「英語のリーディング力を上げたいけど、受験勉強みたいにゴリゴリやるのはちょっとなぁ・・・」。そんな方におすすめの本をご紹介。英文を楽に読み進めるスキルが身に付きます。
英語のリーディング力を上げるには?
大人が英語やり直しを実践しようとしたとき、意外と 取り組み づらいのがリーディングではないでしょうか?
単語や文法はゴリゴリ覚える、リスニングは取りあえず英語の音源を聞いてみるなど、 すぐに 実践できることがありますが、リーディングはネットの英文記事を読んでみても、わからなければつい放置してそれまで(個人の見解です)。
かといって、受験勉強のように一文一文を細かく読み解くような勉強も、「この年になってちょっとねぇ」という感じがしますよね。
そこでおすすめしたいのが、この本『日本語脳のまま英文がスラスラ読めるすごい英語読解術』。
日本人が英語を苦手とする理由やその対処法がわかり、リーディング力を伸ばす学習方法が身に付きます 。
英語が苦手なのには理由がある!
そもそも 、「日本人が英語を苦手とするのには理由がある」というのがこの本の 主張 。大きく 影響 しているのは語順の違いです。「そんなの当たり前じゃん」と言うなかれ。次の文章を見てください。
I went to school yesterday.英語でも日本語でも簡単な文章ですね。しかし、英語と日本語では、読み手の理解の仕方に違いがあります。私は昨日学校へ行きました。
英語の場合、I went to school yesterday. という文章を目にしたら、「I、went、school・・・」と、単語を前から順番通りにイメージしていくと、発信者の言いたいことがわかります。
しかし、日本語の場合はそうはいきません。「私は、昨日、学校へ」まで読んでも、最後に「行きました」がくるか「行きませんでした」がくるかで、まったく逆の内容になってしまいます。
つまり日本語の場合は、単語を順に追うのでは文全体のイメージがつかみづらく、「私は昨日学校に行きました」と、1文がまとめて視界に入った方がわかりやすいのです。
まとめるとこうなります。
英語→前から順に読むことでイメージを作ることができる日本語→ブロックをまとめてイメージを作る
英語は語順通りに読んでいこう!
①英単語を日本語に置き換えながら読む
英文を読むときには、「前から順に読むことでイメージを作ることができる」という英語の性質を生かせば、より簡単に読めます。
本書で例文として掲載しているのがこちら。日本でもよく知られている児童文学『ドリトル先生アフリカゆき』の冒頭の一説です。
Once upon a time, many years ago ? when our grandfathers were little children ? there was a doctor; and his name was Dolittle ? John Dolittle, M.D. “M.D." means that he was a proper doctor and knew a whole lot.まずは、英単語を順番に日本語に置き換えて読んでいきます。ポイントは、 冠詞や単数、複数の違い、前置詞などもすべて意識して読む ことです。
本書では難しい単語はリストにまとめられていますが、わからない単語は 事前に チェックしておきましょう。
1文目から順に、単語を語順通りに追っていきます。
Once upon a time, many years ago ? when our grandfathers were little children ?次の英文はこちら。昔々 何年も前 いつかというと わたしたちの祖父たちが 小さな子どもだった
there was a doctor; and his name was Dolittle ? John Dolittle, M.D.最後の文はこれ。そこに いた ある 医者 そして 彼の 名前は ドリトル ジョン ドリトル MD
“M.D." means that he was a proper doctor and knew a whole lot.英語は「前から読んでいってイメージが組み立てやすくなるような構成」になっています。単語のイメージをどんどん追加しながら読んでいきましょう。MDは 意味する 彼は ある資格を持った 医者 そして 知っている 多くを
ここで注意したいのは、文の途中で/(スラッシュ)を入れて区切り読みしないこと 。ブロックごとに分けるのではなく、一語一語を語順通りに丁寧に読むことを、本書ではすすめています。
スラッシュを入れながら読む方法も 有効 ではあるのですが、例えばTOEICでは問題文に書き込みができません。また、長い英文を大量に読むときには、スラッシュごとに返り読みをしていると 時間がかかる ので、最初から避けておいた方がよさそうです。
②時間を計りながら繰り返し読む
さて、いよいよ英語を英語のまま理解するトレーニングです。
方法は簡単で、 時間を計りながら数回繰り返して読むだけ 。本書では6回トライすることをすすめています。
最初は日本語が頭に浮かんでしまうかもしれませんが、2、3回目くらいから日本語が気にならなくなります。
本書では課題として、500語程度の都立高校の入試問題の長文を、7題掲載しています。これを、それぞれ5分程度で読めるようになるまで繰り返しましょう。
さすがにこれは簡単過ぎるという方は、先ほども出てきた『ドリトル先生アフリカゆき』から4題、『ジャパンタイムズ』の記事も2題掲載されているので、こちらを素材にトレーニングしてください。
目的に合った素材でどんどんリーディング
本書の著者、永田啓一さんは、もともと東京大学工学部出身。東大大学院の修士課程を修了後、メーカー勤務を経て、現在は埼玉県で、小・中・高校生を対象とした塾を経営しています。
本書で公開している学習法は、生徒たちと日々向き合う中で確立された、効果が実証されているもの。この学習法で身に付けたリーディング力は、入試を突破するだけでなく、その後の人生にも大きく役立ちそうです。
そして、高校受験レベルの簡単な英文を素材にしているからこそ、英語が苦手な大人にもうってつけ。英単語を覚える方法や、基本レベルの英文法についても解説しているので、英語を基礎からやり直すことができます。
この本で学習法を身に付けたら、あとはTOEICの問題や英語ニュースなど、自分の目的や興味に合った素材でトレーニングするとよさそうです。
また、英語多読にチャレンジしたい方の、ウオーミングアップにも最適。ぜひ手に取ってみてください。
文:尾野七青子
都内某所で働く初老のOL兼ライター。都立高校の入試問題が意外に長文でびっくり!
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語学一筋55年 アルクのキクタン英会話をベースに開発
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