3分あれば、学べることがたくさんあります!TOEIC 対策特化型スクール「トイク゛ル」の講師であり、代表の田邉竜彦(たなべ たつひこ)さんに、3分で英語の上達法を教えていただく連載。3回目の今回は、英語勉強をやり直したい方に、安心して取り組める勉強法を教えていただきます。
こんにちは。トイグルの田邉竜彦です。現在、ビジネスパーソンに必須のスキルが英語力です。
外資系企業に勤めている方は、電話会議等で日常的に英語を使う機会があるでしょう。国内企業でも、海外の取引先と英文メールでやり取りをしたり、TOEIC スコアを人事評価に使用するケースが増えてきました。
しかし、英語学習のやり直しに苦労する方は少なくありません。あなたは次のような悩みを持っていませんか?
- 英語を何から勉強すればいいのか分からない
- 英語をどうやって勉強すればいいのか分からない
- 使える英語力を身に付けたい
この記事では英語をやり直す社会人の方に向けて、5つの英語勉強法を提案します。どれも教材1つあれば一人でできる方法です。ぜひとも試してみてください。
音読
音読とは英語の文を声に出して読む勉強法です。英文の認識能力が上がるので、文章を流暢に読めるようになります。
音読のやり方はシンプルで、英文を1行ずつ声に出しながら、ゆっくり丁寧に読み進めます。市販の音読用教材、あるいは資格用問題集など、どんな文章を使っても構いません。
初めから完璧な音読を目指す必要はありません。最初は誰もがスムーズに読めないものです。まずは1カ月間続けて、英語に慣れる感覚をつかみましょう。
スラッシュリーディング
スラッシュリーディングとは、英文に「/(スラッシュ)」を入れながら読んでいく練習法です。文の区切りを意識できるので、文法能力が向上します。例を見てみましょう。
The class schedule / is / available / on the website / from tonight.
時間割は、見られるようになる、ウェブサイト上で、今夜から。
ここでは、主語(The class schedule)、述語動詞(is)、補語(available)、その他(on the websiteとfrom tonight)で文を区切りました。 構造が明確になるので、複雑な文も読みやすく なります。
英文を読む場合、事前にスラッシュリーディングをやってみましょう。 読解の精度が抜群に上がり ます。
ディクテーション
ディクテーションとは英語の音声を書き取る練習法です。 聞き取り能力が良くなるほか、単語力や文法力も向上 します。
ディクテーションは市販の英語教材の CD、TOEIC 公式問題集の音声などを使いましょう。事前に知らない単語を調べ、音声を軽く聞いて、耳を慣らしておくといいですよ。
準備ができたらディクテーションの開始です。音声を再生したら、英文を一言一句紙に書き取っていきます。途中で音声を止めたり、繰り返し聞いても構いません。スペリングがあいまいな場合でも、カタカナで書いたりせずに、できるだけ英語のまま書き、冠詞や前置詞など、弱く発音される語句にも注意します。
ディクテーションをするには一定の時間が必要ですが、やればやるほど習熟度が増し、書き取り速度が上がります。リスニングに苦手意識のある方におすすめです。
シャドーイング
シャドーイングとは英語の音声を聞きながら口ずさむ練習法です。英語の処理能力が上がるので、リスニングやスピーキング能力が向上します。
シャドーイングも事前準備が重要です。音声を何度か聞いて耳を慣らし、知らない単語を調べ、内容をある程度理解しておきましょう。
用意ができたらシャドーイングを始めます。音声が流れ始めたら、1単語から2単語遅れで英語を口ずさみます。聞こえた英語を追いかけるように、今聞こえている単語に重ねて声を出していきます。
シャドーイングは難易度の高いタスクなので、同じ音声を2度、3度使って繰り返し練習しても構いません。 慣れてくると頭の中に英語がぐんぐん入ってくる感覚をつかめます 。「英語が分かった!」と感じられるようになりますよ。
多読
多読とは文字通り英語の本をたくさん読む勉強法です。多読は読解力だけでなく、単語力、文法力も向上します。
多読のやり方はシンプルで、英語の本をゆっくり楽しんで読むだけです。書店では「ラダーシリーズ(※)」などの多読用教材が販売されているので、初めはそれらを使うとよいでしょう。
私の個人的な経験ですが、英語学習に伸び悩んだころ、 多読をしたら英文の理解度が一気に上がった ことがありました。多読は、 中・上級者の方が、一歩上のレベルに上がるのにおすすめ の方法です。
ピックアップ「ラダーシリーズ」
まとめ
この記事では独学でできる5つの英語勉強法を紹介しました。
内容をまとめると次のようになります。
- 音読で文字識別能力を上げる
- スラッシュリーディングで文法力を上げる
- ディクテーションで聞き取り能力を上げる
- シャドーイングで英語 処理 能力を上げる
- 多読で読解力を上げる
学習法に悩んでいる方は、1つずつ順番にやってみてください。英語力の着実な向上を実感できるはずです。この記事の詳細は トイグルのウェブサイト でご覧いただけます。
次回もお楽しみに!
編集:増尾美恵子
※「ラダーシリーズ」
使用する単語を限定して、やさしい英語で書き改められた、多読・速読に最適な英文リーダーです。巻末にワードリストが付属しているため、辞書なしでどこでも読書が楽しめます。また多くのラダーシリーズに日本語による補助的な解説も含まれています(登場人物の紹介や時代背景など書籍によって解説内容が異なります)。
使用語彙について
レベル1: 中学校で学習する単語 約1000語
レベル2: レベル1の単語+使用頻度の高い単語 約300語
レベル3: レベル1の単語+使用頻度の高い単語 約600語
レベル4: レベル1の単語+使用頻度の高い単語 約1000語
レベル5: 語彙制限なし
【トーキングマラソン】話したいなら、話すトレーニング。
語学一筋55年 アルクのキクタン英会話をベースに開発
- スマホ相手に恥ずかしさゼロの英会話
- 制限時間は6秒!瞬間発話力が鍛えられる!
- 英会話教室の【20倍】の発話量で学べる!
SERIES連載
思わず笑っちゃうような英会話フレーズを、気取らず、ぬるく楽しくお届けする連載。講師は藤代あゆみさん。国際唎酒師として日本酒の魅力を広めたり、日本の漫画の海外への翻訳出版に携わったり。シンガポールでの勤務経験もある国際派の藤代さんと学びましょう!
現役の高校英語教師で、書籍『子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ』の著者、大竹保幹さんが、「英文法が苦手!」という方を、英語が楽しくてしょうがなくなるパラダイスに案内します。
英語学習を1000時間も続けるのは大変!でも工夫をすれば無理だと思っていたことも楽しみに変わります。そのための秘訣を、「1000時間ヒアリングマラソン」の主任コーチ、松岡昇さんに教えていただきます。