知っている単語を組み合わせることで、英語で表現できる幅は広がります!「句動詞」の短い意味の塊をイメージで理解し、英語を発信するスキルをお届けする連載第2回。この記事では、「bring」を取り上げます。「変化をもたらす」「その件を持ち出す」「思い出がよみがえる」などを、bringの句動詞使って表すと・・・?
目次
ネイティブは単語をイメージで使いこなす!
句動詞は、基本動詞と前置詞・副詞の組み合わせ。「今の語彙力でもっと話せるようになりたい」、そんな方に速攻役立つ勉強法です。
前置詞 は、名詞の前に置いて、場所や方向、時など、名詞・代名詞の意味を補う言葉です。with、at、from などがあります。
副詞 は、形容詞や動詞を修飾する言葉で、very、quickly、often などがあります。
今日紹介するのは、「持ってくる」という意味の動詞 bring と、前置詞や副詞の組み合わせです。中学校レベルの語彙力でも、ネイティブ・スピーカーのように英語を感覚的に使いこなせるように、単語のイメージをクイズを通して紹介します。想像力を働かせて bring が持つイメージの世界に浸ってみましょう。
動詞「bring」は離れた所から持ってくるイメージ!
今回紹介する句動詞は、「bring +〇〇/1語」です。bring は「離れた所から持ってくる」というのが基本的な意味で、話し手の視点がある所へ移動するイメージがあります。
句動詞クイズ「bring +〇〇/1語」
動詞 bring と、前置詞や副詞の持つイメージを想像しながら、さっそくクイズを解いてみましょう。かっこの中の単語のどちらかを選びましょう。
Q1.
新しい大統領が変化をもたらすことを期待しています。
I hope the new president will bring ( about・back ) change.
Q2.
その件は今持ち出すべきではないね。
We should not bring ( up・around ) the matter now.
Q3.
その写真を見るとアメリカでの私の楽しい思い出がよみがえるんだ。
Those pictures bring ( back・on ) happy memories of my time in the US.
Q4.
彼女の天使のようなほほ笑みが、僕を精神的苦脳から救ってくれた。
Her angelic smile brought me ( through・over ) my mental distress.
Q5.
彼をようやく説得して、私たちの考えに同意してもらった。
We finally brought him ( about・around ) to our point of view.
Q6.
疲労はしばしば頭痛を引き起こします。
Fatigue often brings ( over・on ) headaches.
クイズの答え
Q1.
新しい大統領が変化をもたらすことを期待しています。
I hope the new president will bring ( about ) change.
- 「bring(もたらす)+ about(あたりに)」⇒ ~をもたらす、引き起こす
Q2.
その件は今持ち出すべきではないね。
We should not bring ( up ) the matter now.
- 「bring(持ってくる)+ up(近づいて)」⇒ ~を持ち出す
Q3.
その写真を見るとアメリカでの私の楽しい思い出がよみがえるんだ。
Those pictures bring ( back ) happy memories of my time in the US.
- 「bring(もたらす)+ back(戻って)」⇒ 記憶などをよみがえらせる
Q4.
彼女の天使のようなほほ笑みが、僕を精神的苦脳から救ってくれた。
Her angelic smile brought me ( through ) my mental distress.
- 「bring(もたらす)+ through(通り抜けて)」⇒ 難局を切り抜けさせる
Q5.
彼をようやく説得して、私たちの考えに同意してもらった。
We finally brought him ( around ) to our point of view.
- 「bring(持ってくる)+ around(回って)」⇒ ~を連れていく
(「人の意見を~の状態に持ってくる」というニュアンス)
Q6.
疲労はしばしば頭痛を引き起こします。
Fatigue often brings ( on ) headaches.
- 「bring(もたらす)+ on(表面に)」⇒ ~を引き起こす
前置詞と副詞のイメージをつかもう
about 「~について」「およそ」「あたりに、あたりを」
about には「あるものの周りに漠然とある」 というイメージがあります。
around 「~の周りを、~を回って」「~周りに、回って」「曲がって」「あちこちに」
around は、「あるものの周りを完全にぐるりと囲んで」 というイメージを持ちます。
back 「後ろへ」「戻って」
back のイメージは「あるものの裏側やその陰の所に」 です。
down 「下方に」「底に」「より劣悪な状態に」
down には「基準となる位置より下側にある」 というイメージがあります。
on 「表面に」「接して」「身に付けて」「続けて、先へ」「向かって」
on は 「あるものが別のあるものの表面に接触している」 イメージです。
over 「上に、覆って」「越えて」「終えて」
over のイメージは 「あるものの上を越える」 です。
through 「通り抜けて」「初めから終わりまで」「終えて」
through には 「あるものを通り抜ける、突っ切る」 というイメージがあります。
up 「上へ」「近づいて」「~し終わって」「ばらばらに」
up のイメージは 「基準となる位置より上側にある」 です。
bringの句動詞を使った例文
会話で使える「bring」を使った例文を紹介します。具体的な状況を想像して、声に出して言ってみましょう。
She brought up her three children all by herself.
彼女は女手一つで3人の子どもを育てたんだよ。
I'll bring her around to your house tomorrow.
明日、彼女を君の家に連れて行くよ。
She brought over some homemade pies.
彼女は自家製のパイを持ってきてくれた。
I hope the new president will bring about change.
新しい大統領が変化をもたらすことを期待しています。
The shop owner brought the price of that item down again.
店主はその商品の値段をまた下げた。
She brought me back a beautiful sari from India.
彼女は私にインドから美しいサリーを買ってきてくれた。
おすすめの本
この記事のクイズは、『英語は2語で何でも言える!』(アルク)を参考にしています。27の基本動詞と、30の前置詞・副詞の組み合わせで、どんどんイメージを作ることができます。
また、「日本最古の漫画」とも言われる国宝、鳥獣戯画のキャラクター、ウサギ・カエルが本書では案内役として句動詞のイメージをさらに分かりやすく伝えています。ぜひ、書店でお手に取ってご覧ください!次回は「bring」を使った句動詞クイズです。お楽しみに!
●編集:増尾美恵子
●作成:2018年10月15日、更新:2024年5月21日
【トーキングマラソン】話したいなら、話すトレーニング。
語学一筋55年 アルクのキクタン英会話をベースに開発
- スマホ相手に恥ずかしさゼロの英会話
- 制限時間は6秒!瞬間発話力が鍛えられる!
- 英会話教室の【20倍】の発話量で学べる!
SERIES連載
思わず笑っちゃうような英会話フレーズを、気取らず、ぬるく楽しくお届けする連載。講師は藤代あゆみさん。国際唎酒師として日本酒の魅力を広めたり、日本の漫画の海外への翻訳出版に携わったり。シンガポールでの勤務経験もある国際派の藤代さんと学びましょう!
現役の高校英語教師で、書籍『子どもに聞かれて困らない 英文法のキソ』の著者、大竹保幹さんが、「英文法が苦手!」という方を、英語が楽しくてしょうがなくなるパラダイスに案内します。
英語学習を1000時間も続けるのは大変!でも工夫をすれば無理だと思っていたことも楽しみに変わります。そのための秘訣を、「1000時間ヒアリングマラソン」の主任コーチ、松岡昇さんに教えていただきます。