英語を読めば意味は分かるのに、ネイティブの会話になると急に聞き取れなくなる――。そんな経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。今回は、“発音の鬼”として知られるリチャード川口さんの英語学校「RK English School」を取材。ネイティブ発音を身に付けるための考え方や、実際のレッスンの様子を紹介します。
目次
なぜネイティブの英語は聞き取れないのか?

「英語は読めば分かるのに、聞くと分からない」。
英語学習者の多くが抱えるこの悩みについて、リチャードさんは次のように話します。
自分が思っている音と、実際にネイティブが発している音が大きく食い違っているから。
例えば “Take it easy.”。
日本語のカタカナでは「テイク・イット・イージー」と覚えがちですが、実際の発音はもっと滑らかにつながり、「ていけり゙ぃずぃ」のように聞こえます。
Take it easy.
ていけり゙ぃずぃ
この「自分の中の音」と「実際の音」のギャップが、英語を聞き取れない原因になっているのです。
発音できる音は、聞き取れるようになる

ネイティブの発音を聞き取れるようになるには、まず自分自身がその音を出せるようになることが重要だとリチャードさんは言います。
実際にネイティブと同じように発音できるようになると、自分の中の「音のイメージ」が変わり、リスニングでも自然に認識できるようになるそうです。
つまり、
- カタカナ英語との違いを知る
- 実際の音を体で覚える
- 自分で発音できるようになる
という流れが、リスニング力向上にも直結しているということです。
RK English Schoolの「発音」レッスンを体験

RK English Schoolの「発音」クラスは、毎週火曜日18:45スタート。この日は仕事帰りの社会人が多く参加しており、遠方からSkypeで参加している人もいました。
授業前には無料の英会話ラウンジが開放されていて、ネイティブ講師と自由に会話できるのも特徴です。
授業は日本語と英語を交えながら進みます。

So, how are you doing?
(さて、調子はどう?)

I’m exhausted.
(すごく疲れています)
するとリチャードさんは、“exhausted” の発音を細かく分解して解説していきます。

exhausted という単語は、ex(いぐ)・haus(ぞぁす)・ted(てぃっ)という3つの波がある。
一番気持ちを込めるのは真ん中の “haus” の部分!
さらに、口の開き方や舌の位置まで細かく指導。

exhausted の “ぞぁ” の部分は、指2本が入るくらい口を大きく開ける。
「あ」と「お」の間くらいの音を意識して。
単語をただ読むのではなく、
- どこに感情を乗せるか
- どこを強く発音するか
- どこをあいまいにするか
まで含めて練習していくのが印象的でした。
英語は「滑舌が悪い」?

リチャードさんが繰り返し強調していたのが、
英語の発音は、滑舌が悪い。
という考え方です。
日本語は比較的、一音一音をはっきり発音します。しかし英語では、強く読む部分と、あいまいに崩す部分の差が大きいそうです。
だからこそ、日本語的に全ての音を均等に読んでしまうと、ネイティブの英語とは違うリズムになってしまいます。
「発音」の授業は、実践型のトレーニング

授業では、その場で出てきた単語やフレーズを使って発音練習を進めていきます。
ネイティブ講師が自然に使った表現をそのまま教材にするため、毎回内容が変わるのも特徴です。
また、生徒は授業中に出てきた単語を書き留め、自分だけの「発音ノート」を作成していきます。
単なる単語帳ではなく、
- 実際に使った言葉
- 自分が言いたかった表現
- 会話の中で出てきた自然な英語
だけが蓄積されていくため、実践的な語彙が自然に増えていく仕組みになっていました。
ネイティブ発音を身に付ける3つのポイント
最後に、リチャードさんに「ネイティブ発音を身に付けるポイント」をまとめてもらいました。
POINT
① 一つの発音を徹底的に練習する
日本語にない音は、「なんとなく」ではなく、音の出し方を理解した上で体に覚え込ませる。
② 感情を込める
英語は感情を乗せる言語。意味だけではなく、「どんな気持ちで言うか」が発音にも表れる。
③ 英語は滑舌が悪いと理解する
英語は、はっきり読む部分と崩す部分の差が大きい。音の強弱や省略を意識することで、ネイティブの発音に近づく。
実際にレッスンを受けて感じたこと
1.とにかく授業が楽しい
発音というと、単調に音読するイメージを持つ人もいるかもしれません。
しかし実際の授業は、リズムを取ったり、体を使ったりしながら進み、まるでボイストレーニングのようでした。
2.先生たちが全力で盛り上げてくれる
講師陣は、生徒がうまく発音できるまで何度も引き出してくれます。
「もっとこう!」「今のいい!」とテンション高く盛り上げてくれるので、自然と声も出るようになります。
3.“生きた英語” を学べる
授業では、スラングや自然な言い回しなども交えながら進行。
単なる発音矯正ではなく、「実際にネイティブがどう話すか」まで学べるのが魅力でした。
レッスン動画はこちら
リチャード川口さんの「発音」レッスンの様子は、こちらの動画でも見ることができます。
ENGLISH JOURNAL 2020年2月号では発音特集も
ENGLISH JOURNAL 2020年2月号では、リチャード川口さんによる16ページの発音特集を掲載。
読者モニターが1週間の発音トレーニングに挑戦し、Before & After の音声付きで成果を紹介しています。

RK English School

2013年にリチャード川口が立ち上げた、講師全員がバイリンガルの英会話スクール。無料の英会話ラウンジや、「発音」「表現力」「英語脳」「TOEIC」等の技術の習得に特化しているのが特徴。留学しなくてもネイティブと対等にコミュニケーションができる「イケてる英語」が楽しく習得できる。
編集・取材:伊藤忍
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