior  前の
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  • 作者:

    松丸さとみ フリーランス翻訳者・ライター。学生や日系企業駐在員としてイギリスで計6年強を過ごす。現在は、フリーランスにて時事ネタを中心に翻訳・ライティング(・ときどき通訳)を行っている。訳書に 『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』 (日経BP)、 『限界を乗り超える最強の心身』 (CCCメディアハウス)、 『FULL POWER 科学が証明した自分を変える最強戦略』 (サンマーク出版)などがある。
    Blog: https://sat-mat.blogspot.jp/
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